表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
863/882

858話 ユニゾンスキル


「もしもし」

「セカンドジョォォォォブ!」


 声でか! 挨拶もなしにそれですか! ちょっと怖い!


 というか、うみゃーのテンションか?


「おっとごめんなさい。ちょっと興奮しててね! 自分でもテンション凄いのは分かってるんだけど! 事前にうみゃぁを消費したはずなのにまだ叫び足りない感じ? まあいいわ! 本題だけど、セカンドジョブを解放したのユート君よね! ね?」

「は、はい。俺ですよ」


 テ、テンションが天元突破してらっしゃる。まあ、セカンドジョブの情報だし、気持ちは分かるけど。


「そうよね! ユート君しかいないもんね! つまり新大陸ってことね?」


 アリッサさんからコール来るだろうと思ってたけど、ワールドアナウンスから10秒経ってないんじゃない? 予想よりだいぶ早かったな。


 まあ、浮遊大陸にいるのまだ俺だけだし、これはさすがに予想が簡単だったのだろう。


 結局、その場で分かっている情報を教えて、後々目録をもらうことを約束した。ずっとうみゃーレベルのハイテンションだったせいで雄叫びが聞けなかったのは残念だったけど、しょうがない。


 ただ、目録の内容を精査している途中だとかで、数日待ってほしいという。別に急ぐことじゃないから了承したけど、何かあったのかね?


「さて、妖怪系のスキルの使い心地を試すかね。今までよりも強くなってるはずだし」


 セカンドジョブのお陰で単純にステータスも上がってるから、他のスキルも強化されているだろう。


 ファーストジョブほどのステータスボーナスはないが、レベルが5上がったくらいの補正値はあるかな? さらにセカンドジョブのレベルが上がれば、ステータス補正が上がっていくはずなので今後に期待大だ。


 クラウディスパイダーに殺されかけた青緑の森は、セカンドジョブを育てた前提で挑むフィールドなのかもしれない。


「妖怪召喚、妖怪察知、妖怪知識は元々持ってるけど、護符術が新たに追加されたぞ」

「ホゲ!」

「うん? 使って見ろって?」

「スーネー!」


 えーっと、起動すると護符を作成してくださいっていう表示が出るな。必要なのが、紙、ペン、インク? 全部あるぞ。


 オートで使用すると、選んだ紙が勝手に裁断された。今回は以前錬金術で作った低品質の紙が消費され、短冊状の『白紙の符』というアイテムが4枚作られたのだ。


 そこにハナミアラシという文字がグレースケールで表示されたので、ペンでなぞってみる。すると、ハナミアラシという文字が簡素に書き込まれただけの『ハナミアラシの護符』というアイテムが生み出された。


名称:ハナミアラシの護符

レア度:2 品質:★2

効果:ハナミアラシの幻影を召喚し、その能力を使用する。

使用条件:作成者本人


 使うまでもなく、メッチャ弱い。スキルのレベルもまだ1だし、使用した素材も低レアのものばかりだったせいだろう。


 あらかじめこれを作っておけば、妖怪の力をMPや召喚枠を消費せずに使えるということだな。この品質だと、本来の力は全く発揮されないだろうけどね。


 あ、そうだ! 鬼たちはどうなっているだろうか?


 俺はホームへと戻って鬼たちの姿が変化していないかチェックしてみることにした。すると、やはりその姿が変わっている。


 ちびキャラではなく、シュッとした普通の頭身になっていたのだ。陰陽師度が上がって、力を発揮できるようになったんだろう。


 ただ、その姿になっているのはキンキだけだ。オンギョウキはちびキャラのままである。どういうこと?


 すると、キンキがチビキャラに戻ってしまったではないか。慌てて声をかけると、再びイケメンに姿を変える。どうやら、任意に姿を変化させられるらしい。


 他の子たちもそうだった。気分で姿を変えて楽しんでいるのだろう。まあ、楽しそうだからいいや。


「護符をもう何枚か作って、使い心地を試してみるか!」

「スネ!」


 その後、スネコスリとチャガマの護符も作ってみた。


名称:スネコスリの護符

レア度:2 品質:★3

効果:スネコスリの幻影を召喚し、その能力を使用する。

使用条件:作成者本人


名称:ブンブクチャガマの護符

レア度:2 品質:★3

効果:ブンブクチャガマの幻影を召喚し、その能力を使用する。

使用条件:作成者本人


 多少インクをいい物に変えたくらいじゃ、ろくな変化はなかった。紙やインクをかなり研究しないとダメそうだ。あとはマニュアルで綺麗な文字を書くとかか?


 とりあえずこれでも使用は可能なので、実験するには十分だろう。俺は妖怪三人衆を引き連れて、村の外に出た。だが、俺はそこでステータス画面に新しい異変を発見してしまう。


「なんか、新しいスキルがあるな」


 スキル欄の一番最後に、ユニゾンスキルという項目が追加されていたのだ。アナウンスとかあったか? もしかしたらアリッサさんと会話中で気づかなかったのかね?


 ああ、ボーナスポイントがちょっと増えてもいるな。陰陽師の初期スキルである妖怪召喚、妖怪察知、妖怪知識をすでに所持していたため、その分のボーナスポイントが還元されたようだ。


「で、ユニゾンスキルが万能従魔術か」


 ログを確認する。ファーストジョブとセカンドジョブを得たことで、2つの職業の力が融合して新しく生まれたスキル、であるらしい。


「従魔術と似ているが……」


 従魔術はテイマーやサモナー、ネクロマンサーになれば初期スキルの1つだったが、陰陽師では覚えることができなかったはずだ。まあ、憶えても意味がないってこともあったんだろうが、この万能従魔術なら妖怪にも効果があるらしい。


 要は妖怪などにも効果が拡大された従魔術ってことね。所持しているだけでモンスのステータスが上がり、今後はバフや回復系のスキルも覚えていくんだろう。


 あと、従魔の好物を拡張するとある。多分、好物が増えるってことだよな? 好感度が上がりやすくなりそうだ。


「にしても、テイマーと陰陽師で万能従魔術ってことは、他の職業なら違うユニゾンスキルになるんだろうか?」


 ぜひ検証班には色々と頑張ってほしいね! 自分で検証したいとは思わないけど、メチャクチャ興味はあるし!


 あと、アリッサさんにコールしといた方がいいかな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ナレうみゃさせられた上に高速で次弾が充填されるのは不憫すぎる
万能従魔術… 妖怪も従魔扱いになるなら新しい卵生まれるかな?モンス同士じゃないとだめかな? 卵でなくても新しい仲間が増えるの楽しみ 畑もホームもどんどん賑やかに!
これはもしや、浜風が泣くやつか? 白銀さんが陰陽師関係の新情報発見して、浜風が嬉しさ半分悔しさ半分で微妙な顔するのが目に見える
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ