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colorful 〜rainbow stories〜 encore  作者: 宮来 らいと
第1部 古金ミカ編

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第4章 オレンジ色のペンライト(古金ミカ編)中編

 リゾートホテル



 あれから数日後……僕たちはリゾートホテルへ卒業祝いも兼ねた旅行に来た。笛花先生はもちろん鹿崎先生も同行している。


 笛花奏

「みんな。あまりはしゃぎ過ぎないでね!」


 鹿崎咲也

「旅行だから楽しくするのは良いけど、ハメを外しすぎるなよ!」


 先生方はそう言うが表情を見る限り楽しんで欲しそうな顔をしている。


 せっかくの旅行なんだ。楽しまないと。



 リゾートホテル 温水プール



 早速温水プールにやってきた。


 月川タクト

「よし! 泳ぐか!」


 月川さんが先陣を切り、泳ぎ始める。


 それに負けじと星野さんも泳ぎ出す。

 2人ともそれなりの対抗心があるのだろう。


 古金ミカ

「莉緒っちー! 私たちも泳ごうよ!」


 真瀬莉緒

「あ、僕は……やめておくよ。」


 古金ミカ

「そう? じゃあまた声かけるから!」


 ミカさんの水着はワンピースだった。オレンジ色の花がデザインされている。とても綺麗なデザインだ。

 ちなみに星野さんも若竹色のワンピースだった。


 来川さんはというと……


 夜坂ケント

「その……なんだ……。ラッシュガードを貸すからその水着はやめてくれ……。」


 来川ナナ

「いいじゃない。恥ずかしいの?」


 夜坂ケント

「すまん……俺にはベージュのビキニは刺激が強い……。」


 来川さんは意外にも攻めた水着を着ていた。


 ちなみに僕と姉さんは泳げないので、プールサイドの椅子でゆったりとしていた。


 真瀬志奈

「はあ……こんなに楽しいのはテスト前以来ね。」


 真瀬莉緒

「それってつい最近じゃん。」


 真瀬志奈

「なによ。いいじゃないの、別に。」


 真瀬莉緒

「いや、まあ……」


 真瀬志奈

「……でもありがとう。ミカのこと見守ってくれて。」


 真瀬莉緒

「それは……まあ……。」


 真瀬志奈

「だって、莉緒がいてくれたからミカも元に戻ってくれたんだから。あなたとミカ。お似合いよ。」


 真瀬莉緒

「……って姉さん!!」


 真瀬志奈

「うそうそ。冗談よ冗談。でも、これからもミカのことは頼むわよ。」


 真瀬莉緒

「…………はい。」


 古金ミカ

「おーい! 莉緒っち! 水中バレーやるから審判やってよー!」


 真瀬莉緒

「あ、うん。わかったよ! 今すぐ行くね!」


 真瀬志奈

「ふふふ……行っといで。」


 真瀬莉緒

「うん! 行ってくる!」


 僕は水中バレーの審判をした。Eクラス対Kクラスの対抗戦だ。


 勝負はかなりの接戦だった。


 星野シキア

「ミカ! パス!」


 古金ミカ

「はい!」


 星野シキア

「えい!」


 Kクラスのみんなはスピードやテクニックが高い。


 柊木アイ

「トス!」


 夜坂ケント

「いけ、月川!」


 月川タクト

「うぉらー!!」


 Eクラスのみんなはスピードは劣るもののスタミナやパワーでリカバーをしている。


 古金ミカ

「なかなかやりますなー!」


 柊木アイ

「ふん、運動会のリベンジだ! 今度こそ勝つぞ!」


 どっちも良い感じの熱い戦いになっている……。


 激しい戦いの末に勝ったのは……


 柊木アイ

「やったね! 僕たちの勝ちだ!」


 月川タクト

「やった! 運動会のリベンジできたぞ!」


 見事に勝ったのはEクラスのみんなだった。


 古金ミカ

「あちゃー……負けちゃったか……。」


 来川ナナ

「そうね……」


 みんなが本気でやっていたためか、Kクラスのみんなは悔しがっていた。


 古金ミカ

「こっちが勝ったらアイの自腹だったのに……。」


 柊木アイ

「なんで!? 企画したのはそっちでしょ!」


 その一言だけで場の空気が明るくなった。


 今日は楽しく、そして卒業祝いを兼ねた旅行だ。

 誰も楽しくないような旅行は望んではいない。満喫しないとだめだ。


 温水プールを楽しんだあと、僕たちは自由行動になった。



 リゾートホテル ミカの部屋前



 自由行動になったため、僕とミカさんは荷物を取りにミカさんの部屋に向かった。


 ミカさんの部屋の前に行くと、1人の女性が座り込んでいた。


 真瀬莉緒

「……? あのー。すみません……どうかされました……」


 その人の顔を見たとき、僕は驚いた。僕たちが元々この人に曲を書こうとしていた声優さんその人だったからだ。


 古金ミカ

「あわわ……どうしたんですか!? 大丈夫ですか?」


 さすがのミカさんも慌てていた。


 話を聞くと、ルームキーをどこかに忘れてしまい、確認するとマネージャーさんが持っており、来るのに今からあと30分ほどらしく、それまで待っていたらしい。


 僕たちは声優さんを放っておくわけにもいかないので、マネージャーさんが来るまでの間、ミカさんの部屋で休んでもらうことを提案すると、感謝して、部屋に入っていった。



 リゾートホテル ミカの部屋



 ミカさんの部屋に入るやいなや声優さんは押しかけて申し訳ないと頭を下げて感謝してくれた。


 古金ミカ

「いえ、大丈夫です。私の部屋でよければくつろいでください。」


 ミカさんは声優さんの前なのか、TPOをわきまえているのか、いつもの様子とは違う。


 声優さんはあたりを見渡しており、僕たちの書いた曲の楽譜に目に入った。


 この曲は何なのかを聞くとミカさんはしっかりと答えた。


 古金ミカ

「はい。この曲はこんな感じで……はい。」


 ミカさんは声優さんからの質問にしっかりと1つ1つ答えていき、デモテープも聴いてもらった。


 デモテープを聞いている際には声優さんは目を瞑り、真剣な様子で聞いていた。


 デモテープを聴き終えると改めて声優さんは質問をして、歌詞はあるのかと聞いてきた。


 古金ミカ

「はい……こちらに。」


 歌詞に関しては初耳だ。ミカさんいつのまに……?

 声優さんがいる前で言うのはあれなので、このことは黙っておくことにした。


 声優さんは歌詞を見ていると、マネージャーさんが戻ってきた。


 声優さんがマネージャーさんに耳打ちで話をすると、マネージャーさんはうんと頷き、ミカさんに携帯番号を教えて欲しいと言われた。


 古金ミカ

「はい……。」


 ミカさんはなにがなんだかわからないまま、番号を伝えた。


 声優さんは、楽譜とデモテープを借りても大丈夫かと聞いた。


 古金ミカ

「はい! ありがとうございます!」


 ミカさんは喜びながら楽譜とデモテープを渡した。

 楽譜とデモテープを借りたということは……その可能性があるため、僕も期待に胸が膨らむ。


 マネージャーさんと声優さんはありがとうございましたと一礼をして、部屋へと戻っていった。

 ドアが閉まったあと、ミカさんは元の様子に戻り……


 古金ミカ

「うひょー! これは可能性大いにありだよ!」


 ミカさんは喜びを隠せなかった。それもそうだ。僕も嬉しい。僕たちはワクワクしながら、ホテルの庭で花火大会があるためそれぞれの部屋に戻り季節外れの浴衣に着替えた。


 リゾートホテル 庭


 ホテルマン

「それではこれより、打ち上げ花火を行います!」


 ホテルマンはそれをいうと、花火職人の人に合図をして、打ち上げ花火を花火職人の人があげる。


 ピューードーン!!


 打ち上げ花火が始まった。


 星野シキア

「綺麗ね……。」


 星野さんがそういう、そしてミカさんも珍しく花火に見惚れていた。


 ミカさんの浴衣はオレンジ色の浴衣だった。とても可愛らしい浴衣だった。


 古金ミカ

「きれい……ですな。」


 真瀬莉緒

「そう……だね。」


 古金ミカ

「…………もっと大きく見れる場所に行こうじゃないか!」


 そういうと、ミカさんは打ち上げ花火が見れる周りには誰もいない場所に連れて行かれる。


 古金ミカ

「ついた……。」


 打ち上げ花火を見るととても大きく、きれいに輝いていた。


 僕たちはしばらくの間、それを見ていた。季節はずれの花火はとても大きく……浴衣でも寒さを感じないほど暖かい……


 古金ミカ

「莉緒っち……あのさ……」


 真瀬莉緒

「ん……?」


 古金ミカ

「卒業……ら……私……ない?」


 真瀬莉緒

「え……?」


 花火の音で聞こえなかった。


 古金ミカ

「答えは……卒業した時に話して欲しいな……。」


 真瀬莉緒

「…………わかったよ。」


 何かわからなかったが僕は、はいと言ってしまった。


 どんなことなのかはわからないが、卒業式までどんなことか考えることにした。

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