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21 断罪と冤罪

 表彰式をつつがなく終えた翌日。

 教室に入ると、何やら人集りが二つ。

 しかも面倒なことに片方は俺の席を巻き込んでて、もはや自分の席を目視する事すら出来ないようなレベル。


 何なのこれ。転校生が2人来たとか?

 そんな事を思ってると、小さい、しかし通る声が耳に届く。


「おはようございます」

「んん?………あぁ、宇佐か、おはよ。つか学校じゃ話しかけんなよ」


 何度目か分からない忠告だが、やはりと言うべきかマイペースな宇佐は肩をすくめながら軽く呆れられた様子で受け流す。


「今更ですし、今は誰も見てませんよ。すごいですね、志々伎さんと根古屋さんの人気は」

「あぁ……なるほどな」


 宇佐の言葉で理解した。これ球技大会の影響か。

 確かに春人は大活躍だったし、夏希も体力はともかく運動神経は異様に良い。きっとバスケで大活躍したんだろう。


 よく見ると春人に混じって河合達も人の中心付近にいる。


圧倒的な優勝候補を押し退けての優勝チームのメンバーだし、まぁ分からんでもない話か。

 河合なんかは女子に頭を撫でられおり、それを恥ずかしそうに怒っている。もちろん効果はなく、むしろさらに撫でる手が増えてるけど。完全に小動物扱いだな。


「てか夏希の方は決勝出なかったんだろ?なのに囲まれてんのか?……あ、もしかしてあれって寄ってたかって文句言ってるとか?」

「そんな訳ないじゃないですか……もともと他のクラスが強かったですし、その中で決勝まで行けたのは夏希さんの力あってなんですよ」


 つまりは諦めムードを覆して決勝まで行ったから褒められまくっていると。

 そのかわり夏希が抜けた決勝は惨敗だったらしいけど、もともとやる気が無かったこともあってそこへの言及はないらしい。男子と違って寛大だな、女子生徒達は。いや、夏希相手だからか?


 夏希は身体能力も確かに高いけど、何より運動神経が良いからな。俺も球技とかだとマジで勝てないし。


 しかしあの人を寄せ付けない雰囲気をものともせずにここまで集まるとはね。

よほど活躍したのか、それともこれを機会にとチャンスを伺っていた奴らが動いたのか。


「んで、そこらへんでノート書きながら目が血走ってるやつらは?呪いでもかけてるのか?」

「ふふ、違いますよ。今日からテスト週間ですからね。ノートに向かってるのはよく授業で寝る人ばかりですし、勉強する材料集めだと思いますよ」


 ちょっとした軽口に小さく笑いながら宇佐は的確な予想を告げる。

 なるほど、確かに運動部っぽいやつが多いな。よく授業中に力尽きるやつを見かけるし、それで今頑張ってると。

大変だねぇ、いやそれ俺も他人事じゃないけどさ。


「大上さんは勉強はしてますか?」

「してると思うか?こないだやっと学校に来れるようになったばっかりだぞ」

「………………」

「え、何で睨むの?」


 それにしてもつい宇佐と話をしていたけど、マジで誰も気付かなかったな。どんだけ春人と夏希に夢中なんだ。


とは言えそろそろ席に座りたい。

けど、ただの人集りならともかく、それが夏希への人集りとなるとなぁ。


あいつはは大勢が好きじゃないとか言うけど、どうにも人を寄せ付けなさすぎるし、良い機会でもあると思う。あんまり邪魔したくない。


 まぁ時間的にそうも言ってられないから席に向かうと、人集りの外部に居た奴らが俺に気付き、前のやつの肩を叩く。

そしてそいつが俺に気付き、また前のやつの肩を……と、あっという間に全員が俺の存在に気付いたらしい。


 それからそそくさと席に戻っていく。気まずそうな雰囲気のやつもいれば、邪魔をしやがってとばかりに俺を睨みながら戻るやつもいる。

 うんうん、相変わらず嫌われてるね。


「よぉ秋斗……」

「よぉ……おぉ、お疲れだな」

「そりゃな。パンダにでもなった気分だぜ……パンダってすげぇんだな、あたしには真似出来ねーよ」

「昔寝てるだけで羨ましいとか言ってなかったっけ?」


 ぐったりした雰囲気の夏希に苦笑いしか出ない。

 確かに可哀想ではあったけど、良い機会にもなると思ったんだけどな。この様子じゃ微妙なとこか。


「次来たら逃げるか追い返す……実力行使もやぶさかじゃねぇぞ」

「そこはやぶさかであれよ。向こうはあくまで好意だぞ?」

「知るかよ。あたしに害があるならそれはただの害だ」

「まぁそうかも知れんけどな」


 微妙どころじゃなかった。むしろ悪化しかねない勢いだった。

人気者は大変、とは嫌味ではなく本当なんだろうな。そう思わざるを得ないくらいには夏希は顔をしかめてるし。

 まぁ本当に実力行使に至る事はないだろ。多分。きっと。


「人数が多いな……拳じゃなく掌底と蹴りメインじゃないと痛むか?いやいっそ箒とかで……」


 ガチかも知れない。いざって時は止めよう。

 それから間も無くして高山先生が来てホームルームを始める。


 相変わらずきっちりとした雰囲気があり、どこか浮ついた雰囲気の教室の空気が引き締まったように感じる。

間延びさせずに無駄なく連絡等をするからダラけないし、先生の雰囲気によってホームルームで空気を締めるからか、一限目での居眠りも他のクラスより少ないらしいとは春人の言葉だ。


「つーかあたしの心配してる場合かー?秋斗もチラチラ見られてるじゃん。人気者になる心構えは出来てんのかぁ?」

「はぁ?バカ言え、不動の嫌われ者だぞこっちは」

「……そのポジション気に入ってない?変な誇りを持ってんじゃねーよ」


 呆れた様子の夏希だけど、確かに意識してみると少ないながらも視線が寄せられている気がする。しかも学校では珍しく悪い感じのものじゃない。


 河合はともかく、神崎や田中といったあまり人に囲まれるタイプじゃない奴らも囲まれてたしな。俺の噂があっても多少はそういう奴もいる、のか?

 

「良いじゃんか、人気者。そしたら秋斗が変に気を遣わずあたしらと一緒にいれるしー?いっそ自分から話しかけてみよーよ」

「さっきの意趣返しか?てか気なんて遣ってないし、そもそもちょっと球技大会出たからって俺が人気者とかあり得ないだろ」

「ハッ、甘いなー秋斗。春人がこの機会を逃がと思うか?」

「………………………」


 頑張って反論を探したけど、無理だった。確かにそれはあり得そうだわ。楽しそうだからって理由で色々掻き回す姿が目に浮かぶ。

現実逃避がてら溜息混じりに前を見やる。高山先生は毅然とした表情で、連絡事項を黒板に書きながらテキパキと説明していた。


「来週月曜からのテストに向けて、テスト週間は部活動は原則休止です。しっかりと勉強をするように……っ」


 しかし、その滑らかな連絡が不意に詰まる。それは、俺と目が合った瞬間でもあった。


 目を丸くして、それから目を逸らし、ついにはぎこちなく顔まで逸らす。

 それでもはたと我に返ったようで、少し詰まらせながらも説明の言葉を再び並べていく。その間、いやそれ以降は見事なまでに俺とは視線が合わなかったけど。


 あれ、以前の言い逃げがまずかったか?なんか怒ってる?いやいや、今のが俺のせいとは限らないよね?

 

「……おい秋斗ォ……お前またやらかしやがったのか?」


 後で謝るか、とか思ってると、横から一瞬誰か分からないくらいに低い声が聞こえてきた。

 見ると、夏希はジトっとした視線を俺に向けている。

今にも唾を吐き捨てそうな口調と表情。第三者の夏希から見てもやっぱり俺のせいに見えるなら、やっぱり俺がなんか怒らせたか。


「あー……先生の止めるの無視して勝負したし、閉会式前の説教で逃げたからだと思うわ」

「はぁ?いやどう見ても怒ってる感じじゃなかったろー?」

「そうか?まぁ一応は無事終わったから言うに言えないのかもな……」


 優しいしな、高山先生。とは言えさすがに説教を適当に切り上げて逃げたのは良くないわな。でも許してください、あの時は色々と危なかったんすよ。


「まぁ、後で謝っておく」

「いやだからそうじゃ………はぁ、もういーや、アホらし」

「いきなり投げやりかよ」

「投げやりにもなるっての。このボケナスー」


 いきなり刺々しい夏希だけど、たまにこうなる時があるんだよな。こういう時は落ち着くまでスルーに限る。

 そんな訳で視線を夏希から外すと、ふと視線を二つ感じた。


「…………」


 ひとつは「どういう事ですか?」という副音声が聞こえそうな視線を向けてくる宇佐。

 とりあえず説明は後回しだという意味も込めて前を向くように視線で伝えておく。


「…………」


 もうひとつは春人で、なにやらニヤニヤとした雰囲気――というより口元が実際に緩んでるけどーーでこちらを見てきてる。

 なんか腹立つ視線だったので、こっちはこれでもかと睨みつけておく。割と大体のやつが目を逸らす俺の目つきだけど、春人は小揺るぎもしない。余計に腹立つなおい。


「こ、これでホームルームは終わります!」


 そのままどこか慌しく教室から出て行く先生。その様子に珍しいものを見たとばかりに呆然としているクラスメイト。

 普段ならすぐに騒がしくなるのに、面白いくらい静かだ。


 まぁ、こっちとしては都合が良い。

 アイコンタクトを春人に飛ばすと、さすがの察知能力で頷いてくる。


 席を立って静かな教室を淀みない足取りで進み、教壇へと立つ春人。それに気付いた生徒達が今度はなんだと目を丸くしている。


「お?朝の初っ端からすんのかぁ。今日は荒れそうだなー」

「そうかもな」


 夏希は気付いたようで、楽しげに笑う。

 俺と夏希を除いてどこか困惑した雰囲気の中で、春人は人当たりの良いにこやかな笑顔で話し始めた。


「みんな、ごめんね。少し時間をもらいたいんだ、いいかな?」


 唐突な話に、しかし戸惑いながらもさすがの人望故か誰もが頷く。それに「ありがとう」と挟みつつ、視線を動かした。

 その視線の先の男、猪山が肩をビクリと跳ねさせた。それに構わず、春人は笑顔のまま言葉を続ける。


「猪山くんから話があるらしいんだ。みんな、聞いてあげて欲しい」


 その言葉で、クラスメイトはなんだと純粋な疑問といった表情で猪山を見る。その視線がまるで突き付けられた凶器かのように猪山は縮こまった。


「ほら、あまり時間がないから早く前に出てきなよ」


 しかし縮こまって席に立て籠ろうとする猪山を春人は許さない。口調は優しいが、逃しはしないという意志も透けて見える。

 その言葉とクラスメイトの視線もあってか、猪山がついにノロノロと立ち上がる。それから先程の春人とは反対に、おぼつかない足取りで教壇へと向かっていく。


 その様子にさらに疑問が強くなったようなクラスメイト。

ちらりと根津を見やると、まだ気付いてないようで他のクラスメイトと似たようなポカンとした反応だ。


「さてと、ではどうぞ」

「………………」


 時間をかけて教壇まで来た猪山を春人はすぐに促す。

 それに猪山は気まずそうに顔を伏せたまま棒立ちになっている。


 顔を上げることも、席に戻る事も、口を開くことも出来ない。

ただ身動きがとれずに立ち尽くすといっあ感じの猪山に、いよいよクラスメイトに困惑の色が混じり始めた。


 そして、やっと根津も勘づいたらしい。目を丸くして、どこか顔色が悪いように見える。


「……………」

「……さて、どうしようか。もし自分で伝えるのが辛いなら、僕が代わってあげようか?」

「っ!」


 ビクッと肩を跳ねさせ、ついには体を震えさせ始める猪山。

 側から見れば哀れな、同情を誘いそうな光景。なんなら春人がいじめているようにも見えるだろう。


 しかし、春人の人望がその選択肢を消し去っているらしく、クラスメイトはただ困惑するばかりだ。

それから少し時間を置き、ついに観念した猪山が、顔を青くさせて口を開く。


「お、俺が……宇佐の…、いや…その……」


 ウサウサと吃りながら言う猪山に、呑気な男子の数人がピンと来たような顔をしてニヤニヤし始める。

 「公開告白かよ」なんて言葉も聞こえてくるし、どうやらそう勘違いしたらしい。いや顔色みてみ?赤どころか真っ青だぞ。

ちなみに根津も猪山似たような顔色で、今にも震えだしそうな程だ。どうやら完全に確信したみたいだな。


「あの、え、と……う、宇佐が金を、ぬ、盗んだっていう噂は……う、嘘、です…」


 そしてやっとのことで紡がれた言葉は、途切れ途切れで小さい。

けど、クラスメイトの耳に届くには十分だったらしく、一気にざわめきが大きくなった。

 そしてそれは、まるで連想ゲームのように進んでいく。


「はぁ?どういうこと?」

「なぁんだ、公開告白じゃないのかよー」

「いやそれどころじゃなくね?金盗んでないって……でも、そう言ってイジメてたのは猪山だよな」

「知ってていじめてたのかよ、最低じゃん」


「つーか根津さんも一緒にやってたけど、知ってたのかな?」

「さぁ?てか根津さんて以前は宇佐さんと仲良かったのにな」

「あ、そーだったな。でもめっちゃ積極的にいじめてたけど」

「そりゃね。あんたらは知らないだろうけど、根津ちゃん、結構宇佐さんに嫉妬してたし」

「え、そうなん?」

「そうよ。女子の間では有名だよ」


 加速する喧騒の中で、話題はだんだんと好奇心や探究心によって遡っていく。


「てかさ、金が盗まれたのって誰のだったっけ?」

「そもそも、あの噂ってどこから広まったの?」


「……確か、金盗まれたのは根津さんで、噂は猪山から聞いたような」


 そこまで話が至ると、視線が2箇所に集中する。

 猪山と、根津へと。


「噂は嘘?詳しく教えて欲しいな」


 今にも糾弾が始まりそうな程に険悪で攻撃的な雰囲気が膨れ上がるも、それよりも早く春人が言葉を挟んだ。

 糾弾しようとした生徒も出鼻を挫かれて、あとは春人の言った内容が聞きたいものと同じだった事もあり口を閉じる。


 しかし追求が終わった訳ではなく、むしろ言葉にならなかった分視線に表れたのか、先程までとは比べ物にならない濃密な視線が猪山を貫いた。

 猪山は半分くらいパニックになってそうな様子で、根津をチラチラと見ながら答える。


「………ね、根津が…宇佐さんに財布を盗まれた事にしよう、って……そ、それでその噂を2人で流して……それで宇佐さんをイジメて、心が折れてからなら…か、簡単に付き合えるから、って……」


 ――ついに、猪山から。犯人から、その原因の全貌が告げられた訳だ。


 それはあまりに決定的で、今までの事実だと思っていた事がーー否応なくひっくり返る。

 一瞬の後、今日一番の喧騒が巻き起こり、クラスメイトが口々に2人を罵倒する言葉を吐き出していく。


「マジかよ!宇佐さんただの被害者じゃん!」

「好きな人をいじめるとかヤバ、キモすぎるだろ」

「根津もやばいよな、性格最悪じゃん」


 口々に告げられる罵倒や非難に2人は体を震わせて俯いた。猪山に至っては立っているのも辛そうにしており、屈強な肉体が不安定に揺れてる。


「ん?おーい何してる、お前らうるさいぞー。席につけ、これから試験範囲を伝える。聞き損ねても知らんぞー」


 そこに一限目の先生が入ってきた。

 この喧騒や雰囲気に気づかずか無視してか、春人や猪山を席に戻しながら授業を始めた。


 さすがにテスト範囲を聞き逃す訳にはいかないと、クラスメイト達も慌ててノートを取り出している。だがやはり視線はチラチラと猪山や根津、宇佐へと寄せられているが。


「さて、終わったな」

「あぁ……だな」


 前方に顔を向けて手を動かしながら、夏希が言う。俺も同じようにノートに先生の言葉をメモしながら頷いた。


「あっという間に広まるぞー。宇佐さんは忙しくなるだろーなぁ」

「かもな。まぁ、しばらくすりゃ元通りになるだろ」

「あの2人は叩かれるだろーなぁ。てかこれ、こないだ読んだ『ざまぁ』みたいじゃねえ?」

「んん?……あぁ、小説のやつか。確かに似てるのか?」


 陥れられた宇佐の無実を晴らして人気になるーーというよりは、戻る、だけど。そしてその犯人は好調から一転、落ちて行く。まぁ確かに近い気がしなくもない。


「でもその場合、イジメられてる間に助けてくれたヒーローが必要だろ?」

「いるじゃんか」

「……なるほど、春人か」


 でも春人はなぁ……あれでかなり一途だし、宇佐でも対抗出来るかどうか。まぁ俺しか知らないから夏希がそう言うのも無理はないけど。

 何故か呆れた視線を寄越す夏希に、あまり春人の恋愛を掘り下げないよう話題を変える。


「てか、あの2人は学校辞めると思うか?」

「ん?さぁなー。あいつら次第だろ」

「答えになってないぞそれ」


 さすがに学校を辞めて欲しいとまでは思えないし、なんなら親が不憫に思えてしまうくらいだ。だからといって助けようとも思わないけど。


「てかよ、宇佐さん次第ってのもあるぜ?」

「はぁ?………あぁ、なるほどな」


 つまりは、宇佐が許すことで2人の扱いの悪さが緩和されるという話だろう。

 全て自業自得、因果応報でしかないし、行動には同じ分の責任が伴うという考えが染みついてしまった俺では、その意味に気付くのに時間がかかってしまったけど。


「まぁだけど……あり得ないだろ」

「どーかなー?宇佐さん、意外と毒舌なとこあるけど、基本優しいだろー?」


 確かに、宇佐の根は善人だと俺も思う。しかも、かなり純度の高い善人だとも。


 とは言え、だ。あくまで、大前提としてーー宇佐は被害者なのだ。


 突然、ありもしない罪を告げられ、孤立させられた。その上、それをでっち上げたやつらにバカにされ続けた。


 いや、許すか普通?俺なら武力行使まであるわ。


「んん………いや、やっぱあり得ねえだろ」

「ま、だよなぁ。あたしならロープでくくって屋上から一階までの階段を引き摺り回す」


 やっぱ夏希は俺と似て……いや似てねえわ。俺の8倍くらい猟奇的だったわ。


まぁ、なんにせよこれで俺の仕事は終わりだ、

宇佐はまた元通りの生活を送れるだろうし、そうなりゃ俺と話す事もなくなるだろう。


 居候云々ももっとこんな嫌われ者より良い相手が見つかるだろうし、そうなれば俺も元通り。

 今回は我ながらよくやったと思う。今日は良いもんでも食いに行くか。







「あの、朝のことで相談があるんですけど……」


 と思っていた俺の前には恐縮したような宇佐。

 どうやら終わったと思った仕事は、まだ少し残っていたらしい。


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