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act.83 お悩みモニカちゃん⑦


 上着を脱ぎ、この前買ったばかりである、フリルの着いたシャツのボタンに手を掛ける。動きやすさを重視した短めのスカートを下ろし、紐の長さで調節しつつも、苦しくなってきたブラを外す。


 そろそろ新調する必要があるかもしれない……


 普通の生活をするのであるのならば、あまりする必要性はないのかもしれないが、戦闘などで激しく動く事の多い場合、胸を固定する下着がないと一部分が擦れたり、胸自体が激しく上下する為とても痛い。


 ヴィクトリアが着用していたようなビスチェでもいいのだが、モニカはまだまだ成長期であるため、今のような幅広く調節の利く下着の方が経済的に優しい。


 きつく締められた乳房が解放され、上半身全体が楽になる。森から吹く優しい風が蒸れた谷間を優しく撫で気持ちがいい。最後にパンツの紐に手を掛ける。


 暗い森の中、松明の灯りの元で、ヴィクトリアの前へ裸体を晒すことになる。いくら同性と言ってもここ数年自分以外の誰かに肌を晒したことはないのでとても恥ずかしい。


 そんなモニカの心に呼応するように水浴びのために呼び出した水弾がスライムのように、うにょうにょと動き出す。


 そして、カバンから紅色の魔石を取り出し、炎の魔法を使って水の温度を上昇させる。昼間ならそのままでも気持ちがいいかもしれないが、夜ではさすがに風邪をひいてしまうかもしれない。


 だが、魔石に含まれる魔力も心もとないので、精々人肌くらいまでだが。


 大方の準備が済んだので巨大な水弾から小さな水弾を二つ作成し、ヴィクトリアと自分自身の前に浮かべる。


「まずは体を綺麗にしないとね」


 小さな水弾を手ですくって自分の体に掛け、今日一日の汗や汚れを流す。ヴィクトリアもモニカにならって体を洗っていく。そして、ようやくヴィクトリアと共に水弾の中に入って行く。


「はぁぁ……気持ちいい……」


 立ったままで、水の温度も最適とは言えないものの、体が水に洗われる感覚はとても気持ちがいい。一方はくらい森に晒されているとは言っても、三方はヴィクトリアの作った土壁のおかげで守られている。


「木に囲われた中での水浴びも乙なものじゃのう。まぁ上を見上げても木なのが少し残念じゃが」


 見上げるヴィクトリアに倣ってモニカも頭上へと視線を向ける。空に輝く満点の星々が見えないこともないが、木々によって部分的にしか見えない。しかし、普段屋内での入浴しかしないモニカとしては十分感嘆に足る光景であった。



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