第137話 6階層ボス戦4
とりあえずその頭部が体と合流はしないほうがいいと思い後ろから捕まえて見ることにした。頭部だけといっても結構大きいので、先ずは頭の上に乗ってみることにした。気のせいかじたばたと暴れているのか振動を感じる。首を傾げつつ少し足元を覗き込んでみると下から足が生えていた…というかもしかしてこの頭部の中に別の生き物がいるのかもしれない。手を突っ込んでみてもいいのだがここは少し慎重にやってみようか。
そうだな…たとえば鎧の隙間から酸を流し込んでみるとか…?
まあ思いついちゃったので試してみたわけなんだが、さらに暴れだした。流石にこの暴れっぷりにはそのまま乗っていられず、振り落とされてしまった。ゴロゴロと転がり健太にぶつかる。
「よっすー何してんだ…?」
「ああちょっとな」
チラリと頭部へ視線を向けると横倒しになったまま動かなくなり、すーっと消えていった。どうやら倒せたらしい。もしかすると中に入っていたのは弱い魔物だったのかもしれない。
となれば後はでかい体のほうだけなので今度はそっちを見てみると、すでに立ち上がっておりさっきミネに魔法を使ったときみたいに槍を上へと掲げた。
「やばい…っ 魔法がくるのか!?」
「むっ」
リノも健太もファーナさんも魔法が来る可能性を考えたのか槍をじっと見つめている。まあ見ていたからと言って避けられるわけでもないと思うが…何もしないよりはマシという感じだろうか。
少し待つが槍が光ることは無かった。鎧があわてて再び槍を上へ上げなおしているが魔法は飛んでこない。
「よくわかんねぇーけどチャンス到来ってとこかっ?」
「ん…魔法こないなら、ただ、殴る、だけっ」
「それには賛成だなっ」
「そうみたいね!」
さっきまでミネの前で盾を構えていた健太も参戦し、4人で鎧をタコ殴る。叩かれたところからどんどん変形をしていきついに左足が膝から外れた。鎧はそのせいで歩けなくなりその場で片膝をつく。魔法が出ないことに気がついた鎧は槍を振り回し始めた。これには少し驚いたが、まあどれだけ振り回そうと届かないところとかあるもので、そちらに避難しつつ攻撃できるところをどんどんとみんなで殴っていく。
ところで頭部にはなんか小さい魔物が入ってたのだが、この体のほうにはころがっている足を見たところ何も入っていない…大きな魔物が中にいるわけではなさそうだ。じゃあどうやって動いているんだろうかというのが気になってくる。
チラリと頭部のところから出ている炎を見た。あれだけ鎧じゃないんだよね…
みんなが殴りまくっているからこの鎧はそっちに意識が集中している。あの炎に水とかかけたらどうなるだろうか試したくなってくる。
「『フライト』」
鎧から少し離れ背面側から『フライト』でその部分へとゆっくり近づいていく。温度は…別に熱くはない。炎ではないのかもしれない。今度はそっと剣をその炎に差し込んでみる。
「ギュイイイイイイッ!!」
炎だと思っていたものは弾力があり、何故か刺さる。そして大きな声を上げた。槍を振り回し暴れ始める。その槍に当たらないように俺は慌てて距離を開けた。
「…は?」
「ヨシオ何したのっ?」
「あー…ファーナさん矢をこの炎に打ち込んで!」
「ええっ? いいけど…ほいっ」
ファーナさんが打ち込んだ矢は見事炎だと思っていた中心あたりに当たった。
「ギュイッ!!!」
一瞬だけ叫び声を上げると鎧がすーっと消えて目の前にいた魔物はいなくなってしまった。
「な…なんなの」
後には宝箱が5つそこには並んでいた。




