44.噂と生徒会
生徒会の皆さんは血管切れないよう気をつけた方がいいと思います
早朝の修練をこなし、朝食を食べる。美味しい。トゥルースは気に入ったようで、飯の時間になると出て来る。
アディに呼ばれたシエルもご飯を食べて目をキラキラさせている。可愛い。男だけど。
朝食が済むと学園だ。くれぐれもトゥルースに勝手に出てこないよう言い聞かせて出発した。
学園につくと、未クリア超高難易度ダンジョンのスタンピードを防ぎ、踏破した事は、何故かもう噂になっていた。
どうやら校長が、昨日休んだ理由を正直に話したらしい。まあ、正直者でいい事ではあるんだが。
「校長に嘘まで吐かせて意地汚いったらないよね」
「ランクUM?聞いた事ないんだけどそんなランク。捏造も大概にしなよ」
「聖女が嘘吐いていいの?凄く残念だわ。ほんとは偽聖女だったりするんじゃない?」
あー。こうなるって解ってた。生徒会が五月蝿くて仕方がない。
「校長は別に嘘を吐いたりしない。リサーチ不足じゃないか?冒険者ギルドでクラスUMについて聞いてから文句つけろ。後、王から褒章を受ける予定があるから見に来ればいい」
「はあ!?王まで騙して褒章まで受け取る気か!!?」
そう来たか――。頭の中に何詰めてるんだこいつら。
「王は騙されたりしないよう真実の目を渡してあるよ。なんなら王のところへ言って試しに嘘でも吐いてみな」
「ぐ…全部こちらで調査するからな!嘘だったらお前達は王を騙した大罪人だ!!首洗っとけよ!」
捨て台詞を残して、ドカドカと足音を立てながら去っていく生徒会の面子。いやもうほんと、何しに来たのかと。
そして法王は迅速だった。
『法王、レメストラス・ハーデ・イミュニル・オ=ロスタの名において告知する。ヒールを使える者が聖女と言うわけではない。鑑定した際に名前の横に聖女の文字があり、女神の愛し子の称号を持つものが聖女である。常に1人しか世に現れないため、トルクス国のマリエール・フォン・サリエル以外の者は聖女ではない。この事例に於いて聖女に迷惑を掛けた者は厳罰に処す。尚、聖女を不当に粗雑に扱った者は各国で国賊とするよう話がついている』
と、丁寧に全て法王の捺印入りで各国の冒険者ギルドや神殿、学園、街や村の貼り出し板などに配布して回っていたのだ。多分徹夜したんだろうな。ただ、世に必ず1人、という事は。私さえ亡き者にすれば自国の聖女が繰り上がるという可能性を信じた馬鹿がやってきそうだ。
まあ、しかしウチに押しかけてくる自称聖女が居なくなってくれるなら有り難い。
うちの学園にも昼には貼り出され、生徒会が少し顔色を悪くしていたようだ。
生徒会は、その日のうちに冒険者ギルドへも確認に赴いたらしく、UMカードの存在と、私達にしかまだ配られていない事を説明されたそうだ。スタンピードに関しては、カードに潜ったダンジョンの履歴が確認出来るようになっているらしい。スタンピードを何度も食い止め、何度も街や国を守ってる相手に不当に絡んだ、と言う事で危うく牢屋に入れられる所を這う這うの体で逃げ帰ってきたらしい。
次の日の生徒会メンバーは、私を見ると少し顔を青くして早足で過ぎ去るようになった。面倒が減った。ギルドの受付嬢GJ!
しかし、昼時になって面倒さ筆頭1位のファムリタがやって来た。結界の外から何やら喚いている。
要約すると、あの貼り紙は私の陰謀で、真の聖女たるファムリタを貶める為に罠を仕掛けたとかなんとか。
面倒なので好きに怒鳴らせてやる。いそいそと黒曜座椅子に退避してあーんでご飯を食べる。うむ。苦しゅうない。
更にファムリタの怒りを買ったようでヒステリックな怒鳴り声がした、と思ったら監視のお兄さんが素早く回収していった。
なんで其処まで聖女に拘るんだろうか。良く解らない。偶に診療所なんかに顔を出すと、大怪我した人なんかが運ばれてきたり、古傷が痛いという患者がやってくるんだが、ファムリタでは癒せないだろうに。称号だけ貰ってなんか得する事でもあるんだろうか…。あ。あった。王より偉いんだった私。
約一週間後のレベル上げに関しては、スタンピードが起きていない超高難易度ダンジョンを受付嬢に探すよう伝えてある。今回みたいなミスをしないようお願いしたが、何処まで信用出来るのかは解らない。
なんなら、今回行ったダンジョンの40階層以降を攻略、とかでいい気がしてきた。通信用魔道具の材料取れるし。
朝から作った携帯もどきは3対、リクハルトとララルナ、ララルナとリシュ、ソラルナとアディに渡してある。
王には事情を話し、ほんっとうに嫌なんだけども、授与式、パレードをして貰うよう頼んだ。
大体生徒会の所為だ。恨んでやる。
王は心配はしてくれたが、きちんと祝うことが出来て嬉しそうだ。生徒会メンバーにも招待状が届くよう手配もして貰った。まあ元々公爵家だの侯爵家だの子爵家だのが揃っている生徒会だ。私がしなくても元々招待状は届いていたかも知れない。
その後の生徒会メンバーは私に関わらなくなった。なんでも私が恨んでやると思った瞬間、家に雷が落ちて大きな破損が出たそうだ。女神様は相変わらず容赦がない。
そろそろ武闘祭まで日がなくなって来た際にはちょっと復活したようで、武闘祭に勝つのは自分達だ!と宣言して行った。え?それを言う為だけにわざわざクラスまで来たのか?暇なのか?
武闘祭までラストの週末は、話し合った上で先日のダンジョンの40層から最後まで、が通った。ラスト2体のボスが既にテイムされて格落ち現象が起きているだろうから、其処まで苦労しなさそうでいいな。
携帯もどきは王とラライナ、法王と私、シュネーとアディで持つように渡した。私と黒曜?常に一緒に居るので必要性を感じない。なんなら部屋は隣だ。
ただ。法王が何もない時にも雑談しに携帯を使うのがちょっと…散々注意して、一月に1回なら雑談に応じる、という事でケリがついた。
そして今日は、ラストの週末。朝の修練を終えた面々+トゥルースで朝食を頂く。クロワッサン!!
手早く準備してダンジョンまで転移、40層ボスから開始だ。瞬殺してドロップを頂く。宝玉はいくら有ってもいい。そうだ。マルクスに失敗作しか渡してないから成功バージョンをあげるとしよう。
みちみちじゃなく、適度にバラけた魔物はサクサク始末できる。予想より早く60層へ。攻略方法はもう全員解っているので怪我人なしでさっさとクリア。61層から79層、お掃除というレベルでもなく片付け、80層。
扉を開けると同時に鑑定する。
「鑑定!悪魔バフォメット!光・聖・氷と斬撃が弱点だ」
見た目は山羊に人間の体、翼を持つ姿をしている。大きいので全員が範囲魔法を当てる。
「聖なる渦潮」
「「大禍の嵐」」
「獄炎の宴」」
「「「「氷獄の大禍」」」」
「崩壊の雨」
範囲魔法の嵐に晒され、既に瀕死のバフォメットの首を跳ねる。少ししてドロップが落ちてきた。
バフォメットの鎌・神鋼・バフォメットのタリスマン
鎌を使うメンバーは居ないので売却用に。タリスマンは召喚魔法が1度使えるもののようだ。多分テイマー向けなんだろう。一応、まだテイム出来ていないリシュに渡す。
81層から99層をお掃除。100層まで来る。扉の前で昼食にするが、扉を抜けて来るボスはいない。多分そんな事をするのはベリアルくらいだろうと思う。確りデザートまで頂いて少し腹ごなしをしてから扉を開ける
「鑑定!悪魔ダゴン!弱点は氷・雷・聖・光・斬撃だ」
とはいえ、悪魔の登場と同時にフロアは腰の辺りまで海水で埋まっている。雷なんて使うとこっちまで感電するだろう。
「聖なる渦潮」
「「「大禍の嵐」」」
「「「氷獄の大禍」」」
「崩壊の雨」
全員の魔法が当たると、苦鳴を上げたダゴンがのたうつ。
「「瞬歩、飛行」」
「頭落し」
「纏龍技、双極の限」
左右から首を攻撃され、巨大な頭が落ちる。
暫くすると、ドロップが落ちてきた。
ダゴンの剣、神鋼、ダゴンの宝玉
ダゴンの剣は、黒神竜の剣より弱かったので売却、宝玉を鑑定すると、錬金素材だった。楽しみに取っておく。
その日はもう一度40層まで行って宝玉を取って終わりになった。
冒険者ギルドへ報告に行く。
「80層が悪魔バフォメット、100層が悪魔ダゴンに変わってた。以前よりは弱いような気がする」
ベリアルは遊んでいただけで本気も出してなかったからな。
「多分そのダンジョン踏破するの、貴方たちくらいなんですけど、情報ありがとうございます。素材も多目ですね」
「そんなにイッパイの敵は沸いてなかったぞ」
「素材部位の多い魔物が多いんですよ」
「まあ、素材売りに行ってる奴らが戻ってくる前にカード処理よろしく」
全員分のカードを集めて受付嬢に渡す。今日は妙なテンションに陥る事無くスムーズにカードも処理される。
素材売却組と合流し、家に戻る。
メンバーのレベルは100とちょっと上がった程度だった。
やる事はやったし、後は武闘祭とやらを楽しみにしようじゃないか。
なんだかんだと理由をつけてはダンジョンに行きたがるメンバーです。
読んで下さってありがとうございます!少しでも楽しく読んで頂けたならとても嬉しく思います(*´∇`*)もし良ければ、★をぽちっと押して下さると励みになります!もっと中二病に拍車を掛けたい!




