第53話 今度こそボス倒したっぽい
「プチメテオ!!」
まだ健太は俺の視界に入る位置にいる。だが、これくらいの距離から発動させないと実行されるまでに2秒かかるのだからしかたがない。
「なんかぶっそーな…でも不発…か?」
と健太が言った直後小さな火をまとった隕石が落ち始める。急がないと健太も巻き添えになりそうだ。
「うをおおおおおおおっっ?!」
「ほら急げ~」
「なっなっ…こんな魔法聞いてねーーーっ!!」
たまに健太をかすめながら小さな隕石が落ち続けている。その痛みにたまに健太の足が止まる。それをチャンスと見たでっかいリトルウルフが前足を健太に伸ばした。その爪は健太のマントを捕らえその衝撃で健太はひっくり返る。
ダメージを受けつつも執拗に健太を追い回すリトルウルフにとうとうつかまってしまった。
「ばっ健太!マント外せっ」
「あ、そうか!!」
急いでマントを外し立ち上がった健太はやっと俺の後ろまでやってきた。でっかいリトルウルフは…何故かその場でマントに絡んでいる。
立ち止まっているでっかいリトルウルフにファーナさんが次々と矢を放つ。俺は健太が範囲外に出たことを確認出来たので2回目のプチメテオを発動させた。ファーナさんもさらにガトリングで矢を全部打ちつくすと、でっかいリトルウルフはその場で動けなくなり消えていった。
荒い息を整えながら座り込んでいる健太が落ち着くのを待つ。ファーナさんも矢をうちつくしてしまったので弓をマジックバックに仕舞い、短剣を手に持った。
「今回はマジで死ぬかと思ったわ…でっかいのやばい。あとよっすーのあの魔法はなんなんだよ…」
「最後あのリトルウルフあそこから動かなかったけどどうしたのかしらね?」
ほぼ同時に健太とファーナが喋ったので俺はいまいち聞き取れず首を傾げる。魔法とリトルウルフがどうとか…
顔を見合わせた健太とファーナさんはファーナさんが健太に譲ることでひとりづつ話し始めた。普通健太が譲るんじゃないかとか思ったがまあ黙っておこう。まあ魔法は合成したことを話しておしまいだったしな。で、ファーナさんのリトルウルフがそこから動かなかったことなんだが…
「そうだな…リトルウルフって2階層からで、健太が絡まれてたのも2階層から…でっかいのに追いかけられて…最後は動かなくなったリトルウルフ…」
でっかいリトルウルフがいた場所には宝箱が3つとぼろぼろになった健太のマントが転がっていた。
「うーん…マントが原因なのかもしれんな。」
マントのなにがリトルウルフをひきつけていたのかわからないんだけどな。特に特殊な効果はついてなかったし…だとすると、色とか…動き…とかか?もしかしたら俺達にはわからない匂いでもついていたのかもしれないか。まあ魔物という生き物がそもそもよく知らないものだから俺達ではどうしようもないだろうな。
まあそれは置いておいて3つ出ている宝箱の中身を回収すると、周りを眺める。この階層で2匹目のでっかい魔物を倒したし、宝箱も3つ出た。今度こそボスを倒したことになっているのではないかという話なのだが…でもここは中央で壁とかはない。なので今俺達は這い蹲るかのように周辺の床を見て歩いているのだ。
マントがぼろぼろになってから健太はリトルウルフに纏わりつかれることがなくなって、2階層での移動もすっかり平和になっている。
「あっありましたー!」
どうやらファーナさんがタッチパネルを見つけたようで、その声がしたほうへ進むと小さな切り株があり、その切り口にタッチパネルがあった。
「壁沿い歩いてた俺達じゃ見つけられないわな…」
健太の言うことはもっともなんだが、最初から中央へ行こうとするほうがおかしいんだけど…健太1人だったらもしかしてそうしたんだろうか。
「どうします?」
「そうだな…3階層がどんなとこかわからないけど、一度足を踏み入れて1階層からいけるようにはしておくか」
「だな~…そしたら明日からはすぐ3階層にいけるしなっ!やっべ…これほんとに10階層までいけるんじゃね?」
どうやら意見は一致したみたいなので俺達はファーナさん、健太、俺の順番にタッチパネルから3階層へと進んでいった。




