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合い言葉は「     」

作者: 一日千秋


ある時を境に突然、意識がハッキリし、思考できるようになる。



俺の名前は阿部真一あべしんいち28歳。


大学卒業後、新卒で入った会社がブラック企業で朝から晩まで社畜をしていた。

趣味は大好きなアニメを観ることなんだが、最近仕事と彼女でカレンダーが埋まっていて全然できていない。



昨日はクリスマスだったんだが俺はついに奥の手を使ってしまった。

会社に母親が危篤だと伝えて休んだのだ。


社会人としてはヤバいけど彼女のためだったらしょうがないよな。



彼女のハルちゃんこと、佐藤春さとうはるは学生の頃にバイト先が同じだったんだけど、俺の一目惚れだったんだ。


22歳が18歳に一目惚れ、若い時だからセーフか?



「あのぉ、阿部さん!今日からよろしくお願いします!」


カフェのバイトだったんだけど笑顔の挨拶と制服姿にやられてしまった、あの笑顔はズルい。



そんな昔話を思い出していると指の感覚を感じた。



ハルちゃんと手を繋いでいると何だか落ち着いた気分になるんだが、これが相性というやつなのだろうか?

手を握ったら分かるというもんな。


今触ってるこれは誰の手だろう。多分相性はいい気がするな。



そういえば、俺が「海が好き」って言ったら


「今度のデートは逗子に行きたい!で海辺のお散歩デートはどお?」


海辺を手繋いで歩いたっけな。

その時もこんな波の音が聞こえた気がする。


「やっほー!」

「ねぇ、しんちゃんそれ山でやるんだよ!」


波打ち際でそんな会話したな。



(やっほーー!早く夢、覚めろ!)



(……ねぇ…あなただれ?ここどこ?)


(え…?誰!?)


(もしかして、あなた私の手触ってる?しかも何か濡れてるんだけど!)


(これは誤解だ!彼女の手と勘違いしたんだ!)


(もういいから早く電気つけて!)


(さっきから俺も身動き取れないし、ずっと暗いんだよ)


(何で?どういうこと?)


(ん〜俺の予想だけど話していいか?)


(ええ、わかった…お願い)


(多分だけど俺たち双子の胎児じゃないか?これ転生ってやつだと思うだ)



(えぇ!?そんなことある?私、昨日彼とクリスマスパーティーしてたのよ!?)


(でも何か繋がってるからテレパシーで話せてるんじゃないのか?これ)


(あぁ…うぅ、そうかも?)


(とりあえず、お互い記憶が残ってたら合言葉で周りにバレない様に合図しないか?異世界では隠しておいた方がいいこともある)


(そういうものなの?)



(そういうものだ!じゃ合言葉は…)





次の瞬間、俺は頭から引っ張られる。



そして、光が見えた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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