第169話 とあるダンジョンマスターの記憶4
少女は次の日テントを片付けると一度ダンジョンの外へと出ていく…おい、一体何のためにこんなところで野営したんだと問い正したいんだがどうすればいい??
それから少しするとまたダンジョンの中へと戻って来て狩りが再開された。3階層は森をイメージしたダンジョンで木々が視界を遮り少しだけ視界が悪い。でもこの少女はそんなことはお構いなしというばかりに爆発物を投げている。たしかに本物の森ではないので火事にはならないんだが…破壊されたオブジェクトの修復は誰がすると思っているんだこの野郎である。
────少し仮眠をとってきた。あれから少女はどうしただろうか。画面を眺めると少女はすでに4階層へと足を運んでいたところだった。3階層のボスはどうやって倒したのだろうか。たしかトレントだったはずだが、あの爆発物の火力では足りないはず…うん、やはり無理か過去の情報を読み取ってみるとどうやら途中で爆発物の在庫が切れたようだ。ある程度までトレントを燃やすことが出来たみたいだな。その後はもうなんというか…ただの殴り合いになっていた。少女は崩れかけたトレントの体をひたすら杖で殴っている。もちろんトレントも少女に攻撃するので少女の外套もボロボロになっていた。
そのまま4階層へ行ったのだろう。外套がボロボロのままだ。その隙間から白いスクール水着が見えている。相変わらず服を用意していないみたいで頭が痛い。もしかしたら用意するお金がないのかもしれないな。杖も持ち歩いている少女は回復魔法は使えるみたいだが攻撃魔法が使えないようだし…そうなると爆発物くらいしか魔物を倒す手段がないのだろう。
さて、4階層はゴブリン。少し休憩とばかりに弱くなっている。だが数が少し多めだ。1人で狩るのは少しつらいだろう。少女はゴブリンの遭遇するといったん引き上げていった。まあ攻撃手段が尽きているからそれがいいだろう。
やはり少しすると戻ってきた。外套はボロボロのままだ。だがその後ゴブリンに爆発物を投げ始めたのでその補充に戻ったってことなんだろうな。もしかするとここでの稼ぎはすべてそれにつぎ込み装備を整えるのに足りていないのだろうか…
ゴブリン相手に少し苦戦している。やはり数が多いのだろう。たまに外套を引っ張られますますボロボロになっていく。そしてゴブリンと言えば女を襲う生き物だ。完全につかまるとまずいだろう。爆発物だけではなく杖も振り回しているが流石に1回殴っただけでゴブリンは倒れない。
とうとう少女はゴブリンに両側から捕まれてしまった…これはまずいか? 一匹のゴブリンが少女に近寄っていきスク水を破ろうとしている。その行動に少しだけほっとした。基本考えの足りないゴブリンのことだむきになって破ろうとするだろう。それなら大丈夫だ。その辺は丈夫だしな。脱がそうとしないことを願ってこう。今が反撃のチャンスだが少女は動けるだろうか。
ゴブリンに捕まった時に取り落とした爆発物が足元に転がっている。それを足でけり上げゴブリン達の背後で爆発させた。その音に驚きゴブリン達が振り返る。掴まれていた腕の拘束が緩み少女は再び杖を振り回しゴブリンから距離を取り爆発物を投げまくる。多少自分にあたってしまう距離だとしても構わず投げ続け走り抜けボス部屋の前に着くと少女は座り込み両手で顔を覆って泣き出してしまった。よほど怖ったのだろう。
しばらく泣いた後思い出したかのように野営の準備を始める少女。体を休めてからボスに挑むのだろう。ここでまたゴブリン系が出るのだが…このままだときっと無理だろうな…このまま死なれても困るし、ボスのランクを下げてやろうかね。
ポチポチっとボスの情報を操作してランクを変える。ごっそりと魔力を持っていかれて少し眩暈がした。しばらく助けてやることは出来そうにないだろう。もう無理なことはしないでもらいたいものだな。




