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49話

私の新作「歴史オタクが戦国時代の土佐にタイムスリップしたら長宗我部家に天下を取らせることは出来るのか?」の方もよろしくお願いします。

私のユーザーページから多分読めます。

関ヶ原の戦いから3ヶ月後、安土城に織田家五奉行が集まっていた。


「で、我々が上様から論功行賞を任せられた訳だが。」


菅谷長頼が日本地図を広げると会議が始まった。


「徳川家康は浜松で腹を斬った。それゆえ次男に家を継がせ岡崎10万石とする。ワシが後見人になろう。北条は開戦派だった氏政が自害した故それに免じて先祖伝来の土地である伊豆のみを安堵とする方針で考えておる。」


そう言って長谷川秀一が地図に徳川と北条の名を書く。


「伊達は20万石、佐竹は出羽に転封で18万石、蘆名、最上、安藤、南部、宇都宮、結城らは半国に減封。戸沢のみ下野に12万石を与える。残る東軍諸侯は基本的に改易に処そうと考えておる。」


福富秀勝が言うと他の者も同意した。


「加増に関してですがまず滝川殿は旧領に加え下野に15万石、河尻殿は信濃一国、毛利殿は上総に25万石、筒井殿が下総に20万石で転封。美濃の岐阜城を周辺として斎藤殿が治め尾張は吉丸様(信忠次男)が。甲斐は源三郎様(信長五男)、陸奥岩出山58万石を北畠宰相様に。」


矢部家定が途中まで言うと堀秀政が続けた。


「池田殿は駿河・遠江、矢部が武蔵のうち10万石。残る武蔵のうち15万石は相模と併せて蜂屋殿に移って頂こうと考えています。藤五郎は三河10万石、忠三郎が米沢30万石。その他の詳細は後でまとめておきます。それで播磨と大和ですが……。」


「本当にそれで良いのか?」


福富が聞く。


「それが上様の命ですから。行くとしましょう。」


そう言うと各々はそれぞれの仕事へと戻って行った。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「播磨と大和ッ!!????っ痛っ!」


あまりに大声を出したせいで体中の傷が響いてしまった。


「誠に播磨と大和を頂けるのですか?」


「うむ、我が軍の将の中で昏睡状態になるほどまで戦った者は他にはおらぬからのう。真田に関してもそなたの家臣として召抱えることを許そう。」


「有り難き幸せにございますが……。」


他の連中が文句言うだろ。

権六も五郎左もサルも明智殿も加増無しだぞ。


「他の宿老の事か?それが少々厄介でな……。」


上様が残念そうに頭を搔く。


「実は権六はそなたが眠っている間に病で逝ってしまったのだ。」


「なっ!!」


そんな……。確かに史実では2年前に自害していたがこれからという時に……ッ!


「さらにそのひと月後には五郎左も……。」


史実通りか……。

歴史は変わっても寿命は大して変わらないのか……。


「日向守も先日倒れ左近も歳じゃ。それゆえ若手のそなたらが今まで以上に重要になってくる。任せたぞ。」


「ははっ。それで明智殿は何処に?」


「坂本にて療養しておる。もう長くはないだろう。見てきてやってくれ。」


そこまで深刻なのか?

そう思いながら俺は所領の引き継ぎを高虎たちに任せ海未と息子と共に坂本城に向かった。


「む、津田様もいらしていたのですか。」


そう言って細川忠興が出てきた。


「明智殿が倒れられたと聞いたからな。そなたも見舞いか?」


「ええ、まぁ。先程まで長宗我部殿もいらしました。それにしても御元気そうでなによりです。」


「心遣いかたじけない。」


「それでは私はこれにて。」


そう言って忠興が一礼して去っていくのを見送った俺は襖を開けた。

そこに居る明智殿はかなり老け込み体調も良くなさそうだった。


「おお、七兵衛殿。」


「明智殿、大丈夫なのですか?」


「いやぁ……。天下が統一されたのを見るとふと安心してしまいましてな。それにしても可愛い娘と孫の顔も見れるとは。」


「なかなか立派に成長致しました。近頃は三法師様と共に武術に励んでおります。」


「そうかそれは良い。しかし七兵衛殿と話したいことがあるので少々席を外して欲しい。」


俺と話したいこと……?

なんだ一体。


2人が出ていったのを確認すると明智殿は話し始めた。


「私は信長様と共に平らかな世を作ろうと必死だった。しかしその世を信長様と共に見ることはできませなんだ。しかし七兵衛殿。あなたにはそれが出来ます。その為にも何としても外征は防がねばなりませぬ。」


「なっ!外征!?」


あまりの驚きに大声を出してしまった。

やっと天下がまとまったのに外征なんてしたら……。


「狙いは明国ですか?」


「左様、上様曰く明を落としたあとは天竺を通り果ては南蛮までも手に入れられるつもりです。」


「何故です。何の利益があって……!」


「上様は……信長様以上に力を求められている。天下に……いや、世界にあのお方は御自身の力を誇示するおつもりなのです。」


「そのような事、不可能なのでは?」


「いえ、上様は九鬼嘉隆に命じて鉄甲船をさらに増産しておられます。このままではあの1年のうちに唐入りが発表されるでしょう。」


「それは……。」


「今上様を止められるのはあなたしかおりませぬ。どうか、どうか信長様が築きし平らかな世を……守り抜いてくだされッッ!!」


そこまで言うと明智殿は眠ってしまった。


「俺に……俺に任せてください。」


そう言って俺は坂本を後にした。

その数日後、明智殿はこの世を去ったのだった。


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[気になる点] 蘆名、最上、安藤、南部、宇都宮、結城らは半国に減封 安藤って誰の事だろう。同列に並べた家クラスの大名に思い浮かばない。 半国に減封というのはどこの国基準の半分なんだろう。宇都宮や結城…
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