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史実編 4話

これこのまま史実編の次に太閤の親友編、麒麟を呼べ編、信澄の野望編ってダラダラ続く予定なんですけど大丈夫ですかね

円明寺川の近くまで出陣した明智家の斎藤利三と伊勢貞興は目の前に広がる信じ難い唖然としていた。


「あれは一文字三星……毛利軍が味方しているだとッ!?」


斎藤利三が悲痛な声を上げる。


「そっ、それに隣には剣片喰……宇喜多もかッ!!」


「斎藤殿、あれは相手方の策にござる。惑わされてはなりませぬ。」


と伊勢貞興が言う。


「うーむ……しかしワシが分かったところで兵共は……。」


「私が檄を飛ばして参ります。斎藤殿にはここをお任せしたい。」


この、秀吉の策は大成功だった。

明智方の将兵は毛利が秀吉側に着いたとの虚報に惑わされ不安状態に陥った。

そしてそれは直ぐに羽柴の本陣にも伝わった。


「そうか、明智は動揺しておるか。ではそろそろ誘き出すかの。」


秀吉はそう言うと側近の石田三成を中央の摂津軍に送った。


「承知した。直ぐに兵を動かそう。高山殿、中川殿は東の橋に向かい明智勢を誘き出してくだされ。そこを俺と勝左殿と小一郎殿で一気に叩き潰す。」


「ははっ!直ぐに向かいます。」


早速命を受けた中川、高山両軍は東の橋に向け移動を始めた。

それを見つけたのは伊勢貞興である。

貞興は兵の動揺を静まるためにも一気に中川、高山勢を討たんと攻撃を命令した。


「全軍、かかれい!一気に羽柴の軍勢を討ち取るのじゃ!」


それを見た周辺の明智軍も一気に動き始めた。

そしてそれを見た光秀は激怒した。


「何故だ!何故皆動くのだ!兵力で上回る相手に突撃しても勝てぬに決まっておろう!」


「とはいえ今更撤退させて追撃されては一溜りもありませぬぞ。」


「そのようなことは分かっておる、伝吾。何としても狭地に誘い込むのじゃ!」


焦る光秀とは逆に戦は明智側有利に進んでいた。

雨で鉄砲が使えず元々精強で知られる明智軍に対して羽柴側はかなりの強行軍で疲弊しており逆に中川、高山両軍は明智軍に包囲され始めていた。


「池田様、我らもそろそろ行くべきでは?」


「うむ、このままだと中央の軍勢は破られる。我らも出陣しよう!」


与力として付けられていた加藤光泰の進言を受けた池田恒興の三千も動き出した。

それに続くかのように天王山に布陣する羽柴秀長、黒田官兵衛隊も動き出した。

そして……。


「殿、全軍出撃準備完了致しました。堀様にも連絡済みです。」


「よし、全軍よう聞けィッッ!我らは未だ明智日向に与する可能性ありと思われておるッッ!ならばそれを功績にてかき消すのだ!上様より受けし多くの御恩、今こそ返す時が来たぞぉぉぉぉォッ!!」


信澄が槍を掲げると津田軍三千が戦場中央に突撃した。


「おお、津田様の軍勢が来たぞ!」

「堀殿の軍勢もじゃ!!」


それに続くように堀秀政の軍勢も続き中川、高山両軍は一気に持ち直した。

そして1時間もすると3倍近い軍勢の羽柴軍が明智軍を押し始めた。


「ええぃ!津田七兵衛ッッ!何故明智様のご息女を娶りながら我らに味方せぬ!もし味方すれば織田家の家督はそなたの者であっただろうにっっ!」


軍勢が総崩れになり信澄に追い詰められた伊勢貞興が叫ぶ。


「馬鹿者が!俺は明智の婿である前に織田前右府様の甥である!それを討ちし明智日向に味方する訳がなかろう!」


「何を言うか!明智様はこの戦で勝利した暁にはそなたに織田家を継がせ天下を任せるつもりだったのじゃ!何故それが分からぬ!」


「そのような卑しい手で手に入れた天下など要らぬ!ワシは羽柴殿と共に正道を歩むのじゃッッ!」


「なんと愚かな!農民ごときの羽柴にそのようなことができるわけがないだろうッッ!」


「もはや身分によって未来が決まる世は終わった!その最後を飾る戦こそ此度の戦よッッ!」


信澄がそう言って槍を振るといっせいに鉄砲隊が貞興に集中砲火を食らわせた。

その後も津田勢は執拗なほどの追撃を行い明智軍の大半を討ち取った。

そして羽柴軍は勝竜寺城を包囲した。

しかし信澄が向かったのは別の場所だった……。

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― 新着の感想 ―
[一言] 複数ルートを小説でやるなら仕方がないよ。 ゲームじゃないんだから。
[一言] 自分は何編までも追いかけますよ!!
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