第50話 12階層ボス戦1
父熊の衝撃波に飛ばされたシーナさんをちらりと見る。とりあえず大怪我はしてないようでほっとした。同じく飛ばされた健太も見るがこちらは心配する必要はないだろう。どうも父熊は子供と母熊を気にしているようでシーナさんが一番狙われているように見える。
のそりのそりとゆっくりと近づいてくる父熊。その移動コースはほぼ一直線。
「シーナさん『ヒール』」
「ありがとー」
「体制を!」
急いでシーナさんに駆け寄り回復をかける。その間ホルンさんが父熊を警戒してくれていた。シーナさんが立ち上がると父熊が勢いよく走り出す。逃げられる前に仕掛けたいのだろう。
「ぐわああああああああっ」
「……くっ 力が強いですね…」
ホルンさんが糸で父熊の攻撃を受け止めちらりとこちらを見る。どうやら耐えることはあまり得意ではないようだ。それならっ
「『ソリスト』!」
「ありがとうございます」
これで無理に支えている必要がない。
「失礼しますね」
「ん? …ってまたかよぉぉぉぉぉぉぉ~~!!」
ひょいっと俺を抱きかかえたホルンさんが父熊から離れるために走り出した。お姫様抱っこじゃないだけましだが肩に担ぐとかどんだけ力持ちなんだよ!
「今のうちに倒しちゃうねっ」
シーナさんが子熊狩りを再開し、ファーナさんはもくもくと肉拾い。そんな2人を一生懸命攻撃する父熊…はたから見ると俺たちのが悪役にも見えてくる不思議。まあ…今のうちに母熊をまずは倒して欲しいところだ。
「ホーンベア(父)、魔法耐性あり、角から衝撃波!」
父熊も鑑定して声をあげておく。
「父熊のほうはそのままヨシオが攻撃するのは厳しそうだな」
「ユージンなんとかなるか?」
「そうだな…母熊が今身動き取れないし多少だがダメージを受けている。他のみんなを父熊の足止めにまわしてもらって、まずは母熊を魔法で仕留めてしまおう」
「ってことはミネとリリノアーゼさんだな」
2人がいる方をみる。
「話は聞こえたけど私はそろそろ魔力がまずそうっ」
「無駄に魔法を撃ちすぎよ」
「なんですって! あなただって先ほどからじゃんじゃん魔法を撃っているじゃないっ」
「私はちゃんと当てているわ」
ミネとリリノアーゼさんがもめている…やれやれと言う顔でリノが首を振った。
「ヨシオが、やれば、いい」
「そう思うなら父熊のとこ行ってくれよ…スキル解除しないと当てられない」
「そうだった…」
「向かいます!」
リノと結奈さんが父熊のほうへ。ミネとリリノアーゼさんはまだもめているがもう放置でいいだろう。




