滝田聡司の告白 29
部活辞めたやつへのその後の接し方って、難しいよなあ。
オレは結局篤人とも坪山とも同じクラスにならなかったから、話す機会もほとんどなかったわけだけど。
けどだからといって、廊下とかですれ違ったときに呼び止めてまで話しかけるか、って言われたら、まだちょっと微妙な感じだったからなあ……。
だからそのままズルズルときちゃって、オレ、卒業直前の今になっても、結局あいつらとは話せてないんだよ。
けど、だったら一体どうすればよかったんだろうなあ。
それが未だに、よくわかんねえんだ。
でもまあ、それでも同じクラスだった春日とか豊浦とか海道あたりは、また違ったみたいだけどな。
クラスの中で険悪な雰囲気になったとか、そういう話は聞かないし。やっぱ強制的に話す機会があったっていうのが、気持ちの整理につながったんだろうよ。
まあ同じ部活の部員同士、じゃなくて、クラスメイトっていうつながりがあったから、そういう風になれたんだろうけどな。
でも、それをオレがやったらどうかって話だよ。
同じクラスでもない、部活辞めたから無関係っちゃ無関係にもなったやつから強引に話しかけられたら、それはちょっと嫌だろうさ。
つーかオレだって同じ立場だったら嫌だよ。むしろ執念深すぎて、ちょっとキモいよ。
えっ、もうキモイって?
えーと……。
あの、そういう意味ではないんだけど……。
……。
ええっと、なんだっけ。
あ、そうそう。だから結局、オレはどうすればよかったんだろうって話さ。
貝島とか関掘とかのことは『心配』だけど、オレにとってこっちのことは『心残り』、かな。
今年は三年生だったから、先輩だとかなんだとか、一年の湊からはよく言われてたけどさ。
でもこの三年間で、オレはなにか出来たかって訊かれたら、そーでもねえ、むしろできなかったことのが多かったって思うんだけどな。
まあそうは言っても、もう卒業しちまうんだから――オレを含め、みんなどこかで、段々自分の感情に整理をつけていくんだろうけどさ。
だから、これは……結局、時間が解決してくれる問題だ、ってことなのかもしれないな。
貝島のことも、関掘のことも。
篤人のことも、坪山のことも。
それぞれ、あいつらが過ごす時間の中で。
いつか――なにかが変わってくといいな。
そう思うよ。
……あー。
なんだか、柄にもなく感傷的になっちまったなあ。
んじゃ、さてと。
じゃあこっからはまたあの当時のオレたちの、馬鹿騒ぎの続きといこうか。
さっきオレは、この三年間で、むしろできなかったことのが多かった、なんて話したけどさ。
これは数少ない、オレの――オレたちの『なにかできたこと』の話なんだ。
まあ、それを自分で話すのも途中で我に返るのも、今のオレにとっちゃ恥ずかしいからよ。
だからこっからは――ノンストップでいかせてもらうぜ?




