表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2015年夏
796/823

それぞれの夏 菊花

 失敗したかなぁ。

 いきなり過ぎた?

 周りの男じゃ参考にならないしなぁ。

「菊花ちゃんはオレンジジュースにアイス入れる?」

「チョコアイス入れちゃえ!」

「じゃあ、ほうれん草エキスも入れちゃう?」

 ……待て。

「村瀬愛子!」

「なにかしら?」

「ほうれん草エキスはやめれ」

 わざとらしく頭をこてんと傾けてにっこりと笑う。……邪悪なレッサーパンダめ!

「健康的かなって」

 ダメだったかしらとオレンジジュースを氷たっぷりのグラスに注いでいく。

 カシャカシャと麻衣子がアイスを削ってる。楽しいか。楽しそうだな。

「麻衣子ちゃんは良い人できた?」

 紬ちゃんがにこにこと問う。

 紬ちゃん、美芳さんが実質ライバルじゃないって聞いてから機嫌がイイよね。でも、千秋情報だからなぁ。どうなんだろ。

「ん。いないわ」

 力いっぱいに言うわねー。

「あら。愛子ちゃんは?」

「気になる方はいるけれど、今は見ているだけかしら? 少し、年上の方だし」

「脈は?」

 ぐっと麻衣子ちゃんが乗り出す。

 レッサーパンダはにっこり笑ってはぐらかした。

「くぅ! 恋人いない歴更新中の前でッ」

 乗り出した勢いのまま、愛子ちゃんにいちゃいちゃと戯れる麻衣子ちゃん。

 レッサーパンダは小学校の時と中学の時にチラッと付き合っていた男子はいるらしい。同性で親しいのはうろなの私らしかいないと聞いたときどーしようかと思った。

 確かに長期休みはこっちにいたし、周りと話題と会話テンポが合わせるのが苦手というのは辛いかもしれない。女子コミュニティに所属してなくて、しかも、彼氏捕まえてる。女子からは受けないだろうなと思う。

 そういう意味では難しいよね。恋愛経験値が低過ぎる。一途に一人をって言っても報われるケースなんて一握り。

 宇美さんはイイけど、重ちゃんなんかは報われちゃダメな方向に走ってるしなぁ。

 それに色恋より、はしゃいでる方が楽しいメンバーだからかなぁ。花よりダンゴ的な?

 紬ちゃんはしっかりいっつーがいたけどさ。麻衣子ちゃんだって、好きな相手はいるんだけど、どうする気かなぁ。

 恋愛って難しいな。

 って、

「ワサビパウダーをアイスにかけちゃダメ!」

 レッサーパンダめ!

「養ってもイイって大胆だよね」

「大胆かなぁ?」

「プロポーズじゃないの?」

 は?

「ないない。好きだから知りたいのと、結婚したいのは違うって」


 知っていった後でそういう気持ちになるかどうかかなぁって思う。

「そうよね。捨て猫やフェレットを飼いたいって言っているのと一緒よね」

 ……レッサーパンダめ。

 しかし、否定できぬ!

「実際、子供でもできるか、二人だけで住むかするんじゃなきゃ必要性を感じないかなぁ。うろなにいるなら別にイイんじゃないかなって思うな」

 紬ちゃんと麻衣子は結婚に憧れてる方だから引くんだろうなぁ。

「そんなお付き合いも自由だものね」

 紬ちゃんがふふっと笑う。

「えー」

「親族のサインが必要な時に近くに親族がいれば問題ないでしょ。それをほのちゃんに託すかどうかなんて先の話って思ってる時点で私の準備はそんな感じなの!」

 養ってもイイっていうのは、まずほのちゃんを知りたいのに生活破綻されたら知ることができないから。

 なんだけどなー。そこまでして知りたいっていうのが特別なのかなぁとも思うよねー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ