第3章 濃紺の空(霧宮ナツハ編)中編
学園キング 撮影スタジオ
真瀬莉緒
「おお……これが……学園キング……!」
学園キングのスタジオは相当な広さで広大なセットだった。
風亥ノクア
「どうだい? すごいだろう。」
真瀬莉緒
「はい! すごいです。」
するとそこへ学園キングの学生チームの大将の十森さんがやってきた。
十森
「やあ、君が莉緒くんだね。風亥さんをこれからもよろしくね。」
真瀬莉緒
「ああ、はい! よろしくお願いいたします。」
テレビで見る人に挨拶された。緊張しながらも僕は挨拶をした。
十森
「せっかくだからメンバー全員いるし、みんな紹介するよ。」
僕は言われるがままに学園キングメンバーを紹介された。
みなさん礼儀正しく僕に挨拶してくれた。
風亥ノクア
「そろそろ本番だね。せっかくだから見てってね。」
真瀬莉緒
「はい。頑張ってください。」
風亥ノクア
「ああ、頑張るからね。」
そう言うとADさんが本番の合図を出す。
AD
「本番5秒前……4……3……2……。」
MC
「始まりました。学園キング!本日はインテリ学生チームが全員出ていますので、今日は芸能人チームは苦戦するかもしれないですよ!」
MCが言うと、大将の十森さんがさらに答える。
十森
「そうですね。今日は12人全員が出てますので、負けられないですね!」
撮影は和やかに進んでいく……。
色々な対決をしていき、最終ステージで勝った方が優勝する。
芸能人チームは最終ステージまでの対決で勝つとアドバンテージがもらえる。
そして……最終ステージを迎えた。これまでの対決は全部で3ステージあり……インテリ学生チームは珍しく全部負けた。
芸能人チームは3ポイントのハンデをもらい、最終ステージに挑む。
一方でインテリ学生チームは最終ステージは0ポイントで挑んでいるが……最終ステージが始まるやいなやすぐに芸能人チームがさらに3ポイントの点が入り、マッチポイントになってしまった。
まずい展開だ……。けれど、ノクアたちは……。
風亥ノクア
「ふっ……。」
ニヤリと笑っていた。
この状況なのに……?
MC
「それでは続いての問題に参りましょう!」
ナレーション
「問題です。次の……」
ナレーションの途中でノクアが押した。
実況の指示のもとに答えを口に出す。
風亥ノクア
「対決。」
そう言うと……正解の音が鳴る。メンバーたちも大喜びだった。
MC
「風亥! 何でわかった!?」
風亥ノクア
「はい。こちらはですね……。」
説明までも完璧にこなしていった。
そして、この問題がきっかけでインテリ学生チームが本気出し……。
MC
「勝者はインテリ学生チーム!!」
インテリ学生チームが逆転優勝した。まさかのあの状況で勝てるとは……。
収録が終わると十森さんたちは風亥さんを褒め称えていた。
十森
「風亥さん! 今日はあなたのおかけで優勝できたよ!」
風亥ノクア
「ありがとうございます。僕は……ただ、諦めたくなかっただけですから……。」
十森
「諦めたくなかった……?」
風亥ノクア
「ええ、僕は今日は莉緒くんにも諦めない心を知って欲しかったんです。彼はあることに悩んでいてそれをどうすればいいのか迷っている状況でした。そして今、諦めの状況にまで落ちていました。」
十森
「そうだったのか……。」
風亥ノクア
「だから僕、今日は優勝出来て良かったです。……まあ、ここまで劣勢になったのはあれですけれど……。」
十森
「そうだな……。」
真瀬莉緒
「あの……」
風亥ノクア
「莉緒くん……。」
真瀬莉緒
「僕…………諦めないです。霧宮さんを救います。」
風亥ノクア
「そうか……。良かった。」
諦めない……僕は気付かされた。霧宮さんのことを救わないと……!
十森
「…………そういえば、莉緒くん。風亥さんとクイズで勝負して見ないか?」
真瀬莉緒
「僕がですか?」
十森
「諦めない心をもっと持つなら少し勝負してみたらどうだい?」
風亥ノクア
「僕は構わないけれど……どうだい?」
あのセットに触れれるのか……。やってみよう。諦めない……。絶対に。
そして、舞台のセットに僕は立った。
十森
「ルールは先に3問答えた方が勝ち。それじゃあスタッフさん。お願いいたします!」
風亥ノクア
「負けないからね。莉緒くん。」
真瀬莉緒
「こちらこそ。」
僕は初めてのクイズ勝負に挑む……。
勝負が終わった……勝ったのは……。僕だった。
真瀬莉緒
「か……勝った……! 僕、勝ったんだ!」
風亥ノクア
「負けか……。」
十森
「すごいな……これが諦めない気持ちか……。」
真瀬莉緒
「ノクア……僕、頑張る……。僕は霧宮さんを守って見せる……!」
風亥ノクア
「おお……やっとフランクに話してくれたね……ありがとう。俺も見守るよ。」
真瀬莉緒
「ありがとう。任せてね!」
僕はそう言って、学園キングのスタジオを後にした。
六郭星学園寮 中庭
六郭星学園寮に着いた。着いた瞬間……周りが光に包まれた。
真瀬莉緒
「うわ!? なんだ!?」
光が消えるとそこには女の人がいた。
??
「真瀬莉緒さんね。私は虹谷アヤ。私はある人を捕まえにやってきたの。」
虹谷と言う人は唐突にそう言った……。ある人を捕まえる……?
状況が整理できていないまま、僕は誰を捕まえるかを聞いてみる。
真瀬莉緒
「捕まえるって誰をですか……?」
虹谷アヤ
「霧宮ナツハ。彼女にはある容疑がかかっているの。」
真瀬莉緒
「霧宮さんが……!? 待ってください! 彼女は何もしてないですよ!」
虹谷アヤ
「………………。」
真瀬莉緒
「無理矢理に彼女を捕まえるのは許しません。今日はお引き取り願います。」
虹谷アヤ
「…………わかりました。でも後悔しないで。あなたは被害者なのよ。」
そう言うと再び、光に包まれ光と共に虹谷さんは消えていった。
真瀬莉緒
「何だったんだ……一体……? 疲れているのかな……とりあえず休もう……。」
僕は今日はゆっくり休み、明日に備えた。
六郭星学園寮 志奈・ナツハの部屋
翌日……僕は霧宮さんを救うため、部屋にやってきた。
霧宮ナツハ
「莉緒くん……。」
霧宮さんは何もしていないのに汗をかいていた。
真瀬莉緒
「霧宮さん……?」
すると奥の洗面所から姉さんが慌ててやってきた。
真瀬志奈
「ナツハ! 熱出しているんだからじっとしていて!!」
真瀬莉緒
「えっ、熱出しているの!?」
真瀬志奈
「ええ……。微熱ではあるけれど……。」
霧宮ナツハ
「大丈夫だから……。大丈夫だから……。」
真瀬志奈
「でも、その様子じゃあ……。」
霧宮ナツハ
「いいの。仕事に行かないと……また仕事を増やされる……。」
真瀬志奈
「………………。」
真瀬莉緒
「姉さん。俺はあのチーフマネージャーに訴えてくるよ。」
真瀬志奈
「訴えるって……どうやって……?」
真瀬莉緒
「撮影場所に行ってくる。これ以上、霧宮さんを困らすわけにも行かないからね。」
真瀬志奈
「でもあのチーフマネージャーは話を聞かないわよ……。」
真瀬莉緒
「それでも……霧宮さんの身体を考えないと……死んじゃうかもしれないよ。」
真瀬志奈
「………………そうね。私も行くわ。ナツハのことを守りたい。」
霧宮ナツハ
「2人とも……。」
真瀬莉緒
「行こう。チーフマネージャーをギャフンと言わそう。」
真瀬志奈
「ええ、行きましょう。」




