ごっこ遊び3
食事のしたくはほぼ終えていて、増えた人数分の追加は実は大変ではなくて。(潤叔父にカップ麺でも食べてもらえばイイでしょう)雑談しつつ準備する。空さんのコト聞きたいんだけど話が僕の部活になる。
「剣道部?」
「はい。高原監督と清水先生がきっちり指導してくれるんですよ」
「澄先輩と鬼小梅かぁ。キッツいだろ?」
身長見ましたね。しみじみ小柄さ見ましたね?
成長期なんですよ?
まだ伸びるんですよ?
「ちゃんと無理のない指導だと思いますよ?」
「うっそだぁー。ぜってーキツイって」
真っ向から否定されるとは。
「まだはじまったところですから、基礎作りなんです。基本の体力や動きの基礎は慣れるまで大変なのはなんであれ同じですよ。……一度、乗り越える喜びを知ればやみつきです」
まだ一年ですからね。
「亨君……」
「苦手なモノありますか?」
サッと手元を見て「大丈夫」と鎮兄さんのオーケーをもらいました。
「……しいよな」
聞こえた言葉の欠片。
かけられる笑顔。
父も、叔父達も一致させて言うことは『人の心は難しい』
僕は、人は優しく想いあえる命だと信じたい。
見ないフリもぶつかる事も難しいといつか躊躇うようになると母も言う。
「僕は、仲良くなれれば嬉しいです」
「え?」
鎮兄さんが振り返ってこっちを見てる。
「家族が増えるって素敵ですよね。それで、空、お義姉さんのご家族には挨拶されてるんですか?」
「……アイサツ?」
不思議そうな鎮兄さんから桐子叔母さんが皿を取り上げてテーブルに置く。
「将来をゼンテイにお付き合いしておりますってご挨拶かしら~」
「え? あ? 亨君! 亨君は尋歌ちゃんとは!?」
慌ててなぜか鴫野さんの名前を出してくるのはなぜですか、鎮兄さん?
「いいお友達ですよ?」
将来の夢を追うって素敵だなと思ってます。
そして桐子叔母さんが鴫野さん情報にくいついてきます。
ねぇ!
ソレ、ノンアルコールビールですよね!?
空さんを送って帰る鎮兄さん。そんな後姿は鎮さんが空さんを抱きこむように。
「乗り越えれないものはないんですよね」
「あら、どうしたの?」
楽しかったわと微笑みながら桐子叔母さんが家の中に入りなさいと手招く。
「新しい課題です」
「課題?」
「感じて言いたいことは言ってしまったので。僕の課題は、信じることです」
照れくさく笑う。
「感情のまま突きつけることは得策ではないと思うんです。わかってること、をぶつけられるのは嫌なものだと思いますから。優しいひとでよかったな、と」
だから、きっと望むように大丈夫になれるんじゃないかと思えるんだ。
『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』
http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/
空ちゃん
『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』
http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/
より清水司先生
高原直澄君
お借りしました。




