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7/28 水着コンテスト開催!!

はじまります♪

「夏だ! 海だ! ビーチだ! 夏のうろな名物! 男達の夢と憩い! 水着美人コンテスト!」

「今年もはじまるよっ!」



 海の家ARIKAに程近い場所に作られた臨時舞台。

 黒尽くめの司会が元気に声を上げる。

「司会進行を担当するはー、女性の味方カラスマント」


 大きな動きに合わせてばさりと翻るマント。中の衣装はやっぱり黒ずくめ。

 顔の半分を覆うカラスの仮面。縁にきらきらと光る飾りがついているのが夏祭りとの差異だ。


「女性は輝ける宝石。かぐわしく美しい花。ノワール」


 ノワールと名乗った人物は目元を覆う黒いゴーグル、黒髪からひょっこり出ている猫耳、黒の長袖長ズボン、黒の半そでのジャケット。白い手袋がポイント。

 ゆっくり最小の動きでお辞儀をする。


 ちょっぴりノワールの名乗りにカラスマントの動きが止まる。


『よろしくー♪』


 最後に二人ハイタッチし、観客席に向けて手を振る。


「今年も美しい方々がライフセーバーの諸君を激励するためにこの舞台に上がってくれる。誰よりも間側で見れることを感謝する!」


 握りこぶしを上げるカラスマント。

 観客席から笑いとブーイングが飛ぶ。

「あつくるしーぞー」とか『うらやましーぞ』と言った類だ。

「秋は紅葉。冬は美しき雪景色、春は可憐な桜。出会いと別れ。そして夏! 高く青い空にわく入道雲。どこまでも青く澄んだわれらがうろなの海。夏の太陽が心を柔らかく溶かす。ひと時のアバンチュールを求める季節」


「長いわ!」


 カラスマントがノワールを軽くはたいて長台詞を止める。



「んー遅いよ」



「何が?」


 はたかれたのがなかったかのようにさらっと言われ?マーク飛ぶ。




「止めるのが」



 いや、そんなコト言われてもとどっと疲れるカラスマント。がっくりポーズ


「では。最も美しいと言う女性を決める役割。その難しくも重要な役割を担っていただく審査員の方々を紹介いたします」


 そんな彼をさらっと流しノワールがマイペースに審査員席を紹介する。

 え、ここまでやった俺のこと総無視なの!?

「うん」みたいな空気。


「初代クイーンにして現町長秘書秋原女史」

 秋原女史が軽く頷く。

「うろな宿泊施設組合組合長、略して宿長~♪」

「略しすぎだろう。うろな町をよろしく」

 恰幅のいい50過ぎのおじさんが陽気に笑う。

「商店街代表はおもちゃ屋の悪魔直澄兄さん♪」

「よろしくー」

 観客席に手を振るおもちゃ屋の高原直澄さん。

「そして……、はえある審査員長はわれらが町長~♪ 皆様休日返上でありがとうございます」

 ノワールは一息おいて続ける。

「それぞれの思惑のある人が出場するかもしれませんが贔屓なしでお願いします」

 ノワール、(立ち直った)カラスマントが揃って審査員席に一礼する。


 ノワールは最小限の小さな動きで、

 カラスマントは大きくマントを翻して。




「初代クイーン!!」

 会場の方から声が飛ぶ。

 苦笑いで手を振る秋原さんの姿がそこにはあった。



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