グループデートの翌日
「結局、朝まで仕事だったんだ」
「まぁね。今日は公園賑やかだったよ」
「こーむてんのオッちゃんたちと役場メンバーによる夏祭りの会場設置だと思う。あー、みんな天気が心配っぽい。今年不安定だし」
「夏祭りかぁ」
「楽しいよー。ミニライブとか、町長によるショータイムとか。前はサイン会もあったなー。あー、ほのちゃん付き合ってくれるといいんだけどなー」
なぜか菊花に(呼び捨て希望された)仕事あがりを引っ張ってこられて食事提供を受けている。
「昨日はごめん。ほのちゃん借りちゃって」
「んー。それはいいんだ。寝れた?」
「うん。コンビニにも寄ってもらえたから栄養ドリンクも買えたしね。助かっちゃった」
「こっちは乱入者があって揉めたよー。紬ちゃんは何も言わないしね」
コレが話したかったぽいな。
「あれは、千秋や健、逸美を続けてディスっていく女だった」
うんうんと頷いてる。
「菊花もなんか、言われたの?」
ふるんと頭が横に振られる。
「ディスられるんは気分悪いよね」
頷きつつもお茶のおかわりを入れてくれる。
「健にさ、『現状、アンタに期待されてるのは逸美の子守りとしての存在価値だけだから、適度に逸美を外界に引きずり出すなら支払いはするし、旅館に来る必要はない』って言っちゃって健が『友人づきあいに金を払ってもらう理由はねぇ!』って言い返してさぁ」
木野江君は泣きそうだしで大変だったらしい。
外界かぁ。内側にこもってそうだしなぁ。
「まぁねー、『それ以外に自分のセールスポイントがあるの? 客商売なのよ』って言われちゃうとキツいよね。ウチなら多少無愛想でも技能職だからね。あと、ほのちゃんができてるから気まぐれに手伝ってみてるってわかるんだよね。続くことは期待してない。そう思っちゃうと、困るだろうなって思ってさ、納得するとかばえないよねー」
健のセールスポイント……。
あ。
デメリットポイントの方が多そう。
「ダメんズだからなぁ。女性客に不安与えてもアレだし」
うんうんと菊花が頷く。
実際、送ってくれるのが健だった場合、眠ることはできなかったと思う。
「頭に血がのぼっちゃってる健をさ、千秋が抑えてたんだけど」
ちーちゃんもディスられたって言ってたっけ?
「『逸美のコトもコイツのコトも千秋は甘やかし過ぎなんだよ。できないコトぐらいきっちり突きつけろ』ってキッツイコトを……」
そこはやつあたりぽくない?
あとダメ出しはしてるよね?
菊花はちょっとそんな印象だったと頷く。
「まー。最終、健に『給料は払うけど、旅館に来るな』って宣言がメインかな? あと千秋に逸美甘やかすなって。千秋も二人に甘えてる部分あるからなぁ。でも千秋的にはあんまり悪印象は持ってないみたいだったんだよねー」
へぇ。
批判されたら反感持ちそうなのに。
「行くようには、言った」
店舗の方の支度をしていたほのちゃんが奥へ来てコップの水を飲む。
確かに怒って行かない可能性はあるし、追い返される可能性だってある。
「できるコトがないなら、ちゃんと通ってできるようになるしかないって瀬尾のじーさんにも言われてたからな。モノ凄く説得力がない」
ソレは説得力が、ない。
あとでミホに聞いてみよう。
「家まで帰れるか?」
「仮眠はとってるから大丈夫。おばさま、ごちそうさまでした」
「お布団貸すから一緒に夏祭りいかない?」
菊花、ほのちゃんとのデートはいいのか?
『うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話』
http://book1.adouzi.eu.org/n2532br/
『うろな町』発展記録』
http://book1.adouzi.eu.org/n6456bq/
『アクセル!-新人アイドル奮闘記!‐』
http://book1.adouzi.eu.org/n6038cb/
『月刊、うろNOW!』
http://book1.adouzi.eu.org/n3868bw/
『ばかばっかり!』
http://book1.adouzi.eu.org/n1801br/
夏祭り系話題より。
きっと夏祭りは七月第一土曜日と信じて!
お天気は明記せず……(リアル不安定だったので不安定かな~?)




