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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2015年春
737/823

おまけ的会話文(セリフのみ

「はーい。恭君のテレホンカウンセリングですー」

「えーっと、今時間、いい?」

「顧客はお一人様となっておりますので、ご遠慮なくどうぞー」

「投げやりくない?」

「作業中ですから。空さんの惚気ですか? あ、空さんからかかってきたらそちら優先ですから」

「空は今日もかわいかった!」

「……それで?」

「やっぱり、空を束縛しすぎなのかなぁってさぁ」

「いまさら何をわかりきったことを言ってるんですか?」

「あ!」

「なんです?」

「わかった」

「なにがですか?」

「恭君と喋り方が似てるんだ!」

「僕の喋り方はよくある普通のものだと思いますけど?」

「うん? まぁいいか。結婚を前提に付き合ってるのかとか聞かれてね、ちょっと」

「タイミングが合わないんなら出来ちゃった婚でいいんじゃないですか? 現状じゃ一生独身ですねー」

「恭君……」

「しってますー? デキナイのはいちおーびょーきですよー。びょーき。まぁ、置いときますけど、ひっさびさですねー。千秋さんと新しい知り合いが増えた頃に何度かあったかなーってくらいでしたけど、最近、落ち着いていたでしょう? 千秋さんがそばにいないのが落ち着けた要因ですか?」

「変われるかなぁ」

「……変われませんよ」

「そっか」

「どう転んでも、鎮さんは鎮さんです。他の誰かにはなれません」

「なんかちょっと違う」

「こないだは適当に「うんうん」言ってたら拗ねたのでパターンを変えてみました」

「だって、あれひど、って、やっぱり適当だったの!?」

「はい」




「鎮さんは鎮さんとして鎮さんしてたらいいんです」

「わかんねー」

「そのままでいいんですよ。急ぐ必要はありません。タイムアウトはまだ先ですから」

「タイムアウト?」

「人生からのタイムアウトですよ。それで、楽しかった出来事は空さんがかわいかっただけですか?」

「俺のシャツ着て俺を見てる空ちょーかわいい!」

「はい。鎮さんがお馬鹿なのがよくわかりましたー」

「ひでぇ!!」

「で、自分で、どこに引っかかったのか整理はつきましたか?」

「ぜんっぜん!」

「うわー。サイテーですね。つまりそのサイテーさが今の鎮さんが鎮さんたる主成分ですね!」

「ただ、うん。きれいな人間だと思ったよ。俺とは、違う生き物がいるってさ」

「まぁ、違う個体ですよね」

「ま、そうだけどな」

「空さんもきれいですよね」

「……ん」

「鎮さん?」

「空はさ、俺にとっての、全部。だよ」

「妙な沈黙とって結局蛇口全開の惚気ですか! じゃあこれからもがんばって束縛していってください!」

「うん。ありがとう、恭くん」


「通話終了です。相変わらずの惚気全開ですねー。ん? コール? はーい。恭君のテレホンカウンセリングですー」

「飛鳥にマジで告った! 断られたけど、諦めたくねーんだ!」

「……ストーキングはやめとけ」





『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

青空空ちゃんおかりしました

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