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colorful 〜rainbow stories〜 encore  作者: 宮来 らいと
第1部 古金ミカ編

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第3章 山吹色の夕焼けで(古金ミカ編)後編

 六郭星学園 Kクラス教室



 翌日……ミカさんの様子が戻ったことにクラスメイトたちはひたすら喜んでくれた。


 星野シキア

「心配したのよ! ……もう、本当に良かった。」


 来川ナナ

「ミカ……おかえり。」


 星野さんも来川さんも喜びを隠せなかった。


 笛花奏

「さあ、古金さんも戻ってきたので、これからも楽しく学園生活を楽しみましょう!」


 クラスメイトはそれに「はい。」と答える。本当に良かった……と思った。


 柿本瑛久

「うわぁぁぁ!! やめてくださーい!!」


 柿本先生の声が聞こえる。その瞬間、Kクラスの教室のドアが開くと……ミカさんの父親がいた。


 古金ミカの父親

「貴様……! このワシを欺きやがって……!!」


 そう言うとドアの近くにいた女子生徒の腕を掴み、喉元にスタンガンを近づける。周りのクラスメイトたちも驚き、ミカさんの父親の近くを離れた。


 古金ミカ

「な……人質を取る気!? 最低ね!」


 古金ミカの父親

「さあ、この女がどうなってもいいのか!」


 女子生徒A

「いやぁ……! 助けて!」


 笛花奏

「やめてください! それ以上やるなら警察を呼びますよ!」


 バーン!!


 笛花奏

「なっ……。くっ……。」


 真瀬莉緒

「け、拳銃!? そんな……いくらなんでも……!」


 ミカさんの父親は拳銃を持っていた。その拳銃の弾が笛花先生の肩をかすめ、笛花先生は肩から出血をしていた。


 来川ナナ

「せ、先生! 大丈夫ですか!?」


 笛花奏

「うぅ……。」


 古金ミカ

「わ、わかったから! そっちに行くからその子を離して!」


 古金ミカの父親

「だったら屋上に来い! 話はそこからだ!」


 ミカさんの父親は人質にとった子を引っ張って屋上の方へ行った。


 古金ミカ

「なんて卑怯なの……!? あいつ……!」


 今まで色々な性格を見てきたがミカさんのこの怒りの様子は初めてみた……ただ、気持ちはかなりわかる。この状況で怒りを露わにしない方が不思議だ。


 来川ナナ

「笛花先生のことは安心して。救急車を呼んだから。急いで屋上に向かって!」


 古金ミカ

「わかったわ。先生のことをお願い!」


 そう言い残し、ミカさんは屋上へと、走り出した。



 六郭星学園 屋上



 屋上にはミカさんの父親と、人質にされた女子生徒がいた。


 古金ミカの父親

「来たな……。こっちへ来い……!」


 古金ミカ

「…………はい。」


 ミカさんは言われるがままに父親の方へ向かう。そしてそれと同時にクラスメイトの女子は背中を押されて、解放された。


 女子生徒A

「いやぁぁ!」


 クラスメイトの子は僕に抱きついた。よっぽど恐怖を感じたんだ。無理もない。


 真瀬莉緒

「……大丈夫ですか? 急いで先生方の方へ行ってください。」


 女子生徒A

「…………はい。」


 クラスメイトの子は急いで先生方の方へ戻って行った。


 古金ミカの父親

「貴様……どういうことかわかっているな……!」


 古金ミカ

「ええ、わかっているわよ。」


 真瀬莉緒

「…………。」


 僕はミカさんが親と話しているところをただ見ているだけだった。


 以前のミカさんとは違い、親に対して強く言い放つ。


 古金ミカ

「私は負けない……あなたになんか負けない。私はもう逃げずに戦う……! あなたなんか親でもなんでもない!!」


 古金ミカの父親

「貴様…………! くたばれえぇぇぇぇ!」


 ミカさんの父親はミカさんに向かって銃を構える……!


 危ない…………!


 助けないと……! そう思った時すでに遅く、銃声が鳴り響く……。


 僕の後ろから……


 古金ミカの父親

「ぐあぁぁぁぁぁ!!」


 ミカさんの父親は右脇腹を撃たれていた。


 後ろを振り向くと、そこにはアイくんと見たことないおじさんが立っていた。


 柊木アイ

「ミカ! 大丈夫!?」


 古金ミカ

「うん。大丈夫だけど……まだあいつが起き上がるとまずいからここを離れましょう!」


 柊木アイ

「そうだね。行こう! 莉緒くんも!」


 真瀬莉緒

「う……うん。」



 六郭星学園 Kクラス教室


 ひとまずKクラスに戻ってきた。それにしてもさっきのおじさんは一体……?


 柊木アイ

「あの人は警察の中井雄也(なかい ゆうや)さん。ミカのお父さんを連行するために呼んだんだ。」


 真瀬莉緒

「警察……? それじゃあ……ミカさんは!」


 柊木アイ

「うん。助かるよ。これからも明るい性格のままだよ。……きっとね。」


 それを聞いて、ミカさんを見る。


 古金ミカ

「…………イェーイ!! これでしばらくは安泰ですな!」


 ミカさんはとても喜んでいた。それを見て僕はホッと肩の荷が降りた。


 肩の荷が降りたと同時に、警察の中井さんがKクラスの教室に入ってきた。


 中井雄也

「やつは逮捕した。いずれは柊木くんの母親も連行するがそのあたりは大丈夫か?」


 柊木アイ

「大丈夫です……。もう僕も決意をしました。母親のやっていたことは許せませんので。」


 中井雄也

「わかったよ。……では取り調べがあるから戻るよ……。」


 そう言うと中井さんは学園を後にした。


 古金ミカ

「アイ! ようやく理解したのね!」


 柊木アイ

「うん。じいちゃんに聞いたよ。許せないね。……あんなことをするなんて……。」


 古金ミカ

「そう……。それでいいわ。……ありがとう。」


 柊木アイ

「……で、ミカはこれからどうするの?」


 古金ミカ

「ええ、複雑だけど跡を継ぐわ。これから古金グループは私が支えるの。」


 柊木アイ

「……まあ、僕も柊木家を支えないとだからね……お互いに頑張ろうか。」


 古金ミカ

「もっちろーん! でもいつでも合併待ってまーす!」


 柊木アイ

「ははっ! ミカったら!」


 真瀬莉緒

「…………。」


 良かった……これでミカさんも元気になった。


 その後、来川さんから連絡があり、笛花先生も命に別状もなく、すぐに退院できそうと言われたそうだ。本当に良かった……。


 何もかも障壁がなくなった僕たちは課題である作曲を再び取り掛かる……!

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