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30話

最近シリアスパートが多過ぎるのは仕方ないんですがあと3回くらいで平和になります。

荒木村重は摂津の国主で中国方面軍の副将だ。

これが裏切ったとなれば西国における織田軍の戦略は一新する必要がある。

自分でも忘れかけているが一応過去のことは知っているので驚くことは無かった。

俺は落ち着いて三成に聞く。


「それで対応は?」


「まだ上様は説得を試みるようで。それより我らには別の仕事をせよと使者が申しております。」


「なんだ?まさか毛利攻めに加われとかじゃないだろうな。」


「佐久間親子の暗殺です。」


「はっ!?」


意味不明だろ、なんで佐久間親子を殺す必要があるんだ。


「どうやら本願寺と密談しているようで。所領を取り上げられて我らを恨んでいる可能性が高いと。」


「……。本当なのか?んであいつはどこにいる?」


「若江の近くにおります。それから居城も早く決めろとの事です。」


「居城はあとだ。信用出来る鉄砲兵を5人ほど集めてくれ。俺も行くぞ。」


「いや、それは流石に危ないのでは?」


「秘密にしなきゃ行けないなら俺が行った方が良いだろう。今日の夜決行するぞ。」


俺も刀を用意すると狙撃隊と三成を連れて若江の古寺の近くに到着した。

どうやらここに佐久間親子が居るらしい。


「良いか、佐久間を誘き出す。俺が戸を叩いて佐久間を呼び出したら撃ちまくれ。」


「それでは七兵衛様に当たるのでは?」


「そうならんように精鋭を連れてきたんだろ。任せたぞ。」


そう言って三成に指揮を任せると俺は寺の戸を叩いた。


「すみません……。浮浪の者ですが一晩止めていただけぬでしょうか?病の子がおるのです。どうかお願い致します。」


細々とした声で頼み込む。


「なんだお前!ここに居るが誰かわかっているのか!」


そう言って戸を勢いよく開け息子の信栄が出てきた。


「今だ、撃てぃ!」


俺はそれを確認すると後方の狙撃隊に指示を出す。

鉛玉は信栄の五体を貫き彼は崩れ落ちた。


「なっ、なんじゃぁ!」


その音を聞いて佐久間が悲鳴をあげる。


「久しいな、佐久間。まさか本願寺と手を結ぶとは。」


俺は刀を佐久間に突きつける。


「つっ、津田殿か!なんだと?何故わしが本願寺に!」


「そういう話が出ているのだよ!悪いが死んでもらうぞ!」


「ちっ、ちとまっ!」


最後まで言い切る前に佐久間の首は吹き飛んだ。

佐久間が死んだのを確認すると俺は狙撃隊を呼び寄せた。


「皆、ようやってくれた。しかしこれは織田家の機密情報なのでな、死んでもらうぞ!」


俺は瞬く間に5人を斬り割いた。


「とっ、殿!?」


三成が驚いた顔で言う。

そりゃそうだよな。


「お前も冷酷になれ。そうじゃないと戦国の世で生きていけぬ。」


「……はっ。」


死体を埋めると俺はそれを伯父上に報告した。

しかし佐久間には少し同情する気持ちもあった。


「大儀である七兵衛。早速だが荒木の茨木城を攻める。そなたにはその先鋒を任せる。」


「ははっ!承知致しました。と、その前に本拠地を決める必要がありまして……。」


「とりあえずは若江を使え。その後はお前の好きにせよ。」


「分かりました。では早速兵を率いて摂津に入ります。」


俺が不在の間にも高虎や吉継が準備してくれておいたおかげで六千の兵を揃えた津田軍が摂津に侵入した。

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― 新着の感想 ―
[一言] 呼びだすって、浮浪者として訪ねて家臣でなく家族が出てくるって。さすがに部下が一人もいないってことはあり得ない。 主人公の指示で手練れを集めておきながら口封じって。 仲間の不審死と同じ時期に…
[良い点] シリアスなのは歓迎です。 [気になる点] バレても構わないのでは。こんな事で精鋭を減らす方が損かと。理由なんて幾らでもつけられますから。本願寺と繋がっていたと。 [一言] あと、決行が結構…
[良い点] 転生者が真の戦国武将になった瞬間
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