第45話 倒せっ
俺たちは11階層に来ていた。
「はい、はいっ はーい!」
さっきからあほそうに健太が飛び回っている。その掛け声に若干呆れながら他のみんなも走り回る。
「あーやっべ、息がきれるわーっ」
「当たり前、無駄、多すぎ」
息をきらせた健太はその場に座り込んだみたいだ。
「思ったより長くね?」
「まだ健太はいいだろう? 俺なんて退屈すぎなんだが…」
実は今俺たちはあのビームを放つ謎トロールと対峙していた。なんとか倒せないものかと試行錯誤した結果、ビームが切れるのを待ってみる作戦なのだ。無限に使えることはないと誰もが言う。勿論俺も同意見。
…で、ファーナさんの罠にはめられたトロールと同じくファーナさんの罠にはめられた『ソリスト』使用中の俺。その間で他のみんなはトロールにビームを撃たせようとしているかたちだ。一応これでみんなに危険は無い。
「それにしてもさー あいつらこなかったな」
「ふぁひふふぁっへ?」
「ファーナ様行儀悪いですよ。ちゃんと口の中を空にしてからにしましょう」
「ん…ゴクゴクぷはぁっ ありがとホルン」
「え、こんな状態でファーナさんおやつ食べてるのかよ!」
「ヨシオも食べますか?」
いらねーよ!
「ファーナ様あいつらとは、勇者様方のことですよ」
「あーそうだった話途中だった。たしかに今日は見てないね?」
そうなのだユージン達はあれから2日経つが来ていない。あれほど先へ進みたがっていたのにね。
「ん? ヨシオッ 少し前からビーム出ていないみたいだよ! というか暴れて罠からでたそうにしてるよっ」
ミネが叫んだ。
「お、じゃあ解除するぞ」
「私もヨシオの罠解除するねっ」
罠にはまっていた俺の足下から地面が盛り上がる。不思議な光景だ。それを確認したら俺も『ソリスト』を解除した。
「よっしゃーーっ 総攻撃!」
健太の言葉に結奈さんが切り込む…だが浅い。裏の方からミネの魔法詠唱が始まった。
「…んっ、せいっ」
無茶するなぁ~ 回復役のリノが殴り込んだ。そこにトロールの腕が伸びてくる。
「させません!」
ホルンさんの糸がトロールの腕ごと身体を縛り上げた。ボンレスハムみたいになってるトロールが少しかわいそうに見える。
「やべっ ハム食いたい」
言うなっ
「ハム…ハム…サンドウィッチが食べたいなっ」
そう言いながらファーナさんが弓を引く。ちなみに健太は何もしていない。短剣でデカブツは普通に無理だしな。
「離れてー! 『フローズン』」
ミネの魔法が決まった。トロールがカチカチに氷漬けになっている。
「とどめっ ん、しょっ」
リノが鈍器で殴るとトロールがバラバラになりすーっと消えていく…つまり倒せたってことだ。
「よっしゃーーーっ」
何もしてない健太が叫んだ。もう一度言うけど、何もしてない健太が叫んだんだ。




