ほのちゃんアタックは冬にもチャレンジ!
「やっぱり、好きだよ。ほのちゃんがいいな」
あ。表情動いた。
驚いたか!
夏のアタックはいまいち空まわり。
亨君に頼んで協力してもらったんだけどね。
一緒に海とかね。
亨君で釣った感じ。あの子もにこにこつきあってくれたし。
亨君も尋歌ちゃんの水着にかわいい反応してたし、ニヤニヤした。
「飽きたんじゃないのか」
あ、飽きたって思ってたんだ。
空焚きにならないように、ストーブの上のヤカンにお水を足す。面倒くさそうに伸びてきた髪をいじる姿を視線外したフリして眺める。動揺した時の癖だよね。
「しっつれいだなぁ。そんなに割り切りいい女じゃないの! というわけで、クリスマスデートしよう!」
「というわけ?」
不審そうなほのちゃん。
負けない。負けないんだから!
最近はあたりゆるいし油断してるよね!
「そう!」
人混みを得意としてないのは知ってるから、軽くでいいとは思ってる。
「栃の木見に行こう!」
「却下」
まだ雪降らぬ冬山は却下された。しかし、そのぐらいは予測範疇なのだ!
「じゃあ、いつもと雰囲気変えてモール」
「商売敵じゃないのか」
「やだなー。共存共栄だよ。お互いの商品方向性を見てズレてるあたりを補えばいいんだよー。ウチなら修理とマニアックチャリってね」
ふぅんとばかりに視線が逸らされる。
商品は場所をとるし、置ける数は限られている現状。在庫はそれほど抱えれないけど、選択肢が少ないのも問題。隙間商売大事よね。一応、バイト君入ったし。
ほのちゃんは帳簿処理とバイト君が父さんと出かけた時の留守番をしてくれてる。
暇があれば、掃除とか整理して時間が余ればパソコンで自分のお仕事。
「カタログで見る最新デザインもいいけど、店舗で人気のもの見るのもいいでしょ」
ウチの話題じゃなくて、モールのコト。ほのちゃんはすんなりわかってくれる。
こーゆーすれ違いの少なさが心地いい。
すれ違ってたら明らかに私の説明不足か。ほのちゃんこーゆー人だしね。
とりあえず、不服そうだけど不満な訳じゃなさそう。それに行く前提で会話してくれてるし。
ほのちゃんがマウスを操作してノートパソコンを閉じる。
不思議なお仕事だと思うよ。電子世界の家具や家のデザインで収入を得るって。
「昼食だけ」
「うん!」
やったー。
デート勧誘ミッション成功!




