第189話 願い
「ファーナさんは大丈夫そうだな…」
「だな…で、よっすーここどこよ」
ああそうだそれをレイノアールに聞こうと思ってたんだよ。
「ここがどこなのかわかりませんか?」
「ん? 誰だ??」
レイノアールの存在に気が付いた健太が首を傾げている。そしてレイノアールのこの言葉はどういうことだろうか?? とりあえず俺は知らない部屋だと思うんだが…
もう一度確認するかのように俺は周りをよく見る。やっぱり見覚えがない気がするんだが…ん? 順番に橋から視線を送ってみてたら一つの棚に目が留まった。その棚の上には前ダンジョンの攻略を始めた最初のころ、記念にと残しておいた魔石や小袋が置かれていた。よくあるものだろうから俺のではないかもだけど。そしてさらに視線を動かすとこれは見覚えがあった。あれだ、プレハブのドア…何度も開け閉めを繰り返した見覚えのある扉。
もちろん扉だって同じものはいくつもある。だけど微妙に薄汚れた感じが懐かしくも見えてくるのだ。
俺はその扉へと近づきドアノブを回し扉を外へと押し開けた。すると外からはむわっとする熱気が俺の体を包み込んだ。外は夕暮れ空が赤くなり始めていた。そして見覚えのある俺の住んでる家が視界に入る。
「よっすー?? うを?」
「俺の家がある…じゃあここって」
「ここの名称は『ヨシオのプレハブダンジョン』です」
プレハブダンジョン…? どういうことだ…
「あなたは何を求めてダンジョンの攻略をしていたのですか?」
「俺が欲しかったのは…部屋だ。快適に過ごせる部屋」
「あープレハブもっと手を加えないと厳しかったもんな~ 暑いし、暗いし!」
そう、だから俺は自力で解決出来ない部分…お金とかの関係でね。夜でも過ごせて空調がちゃんと聞いている部屋が欲しかったんだ。
「なるほど…つまり部屋をダンジョン化することによって解決されたということなんですね。私も納得出来ました。でもそうなりますと、後のお二人の願いは何なのでしょう? ここにいるということはすでに願いは叶っていると思うんですけど?」
「なあよっすー…この人誰だよ。知り合いか?」
あー色々驚いてレイノアールのことを忘れていたな…
「一応ダンジョンマスターらしいぞ」
「まじで! やっぱいるんだそういうのっ」
「はい、ダンジョンマスターやってます。みなさんのことはよく眺めてましたよ?」
「見てたの!!」
「はい、で…2人の願いはなんだったんですか? こう…目に見えない願いというのは中々わからないものですからね。聞いておきたくて…」
2人とも打ち解けるのが早すぎだろう…もう普通に会話してやがる。




