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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2015年春
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五月十日 Wデート

 マリージアさんとデートにこぎつけたのは奇跡な気がする。

「受験生」と宗に囁かれた気がしたけど、気分転換だ!

 まぁ、ミリーちゃんに文句つけられたけどなぁ。言うなれば、『なにうちのおねーちゃんにテェダソウトシテンノヨタチバワキマエテシネ』っていうノリだった気もするがマリージアさん情報はそれでもミリーちゃんから引き出せた。隆維君感謝! 清水先生夫妻の結婚式イベントの写真で機嫌良く語ってくれた!

 マリージアさん、同じ歳だった!

 大人っぽくて、麻衣子ちゃんより大人っぽいし。

 ちなみにダブルデートだ。奇跡のこじつけ。感謝する留学生!

「ハイキングだと思う」

 激不満そうな宗。

 その横でデニムジーンズで、ロングヘアをひとつにまとめた女の子(蘇芳ちゃんと呼ばせてもらう話がついた)は少し楽しみそうだ。ネットデートが基本でも外も好きなんだなと思う。というか、そんなに野外活動嫌いか! 海ならいいのか!? 宗!

 待ち合わせはうろな駅。

 うろな高原から栃の木の広場までのピクニックデート。

「お待たせいたしました」

 ブラウンヘアをグリーンのシュシュでポニーテール。柔らかそうな生地のズボンとシャツ。大きめの鞄。

 靴はやっぱりハンドメイドっぽい。

 可愛い。綺麗だ。

「大人っぽい系好きだよね」

 ぽそっと宗が囁く。

 黙ってろ。

「宗一郎です」

「マリージアです。今日はよろしくお願いしますね」

「こっちは蘇芳と言います」

「はじめまして。蘇芳といいます。こちらこそよろしくお願いします」

 宗が紹介して、言い合うのは名前。

 よし!

 名前呼び!

「ランチを作ってきたんですけど、すおーは?」

「おむすびと、つまみやすいおかずを少し。宗一郎さんはドリンクを用意してくださったはずです」

 宗が静かに頷く。

「あ。俺も」

 と母さんに持たされた弁当。虫除け、救急セットも持たされた。

 うろな本線をうろな高原まで。ゆっくりとビルや商店が減ってきて、町並みは田園含むものに変わり、西の山が見えてくる。

 山の緑が綺麗と女声陣が囁きあっている横でスッと視線を逸らしている宗がいる。

「虫、にがてだよなぁ」

「絡んでくる植物も苦手だよ?」

 野外ステージとかなら平気だけどねとぼやいてる。スカートでも行けるお手軽コースだよ!

 女の子じゃなくて、お前のために!

「滑り落ちそうな場所はないって事だよね?」

 縁起でもないことを言ってんじゃねぇ!

「あの辺、前田のおっちゃんちかなー?」

 あっという間に通り過ぎる風景。

 さぁ!

 ピクニックデートだ!






 なんで、宗ばっかり……。誘ったの、俺……。

「英! 取って! なんか落ちてきた!?」

 宗、ただの葉っぱだ。それは。

『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』

http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/

清水夫妻の結婚式イベント


『うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話』

http://book1.adouzi.eu.org/n2532br/

前田宅の位置ネタ

ちらりお借りしました〜

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