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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2015年夏
790/823

遊んで!

 寝ボケた緑。

 冷え過ぎた部屋でしっかり布団をかぶった千秋兄。

 揺すり起こした鎮兄をじっと見上げてる。

 まだ意識が起ききっていないのか、またこてんと布団の中に沈んでいく。

 ここは千秋兄のバイト先の仮眠室。帰ってこない千秋兄をお迎えに来てみた。案内は鎮兄に頼んで。

「千秋っ」

「……っさい」

 あ。鎮兄が一歩引きかけた。

 まぁ起きてきたけど。

「平日は商店街行ってたから、土日だし遊んで!」

 隆維たちは学校で行われる受験対策の勉強会に参加するって言うんだぞ!

 ずるい〜。

 そういう意味では受験しない俺が(しかも今、中学校には在籍していない部外者)混じってるのって他のみんなの邪魔になるし。

「土日……」

 千秋兄が繰り返す。

 もしかして、

「今日は土曜日だからね!」

 曜日感覚狂ってるだろ!?

「あー、なんか、二日か三日記憶ねーわ。にーさんに遊んでもらえよ」

「鎮兄はきょういっちゃん斡旋のバイトと空ねぇとのデートと、空ねぇのストーカーで忙しいの!」

 出かける前に案内時間作ってもらったんだから!

「すとーかー」

 鎮兄と千秋兄の言葉がハモる。でも、声に含まれる色合いは違う。

「ストーカーしてんの? どこまで束縛系? やり過ぎると、空ねぇ以外から叱られるよ?」

 注意モードでたしなめる千秋兄に鎮兄が薄く視線を泳がせる。

 うん。

 空ねぇは叱らなさそう。

「し、してない。と、思う」

 確信して言おうよ。鎮兄……。

「メールの回数だって減らしたし!」

「へぇ」

 千秋兄の声が涼しい。

「えっと、おはようからはじまって、ゼリーの散歩ついでに会えるかなって聞いて……」

 それ、ゼリーの散歩がついでだよね?

 最後はおやすみで締めくくるらしいけど、そう。それで減ったんだと俺と千秋兄は生温く鎮兄を見つめた。

 チーズオムレツと湯がいたニョッキに塩を振ったもの。パックから出したスモークサーモン。

 千秋兄はスライスオニオンを口に運びながら、

「遊べって体力のいることはごめんだからな」

 とか言ってくる。

 体力つけようよ。

「んー、ミア連れてどっか出かけるか?」

「ほんと!?」

「ああ。できれば、屋内施設がいいけどな」

 思わぬ回答に嬉しくなる。

 行きたいトコは目星つけてあるんだ。

「科学博物館! プラネタリウムとかもあるからミアも喜ぶだろうし、ライドっぽいのもあるんだって!」

 まだ、夏休み前だから来場者も少ないはず!

 植物園は屋外メインだし、ついでに史跡博物館とかも気になるんだけど、とりあえずひとつ。

「オッケ。ちゃんと調べてあるのか? 行ったら休みは勘弁しろよ?」

 大丈夫だし!

 ちゃんと調べたもん。


『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

空ちゃんお名前ちらり

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