発表
「さて、順位表を町長からいただきました。実に接戦、決め辛いものだったそうです」
「うむ。個性豊かな面々であったからな」
会場から「お前らもな」と声が飛ぶ。
「残念。ボクやカラスはエントリーしてません」
「カラスマント。そこでなぜ略す?」
「ロリか、マント、どっちを付けるべきか悩んでね」
「悩むなー!」
「三番手、澄んだ歌声で人々の魂を魅了した天空のセイレーン、青空 空。そして、決めかねたとのことで同三番手、神秘の空気をまとうミステリアスな少女、如月 澪。その笑顔に虜になった者は数知れず」
「町中で見かけても不埒な振る舞いに出ぬようにな!」
さらりと紹介したノワールに続き、カラスマントがけん制する。
いくつかのパラソルで造られた日陰の下、エントリー者たちは椅子に座って並んでいる。
名前を呼ばれた空とレイが驚いたように顔を見合わせている。
舞台中央に花を抱えた秋原さんと、小さな紙袋を持った町長が出てくる。
「では、中央にどうぞ」
客席に向けて困ったようにお礼を言い、花と参加賞に浴衣の引換券の入った紙袋を受け取る。
町長からも言葉を貰って少女たちは顔を見合わせてはにかむ。
「二番手、健気な応援にライフセーバーの方々の士気も向上。日向 蓮華。これからもボランティア等がんばってください」
にこにこと他の審査員から次の花束とオーダーメイドシューズと副賞となる浴衣の引換券の入った紙袋を受け取った町長が待ち構えている。
「そして今年のクィーンは!」
会場が全体が息を呑む。
「明るく場を支配する先導力を持つイケイケ小学校教師! 小林果穂!」
「ぉおー」
カラスマントが感心した声を上げて軽くノワールにはたかれる。
どうやらちらりともメモを見ようとしなかったらしい。
「うむ。確認するのを忘れたな。すまん」
素直に謝るカラスマント。
そしてそのまま果穂の元に行き跪く。
「ではクイーン、エスコートする栄誉をわたくしに」
カラスマント言われなくてもこういうことはナチュラルに行動する。
その後、町長を囲んで参加者全員で写真撮影や、ツーショット撮影。
美女、美少女たちとの写真撮影を求める観客たち。
騒ぎはまだ続くがコンテストは平和に終わったのだった。
特別賞枠は次の話で。
この場でもらえるのはチケット系と引換券です☆




