013 猫と狩りをしました
ケット・シーのペロと一緒に昼食を食べている。
アルミラージの串焼き。
調味料は雑貨屋の台所と商品にあった物を使っている。
魔石オーブンで中までじっくり、外側はしっかり焼いた。
「美味いにゃ~。」
ペロの手は止まらない。
塩コショウ振って焼いただけで大満足だ。
「今日は大物を狩ろうか?」
連携も出来て来たので、レベ上げの為、経験値高めの魔物狩りをペロに提案。
「いいにゃ!食べられる魔物を狩ろうにゃ。」
「じゃあ、大猪がいいかな?」
「おお!それはいいにゃ。一人じゃ手が出せなかったにゃ。大猪は久しぶりにゃ。じゅるっ。」
大猪。
体長は3mぐらい。
黒褐色の剛毛。
硬い皮膚。
黒い鬣。赤い目。
下顎の牙が鋭い。
突進力が強く大岩も砕く。
食後、俺達は大猪を探しに森を探索する。
レベルが上がって俺の気配検知は精度が向上し検知範囲も広がった。
右方1km先に大猪発見。
「見てくるにゃ。」
ペロは影に沈んで確認しに行く。
俺は気配を消して、脚に気を込める。
大猪に察知されないように近付く。
ペロが戻って来て、小声で状況を教えてくれた。
「一心不乱に地面を掘って何か食べてたにゃ。多分植物の根っこだにゃ。」
「有難う。じゃあ、気付かれないように近付いて拘束してくれ、俺が生命力を吸収するよ。」
ペロは一緒に狩りをしていたら、闇魔法のレベルが上がり、闇の触手を発生させて魔物を拘束出来る様になっていた。
そしてペロとは何度も一緒に狩りをしているので、パーティーとして行動する事にした。
ペロも格上の魔物を狩る事が出来て、レベルが上がり強くなれる事と何よりも食料が安定して食べられる事でパーティーは大賛成だった。
ペロは音検知と魔力検知のスキルがあるが、レベルが低いので検知範囲が狭い事から、食糧となる魔物を見つけられず、食べられない日もあったらしい。
そういう事で一緒に狩をする為、俺の能力も教えている。
急いで大猪のところに向かうと、ペロが影に沈み大猪の背後に移動した。
俺が大猪を視認すると同時にペロは闇の触手で大猪を拘束した。
「早くしてにゃ。あまり持たないにゃ。」
大猪は闇の拘束から逃れようと暴れている。
俺は大猪の生命力を吸収しながら近付いて行く。
触れる位置まで近付くと、大猪は虫の息となっていた。
俺は大猪の頭に手を触れると最期の生命力を吸収した。
ペロと何度か一緒に狩りをして、見つけた食材を1番傷つけない狩り方。
ペロが闇の触手で拘束し、俺が生命力を吸収する。
ペロの闇魔法のレベルがもっと上がれば長時間拘束も可能になると思うが、今は10秒程度が限界。
しかも近付かないと拘束出来ない。
従って、一角兎等の地上にいる魔物は良いが、空を飛んでいる鳥の魔物は拘束出来ない。
鳥の魔物は地上にいるときを狙って拘束する必要がある。
「上手くいったにゃ。今日は御馳走だにゃ。」
「そうだね。」
大猪が掘ってた地面を見ると自然薯っぽい芋が見えた。
「これも食べられるな。」




