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第11.5話 プチ新年座談会+オマケ

 ◆プチ新年会

 ヤ=ヤルン/キ=キーマ/コ=ココ


 ヤ)もう新年か

 キ)おめでとー。1年なんてあっという間だねぇ

 コ)去年も毎日、色々なことがあって慌ただしかったですからね

 キ)そうだ、二人は夢まで共有するようになったんでしょ?

 ヤ)たまにな

 キ)面白そうでいいなぁ。今度入れてよ

 ヤ)説明したろ? ホイホイ招待出来るもんじゃねぇんだって

 コ)魔力が響き合わないといけないので……難しいですね

 キ)えー。

   もっともらしいこと言って、二人で楽しみたいだけなんじゃないの?

 ヤ)無理やり引き込んで術のまとにすんぞ。

   夢の中なら、いくら当てても大丈夫だからな。

   なぁココ、キーマが実地訓練に付き合いたいってよ

 コ)本当ですか?

 キ)そんなにキラキラした目で見つめないくれる?

   夢だって魔術を打ち込まれたら痛そうだし、精神的にヤバそう……

 ヤ)的になる気がないなら却下だ

 キ)わぁ酷い結論。っていうかさ、

   二人はもっと「夫婦らしいこと」したら?

 コ)してますよ?

 キ)たとえば?

 コ)一緒にお買い物したり、お食事したり、それから――

 ヤ)わーストップストップ!

   コイツに面白がるネタを提供してやる必要は一切ない!

 コ)はぁ、分かりました

 キ)ええ~!?

 コ)ふふっ。では代わりに「夢の中」で思い出したことがあるので、

   そちらの話を聞いてもらえますか?


 ◇◇◇


 ヤ)「夢」で思い出したこと?

 コ)今年の初夢が衝撃的だったんです

 キ)衝撃って、どんな風に?

 コ)それが、騎士団長さんがいきなりヤルンさんに

  「お前を騎士団から追放する!」と宣言されまして

 ヤ)ゲッ

 キ)どこかで聞いたような話だねぇ?

 コ)これまでに起こした騒動を一つずつ挙げて、

  「騎士団の品位を下げる」、「相応しくない」とおっしゃって

 ヤ)思い当たる節があり過ぎるッ!

 キ)わー、原因がちゃんとあるパターンだ。で、追い出されちゃう?

 コ)はい

 キ)まぁ、ヤルンは自業自得として。ココは?

 コ)当然、一緒に辞めましたよ?

 キ)いさぎよいなぁ

 コ)セクティア様には申し訳ないですけど、

   師匠せんせいも同行されるのに、私だけ残る理由はないですし

 ヤ)ないのかよ。思いきり良すぎだろ

 コ)キーマさんもご一緒でしたね

 キ)だろうねぇ。それこそ自分が残っても全く意味がないし?

 ヤ)お前は少しくらい弟妹きょうだいのこと考えてやれよ

 キ)考えてるってー。「次のお土産は何にしようかなぁ」とか

 ヤ)清々しいまでに酷ぇ兄貴! ……それで、夢は終わりか?

 コ)いえ、私達は話し合って、フリクティー王国に行くことにしたんです。

   前にスカウトのお話を頂きましたよね?

 キ)なるほど。確かにお隣なら騎士の仕事が出来そうだもんね

 ヤ)行ってみて、無理だったらそのまま旅でもするつもりだったのかもな

 コ)ところが、事態を知った国王様が大層お怒りになりまして

 ヤ)へ?

 キ)あぁ、「護衛役を辞めてはいけない」って命令があったもんねぇ?

 コ)そうです。陣のこと以外にも、王子様や王女様のこともありますから

 キ)なのに団長が勝手に追放しようとしたら、怒るよねぇ

 ヤ)……話の展開がきな臭くなってねぇか?

 コ)「団長よ、王の意思に逆らうか」と糾弾されまして、

   国王派と騎士団長派に分かれてお城中が大混乱でした……

 キ)わお、国が割れてる。ヤルンってば大人物だね

 ヤ)全然嬉しくねぇっつの!

 キ)そういうヤルンはもっと平和な初夢だったわけ?

 ヤ)俺は……いつも通りだったな

 キ)いつも通り? 毎年同じ夢ってこと?

   なんだか予知夢みたいだねぇ

 コ)どんな夢を見たんですか?

 ヤ)……師匠に魔術の特訓やらされる夢

 キ)なんだか予知夢みたいだね!(にっこり)

 ヤ)繰り返すんじゃねぇ!

   こうなったらマジでお前も夢に引き込んでやる。

   ココ、次の魔術の研究テーマはこれで決まりだ、いいな?

 コ)分かりました。頑張りますね!

 ヤ)そうと決まったらまずは魔力の共鳴実験からだな

 キ)え、ちょっと待って待って

 ヤ)安心しろ。ちゃんと論文に協力者として名前を載せてやるから

 コ)わぁ、いよいよキーマさんも論文デビューですね!

 キ)いやいや完全にただのモルモットだよね!?

   それに魔術論文に名前載せられるのは困るって!

 コ)では「匿名希望」や「被験者K」にしておきますか?

 ヤ)そこは二人で詰めてくれ

 コ)了解です!

 キ)だから待って……あれ、死亡フラグ立てちゃった?


 ◇◇◇


 ヤ)ところで、俺も気になってたことがあるんだけど

 コ)なんですか?

 ヤ)ココ、前にファタリアで暴漢を捕まえた時に

  「精神のコントロールについてもっと学ぶ」って言ってたよな。

   最近、むしろ逆になってないか?

 キ)それ、ヤルンに言われたら終わりじゃない?

 ヤ)ほっとけ!

 キ)まぁでも確かにね。練習やめちゃったとか?

 コ)いえ、していますよ。でも、前より魔力が増えたので

   溢れやすくなっているのは感じますね

 キ)やっぱり多いのも大変そうだなぁ

 コ)それに……

 ヤ)それに?

 コ)実家から結婚するよう言われた時に実感したんです。

   常に冷静でいるだけでは、大事なものを失うことがあるって

 キ)なるほど。怒りも必要ってことか

 コ)そうなんです。

   大事なものを守るのは騎士の本分でもありますし

 ヤ)宮廷魔導師じゃなくて、騎士になって正解だったってわけだ

 コ)はい。騎士になった今も、魔術の研究は出来ていますしね

 ヤ)俺は出来れば騎士の仕事に専念したいけどな

 キ)言ってるだけで行動は伴ってないよねぇ

 ヤ)ぐ……。し、仕方ないだろ

 コ)そういえば、また新しいお仕事の依頼が来てましたね。

   スケジュールを調整しておきます

 キ)ココも、もう完全に助手だよね~

 ヤ)……。ったく、みんなマジで俺のこと何だと思ってんだ

   なんでもかんでも気楽に頼みやがって

 キ)んー、やっぱり便利屋さんじゃない?

 ヤ)誰が便利屋だ! 騎士だっつってんだろ!

   分かったぞ、こういう時に「怒り」が必要なんだな?

   よし、今年の抱負は「正しく怒る」に決定だ

 コ)正しく……、良い抱負ですね

 キ)え、賛同しちゃうの? かなり無謀な目標じゃない?

 ヤ)色々と決められて、なかなか有意義な新年会だったなー

 コ)そうですね。達成に向けて頑張りましょう!

 キ)え、これで終わり? 本当に?

 ヤ)というわけで、かいさーん!

 キ)苦労する未来しか見えないんだけどねぇぇ??


(終わり)



 ◆オマケ:クッキーゲーム

 コ)ヤルンさん、私とクッキーゲームをしませんか?

 ヤ)は? なんだそれ

 コ)見て下さい。細長~いクッキーを焼いたんです

 ヤ)ふむふむ

 コ)これを、二人で両側から食べていって……

 ヤ)え、それって(ドキッ)

 コ)沢山食べた方の勝ちです!

 ヤ)ん? (何か違うような気が)

 コ)ほら、真ん中にチョコで線も入れておきました、分かりやすいでしょう?

   さっ、始めますよ。そちら側をくわえてくださいね? はむっ

 ヤ)お、おぅ。はむっ

 コ)いひまふよ~、スタート! もぐもぐもぐもぐ!

 ヤ)(やっぱガチ勝負か! くっそー!) ばりばりばりばり!

 ――ガツン!!

 ヤ)っぇ!(ヒリヒリ)

 コ)あうぅ、痛いです……(うるうる)

 ヤ)つうか、このゲームって絶対こんなやり方じゃねぇだろッ

 コ)そうなんですか? では本来はどうやるものなんでしょう

 ヤ)そ、それは……もごもご……だろ、多分////

 コ)なるほど。でもそれだと、口の中がクッキーで

   いっぱいになって、やはり痛そうですね

 ヤ)ハムスターかよ! どんだけ食ってんだっつの!

 コ)えぇと。

   とにかく、これは初々しいカップルが楽しむゲームなんですね

 ヤ)別に限定ってわけでもないだろ。

   それに俺達だって一応新婚だし(ぶつぶつ)

 コ)だって、避けたら負けなんですよね?

   私達、今やったように避けないと思います

 ヤ)そりゃまぁ……ま、負けたくねぇし?////

 コ)なら勝負にならないじゃありませんか。

 ヤ)そもそも勝負じゃねぇんだけどな

 コ)うむむ……分かりました! 今回の失敗を元に、

   次は勝ち負けが決まるよう、しっかり改善してきます!

 ヤ)勝負のガチ度を上げてどーすんだよ!?


 終

あけましておめでとうございます。

今年も細々と更新していく予定ですので、よろしくお願い致します。

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