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第140話 レイノアールは見ていた3

 思ったより時間が稼げなかった…あの3人はとうとう3階層を突破してしまい、4階層の探索に入っている。ここはこの3人だときっとすぐに攻略できてしまうだろう。


 プピィ~~~…マリョクノテイカガミラレマス。ジッコウデキマセン。


 …少しでも時間を稼ぎたいのに力が足りなくてもどかしい。普段だったらこのぐらいの魔力量でも少しなら操作出来たのに、3階層に一度に消費した量が多く、全快するまで使わせてくれない。


「未記入のスキル…ってなに?」

「うーん、見たままだと思うんだけどな。白紙だし」

「ちょっと私のも『鑑定』して!」


 …ごめんなさい聞こえてきた言葉につい謝ってしまう。私が魔力を注げないばかりにスクロールも未記入なんです。マップの維持だけはどうにかなっているのだけど、そこに魔力を使わせてもらえない…もどかしい。どうにか彼らはそのまま7階層へ進んでくれたけど、どうやら攻略は進めず帰ってしまう。


 ダンジョンの内容を一番知っているのに…都合のいように変更も出来るのに…なのに教えることも出来ないし、うまく加減して変更も出来ない自分がいやになってくる。


 ピィィィ~…マリョクシヨウセイゲンカイジョシマス。


 少し画面を見ていない間に通常状態に戻っていた。目の前にある画面を見るとあの人がすでにいつもの場所で武器を振り回している。私は部屋を移動し肉体を置いて精神状態で昇降機に乗り3階層へと足を向けた。


 近づいてただぼんやりとその様子を眺める。直接見るのは久しぶりだけど画面越しに毎日見ていたのであまりそんな感じはしない。


「なんか元気ないみたいだが…調子でも悪いのか?」

「まあそんなところです…」


 少しだけ驚いてしまった。それ程会った回数もないのに見抜かれてしまったことに。確かに私は落ち込んでいるし、この言いたくてもいえないもどかしさに困っている。

 私はダンジョンマスターとしてきっと間違っているのだろう。ここの攻略を目指す人には公平でなければならないはずなのに、この目の前にいる人にがんばってもらいたいと思ってしまっている。きっと前ダンジョンマスターがいたら怒られてしまうかもしれないわね。それでも私は言わずにはいられなかった。


「………急いでください」

「え?」


 それだけ言うと私は強制的に肉体へと戻っていった。これ以上余分なことを言わないように。


 私はマニュアルを取り出すとそれをぎゅっと抱え祈るようにしただ静かに目を閉じた。


 願わくば─────…


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