142 誤解は解けた
誤字報告有難う御座います。
助かります。
俺はニャルマル商会の応接室で、副支店長のマリさんと気功士の女性達に囲まれていた。
怒りで顔を真っ赤にし、仁王立ちの女性達。
どうやら俺が、未成年の気功士ミクとアヤに無理矢理、冒険者達と性交させたと思い込んでるらしい。
全くの誤解だ。
エリは誤解と分かって、俺の後で面白そうにニヤニヤ笑ってる。
そこにシャルさんと支店長のニャリさんが入って来た。
「何があったのかしら?」
マリさんがニャリさんに事情を説明した。
俺が修行の帰りに、ミクとアヤを無理矢理冒険者達に犯させたと・・・。
「本当の事ですか?」
ニャリさんが俺に聞く。
「ちょっと待つにゃ。」
シャルさんが止める。
「事の真偽を確かめるのは、こちらの仕事にゃ。直ぐにミクとアヤを連れてくるにゃ!」
「でも、彼女達は疲れ果てて寝ています。」とマリさん。
「叩き起こして連れてくるにゃ!ニャルマル商会の一大事にゃ。」
「ひゃい!」
シャルさんの剣幕に驚き、気功士の1人が部屋を飛び出した。
「ショータ様、お忙しところすいませんにゃ。今暫く時間を下さいにゃ。その間、ソファーに腰掛けてお待ち下さいにゃ。」
「分かった。俺も誤解があったままでは、納得出来ない。」
俺とエリはソファーに腰掛けた。
「直ぐに菓子とお茶をお持ちしなさいにゃ!」
「ひゃ、ひゃい!」
気功士の1人が部屋を出て行く。
そうこうしてると、気功士の女性がミクとアヤを連れてきた。
「なあにぃ?」
「どうしたの?」
目を擦り、寝起きで不機嫌の2人は、マリさんに聞く。
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誤解は解けた。
気功士の女性1人の早とちり。
「すいませんでしたあああああ。」
マリさんと気功士の女性達が土下座で謝る。
シャルさんとニャリさんも、ミクとアヤも土下座している。
「まさか、事の真偽を自らが確かめず、気功士の女性の言葉を鵜呑みにして、当商会お客様であり、重要な御取引相手のショータ様に土下座を迫るとは・・・。弁解のしようがありません。誠に申し訳御座いません。」
ニャリさんは再度頭を下げる。
「お詫びのしようが無いにゃ。今回の件について、何を要望されても断れ無いにゃ。申し訳御座いませんでしたにゃ。」
シャルさんも頭を下げる。
「ミクとアヤも誤解を招く様な言動は、気を付けなさい!」
ニャリさんはお怒りモードです。
「ひゃい、御免なさい。」
2人も頭を下げる。
「女性達を土下座させる趣味は無いので、どうぞ頭を上げて、立って下さい。」
「は、はい。」
女性達は後悔の顔でゆっくりと立ち上がる。
「まあ、誤解が解けて良かったよ。」
「ユキが相当怒ってるからのぅ。」
冷気がどす黒い魔力に変わり、人の形になっていく。
濃厚で見た者の恐怖を呼び起こし、背筋が凍る冷たい魔力。
「あわわわわわわ。」
「はう・・・。」
「主様に無礼でありんす!許しんせん!」
雪女のユキが姿を現す。
拡散する、戦慄の魔力。
威嚇する鋭い眼光。
「ひ、ひぃいいいいい。」
「ふぎぃっ。」
腰を抜かす女性達。
何人かの気功士の女性が、恐怖に震えお漏らししたのは、見なかった事にしよう。




