第166話 8階層ボス戦
「なあなあ抜けなかったからマント試していいよな?」
ボスが引き抜けなかったことがどことなく嬉しそうに健太がリュックに手を入れている。こいつはただマントが装備したいだけに違いない。
「あーそれなら周辺にいるマンドラゴラを処理してからのほうがよくないか? 一斉にしゃべりだすとうるさいしな」
「それもそっか…じゃあミネさっきみたいに全部燃やしちゃってよそのほうが早そうじゃね? うるさくならないし」
「わかったわじゃあ一気に処理しちゃうわね………『ファイアストーム!!』」
ミネの魔法が発動すると周辺にいたマンドラゴラたちが次々と燃えていく。ただ一つミネは失敗をした。ボスの周りを処理するために使った魔法の中心にボスがいるんだ…見間違いではないと思う。
「…なあ、なんでこうなった?」
「何が…って、ああっ」
中心は燃えない魔法なんだろうが周辺から飛んでくる火の粉でじりじりとボスの葉が燃え始めている。その火はだんだん広がっていき、その熱さに耐えられなくなったのかボスが地面から飛び出してきた。
「~~~~~~~~~!!!!」
「ぐあっ」
「きゃっ」
「ひぅっ」
「んっ」
「ぐぅ…っ」
その大きな叫び声にみんな耳を塞いだ。健太とミネは近すぎたのか軽く声を上げた後目を回して倒れこんでいる。
「ヨシオ…これはまずいわっ」
ファーナさんはちらりと倒れている健太とミネを見た後ボスのほうを見る。ボスは少し焦げた程度で倒せていないし、むしろ怒ってミネのほうを見ている感じがする。
「わかった引き付けるから2人を回収して…『ソリスト!』」
俺がスキルを使いボスを引き付けている間にファーナは健太を、リノはミネを引きずるようにしてボスから遠ざけた。
「どうする、の?」
ミネを置いてきたリノが俺の傍へやってくる。どうやら2人を守るのはファーナさんに任せたようだ。
「まずは魔法打ってみるけど…俺のじゃ効果薄いだろうな~」
「ん、わかった…まずは様子見」
リノが俺の後ろのほうへ下がるのを確認すると俺は『プチメテオ』を使用した。『ソリスト』状態だから当たらないのはわかっているが、お互いなんとなく当たらない位置へと移動してしまう。そういえばまだ誰もこの状態であたりに行ってみた人はいないな。
俺の打った『プチメテオ』はボスに当たりはするが葉を少し焦がす程度にしか効果がなかった。
「やっぱ口の所切り落とすしかないのか…?」
自分の腰につけている剣に手を触れながらそんなことを考えてみる。だが口は俺の身長よりも上のほうにあってそのままでは届かない。ジャンプでもすれば届きそうな気もするか届いただけで切れる気がしないのだ。
「燃やす、切る、以外だと…体力を削る、くらい?」
「そのほうが無理だな」
「ん…じゃあ試しに、切って、見て?」
そういうとリノは俺の背後に回りこみ抱き着いてきた。その次の瞬間俺の体がボスの顔の正面まで持ち上がった。
「うわあああああっ??」
「暴れないっ 早く!!」
「え、あっ」
慌てて剣を手に持ちそれを俺は思いっきり振り抜いた…




