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 大丈夫だというのに俺は戸板に乗せられゲオルグの小屋に運び込まれた。

 寝っ転がって空を見上げて運ばれるといつもと視点が違って面白い。

 みんなが俺の身体の下に手を入れて持ち上げてベッドに降ろされる。

 そんなことしなくても転がしてくれれば良いんだけどな。

 だってくすぐったいし。


 ベッドに降ろされ、皆が部屋から出て行ったのでようやくため息を吐いて俺はベッドの端に腰掛けた。

 やけに喉が渇いていたのだが、仰向けで寝ていては水が飲みにくい。

 俺は昆布を口から出して手に持ち、自分の口に水を出しかけて止めた。

 そうか、魔力切れなら水魔術もやめておいた方がいいか。


 水をもらいに行こうと立ち上がりかけたところでゲオルグが水差とコップを持って部屋に入って来た。


「本当にもう大丈夫なのか?」

「ええ、ありがとうございます。助かりました」

「助かったのはワシらの方じゃ。ようやってくれた」


 コップに水を注いでもらって少しづつ喉を潤す。


「クマはどうなりました? まだ逃げてます?」

「いや、流石に倒れた。もう死んどる」

「そうですか」

「今男衆が捌いとるよ」

「あー、ちょっと見たかったですね」

「やめておけ、お主死にかけとったのだぞ?」

「ですかね? あ、ゲオルグさんは?」

「あやつもちょっと怪我をしてな、治療しとるよ」

「僕が腰紐を抜いちゃったせいですね」

「良いんじゃ、良いんじゃ。それよりよくヨハンを救ってくれた」

「彼は助かったんですね?」

「意識を取り戻して今は寝とるよ」

「大丈夫なんですか?」

「母親が付きっきりで看とる。大丈夫じゃ」

「良かったー、、、」


 マジで良かった。

 脛側の縫合はかなり雑にやってしまったから折をみて様子を見たいな。

 神経もちゃんと繋がってるだろうか?

 あと胸も酷くやられてたから心配だよな。


「お主はまずは自分の心配をせえ」


 確かに。

 俺は痛む頭頂部の辺りをそっと触れた。

 なんかちょっとブヨブヨしてるし痛い。

 たんこぶになってしまったか。


「頭を打ったのか?」

「ええ、ちょっと」

「もう少し回復したら解毒と治癒を掛けてやる」

「ありがとうございます」

「ヨハンと人工呼吸? をしたからヒトには良くない菌をもらっとるかも知れんしの」

「そっか」


 ベッドの横にあるサイドテーブルを見ると俺のダガーやウエストポーチが置いてあった。

 ダガーをシースから抜くとクマの血は落としてあった。


「洗ってくれたんですね。ありがとうございます」

「血のついたままシースに戻すと厄介だからな」

「ありがとうございます。青銅製とはいえ、錆びたら面倒そうですもんね。折角切れ味がいいのに」

「よくあんなすれ違いざまに深く切れたもんじゃ」

「このダガー、ポリオリの王様が使ってたものらしいんですよ」


 ゲオルグは少し黙ってから話を続けた。


「確かにそのナイフは質の良いものじゃが、普通はあんな風には切れん」

「え」

「クマは腹といえど毛も皮も丈夫でな、しかも脂肪も厚いから、ああ横一文字にスパッとは切れんのじゃ」

「いやいや、前に盗賊に襲われた時も腕を骨ごとスパンと、、、」

「いやいや、遠心力や重さを使えないダガーで骨ごとはおかしい。多分じゃがな、魔術で切っとるのじゃろ」

「いやいや、僕はそんな事を精霊に頼んでは、、、」


 無意識に頼んでたのか?

 俺は首を傾げる。


「クマに打った衝撃波はどうじゃったか覚えとるか?」

「あ、そういえば追尾してましたね」

「お主の意図を汲んでやってくれたのじゃろう」


 まあ、無詠唱でもいけるし口に出してお願いしなくても使えるんだからそういう事もあるのだろう。


「そしてな、お主の魔力はお主が思っとるよりはずっと少ないぞ。こないだ何百倍あるとか言ってなかったか?」

「魔石を作る早さを比べて計算してみたら確か三百倍くらいあったのではなかったかと」

「多いのは認めるが、二倍か三倍程度じゃぞ」


 え、そう聞くとなんだか残念。

 いや、身体の中に魔石ができなくて良い事なのか?


 ゲオルグはリビングから椅子を持って来てベッドの横に

腰掛けて話し出した。


有識者の方々の指摘で273のAEDに関わる箇所を訂正しました。前後合わせて推敲して今後再度訂正するかもしれません。

ご指摘ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
 たしか、『Jin』で人工呼吸につかう器具を作成していたような…? 幕末でつくれるならこちらでも用意できそう。
実は魔石ができたり制御訓練のおかげで壊れた炉みたいなのが安定したのか?それとも食料が変わって燃料不足か?w 精霊診断みたいなのができれば便利そうなのになぁ~の場合~色に少し光ってみたいな
魔力制御や消費の練習だね
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