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第8.5話 小ネタ詰め合わせ《絵あり》

今回はちょっとしたネタを詰め合わせてみました。

絵ありですので、不要の方は非表示でご覧ください。

 ◆魔女のイタズラ


「ヤルンさん、どうですか?」

「お、その服って」


 掛け声と共に現れたココは、黒い帽子に黒いワンピース、そして黒いローブといういかにもな格好をしていた。


「はい。前に魔女の格好が見たいと仰っていたので着てみました」


 カボチャ祭りの時の話だろう。ただ、確かリクエストしたのはキーマだった気がするけどな。一応そう念を押しておいてから、俺はもごもごと褒める言葉を口にした。


「か、可愛い、と思う。……似合ってる」

「ありがとうございます♪」


 欲しかったセリフを貰えたらしいココは満面の笑みで礼を言う。

 こちらとしてはそれすらも恥ずかしいのだが、黙って耐えるのが「夫」とやらの仕事だろう、多分。


 しかし、そんな自分の視線は晒された白い肌を避けて彷徨(さまよ)ううちに、あるものを捉えてピタリと止まる。

 黒くて細長くて、腰の辺りでふよふよと動くそれは……「シッポ」に見えた。


「なぁ、魔女の格好なのに何でシッポまで付けてるんだ?」


 言いながらも自然と手がのび、気が付けばぎゅっと掴んでいた。彼女は急に引っ張られたからか「あっ」と声を出す。え? ちょっと待て、これって?


 悲鳴に驚いたこともあって、更に強く握ってしまった。それは妙に温かく、作り物にしてはやけに柔らかさと弾力があった。

 このすべすべした感触を、俺は良く知っているような……?


「んん~、強く握っちゃだめです」

「わ、悪い!」


 身をよじって嫌がるココの様子に、慌てて手を離す。その珍しい反応も間違いがない証拠だと思えた。

 彼女はほんのり赤く染めた顔で「はぁ」と息を吐き出し、軽く顔を顰める。


「この格好は、魔女は魔女でも『ネコ魔女』なんです。帽子の中には耳もあるんですよ。ほら」


 パッと帽子を取ると、そこには説明通り黒いネコ耳がぴょこんと生えている。いや、聞きたいのはそこじゃなくてだな!


「なな、何で温かいんだよ!? 変に柔らかいし、それに……」


 答えはすでに頭の中にあったが、それでも半信半疑の心地で問いかければ、ココはにこりと笑う。

 どうやら、ここのところネコに何度も変身して術に慣れたから、一部だけ付けられないかと考えたらしいのだ。黒い色は服に合わせたのだとか。


「ほら、動かせるんです。可愛くありませんか?」


 ピクピクとネコ耳が動き、フリフリとシッポが揺れる。その仕草は正直、可愛い。可愛いのだが……このまま外に出しては、非常によろしくない雰囲気に仕上がってないか?


 俺は「可愛い」と改めて褒めつつも、「絶対にイタズラされるぞ」と忠告した。

 天然ボケの気があるココに意味が伝わるか怪しかったが、彼女はすっと近寄ってきて「もう」と頬を軽く膨らませた。


「耳もシッポも、お見せするのは旦那様だけにですよ」


 えっと驚く間もなく、黒いシッポが俺の片腕にスルリと絡んで優しくくすぐった。それに、普段はきっちりした服ばかり着ているので、ギャップが強烈だ。


「わ、おい、やめろって」

「ふふっ、ちょっとしたイタズラです」

「ちょっとじゃないだろ!」



 という話を後日、キーマに愚痴ったら嫌味っぽく睨まれた。


「あのさ、見たいって言ったのはこっちなのに、惚気のろけるなんて酷くない?」

「……あ、すっかり忘れてた」


 《終》


 真面目なココの珍しい?イタズラ話でした(笑)。

 彼女のネコ魔女姿が気になる方はこちらでご覧ください^^↓

(https://book1.adouzi.eu.org/n3454fx/47/)



 ◆キャラクター絵

 マンガでは載せていましたが、きちんとしたキャラ絵を描いてみました。


 ①ヤルン

 挿絵(By みてみん) 


 ②ココ

 挿絵(By みてみん)


 ③キーマ

 挿絵(By みてみん)



 ◆「Aパターン・Bパターン」


 挿絵(By みてみん)


 挿絵(By みてみん)


 ココは、せっせとお世話してくれそうです。

 される方は大変かもしれませんが(笑)。



 ◆「騎士」本編PV222,222達成記念座談会

 ヤルン=ヤ/ココ=コ でお送りします。


 コ)聞いてください。

  「騎士」本編が222,222PVを達成しました!

 ヤ)へぇ?

   それは目出度めでたいし有難いことだな……って、

   またお前、妙なこと考えてるんじゃ――

 コ)はい、今回もお祝いの準備はバッチリですよ!

   えいっ

 ヤ)わっ、頭にまたネコ耳が! しかも取れな……いででで!?

 コ)ああっ、駄目です。引っ張ったら怪我しますよ?

 ヤ)これ、本物の耳じゃねぇか!

 コ)はい。本人の魔力を利用して生え続ける「リアルネコ耳」の術です!

   魔導師にしか使えないのが難点なのですが……

 ヤ)ったく。またハタ迷惑な術を編み出しやがって

   前にも言ったろ、俺の頭にネコ耳生やして誰が喜ぶんだっつの

 コ)え? 私は楽しいですし、セクティア様達もお喜びでしたよ?

 ヤ)この国、結構病んでるだろ……?

 コ)そんなことより、先日お見せした通り、動かせるんですよ♪

  (ピクピク)ほらほら、やってみて下さい

 ヤ)はぁ、仕方ないな(ピクピク)ん、ちょっと面白いかも……?

 コ)でしょう? あっ、安心して下さい。

   ちゃんと忘れずにシッポもセットでお付けしておきましたから

 ヤ)へ? うわっ、マジでシッポも生えてる!

 コ)ヤルンさんはネコになれますから、シッポの説明は要りませんよね?

 ヤ)「シッポの説明」って凄ぇパワーワードが来たな

 コ)では、この術についてささっとお教えしますから、

   会場入口で私と一緒に皆さんへかけて頂いて良いですか?

 ヤ)入口? って、あぁ、またパーティーすんのか。

   でもってネコ耳と、今回はシッポも入場チケットがわりなんだな?

 コ)そうです。

   魔力のない方には作り物の耳とシッポを術で生やしてあげて下さいね

 ヤ)とんでもないことを言っているとは思えない笑顔……。

   つーか、なんでみんな嫌がらないんだよ

 コ)きっと、主催者であるセクティア様の人望ですよ

 ヤ)絶対、圧力の間違いだな。

   ……あー、もうやれば良いんだろやれば。

   くそっ、こうなったら生やしに生やしまくってやる!

   くぞ、ココ!

 コ)はいっ♪


 挿絵(By みてみん)

お付き合い下さってありがとうございました。

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