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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2015年春
720/823

GWあけて 美丘愛菜

「愛菜!」

 声をかけてきたのは隆維。

「おはよー」

 そう言って飛びついて来たのはミラちゃん。

「おはよ。検査どうだった?」

「おはよう。美丘さん」

 距離が近づいた隆維からの挨拶。それに被るように高遠くんからも。

「おはよう。三人とも」

 帰ってきたなと思う。

「ちょっとだけ、千秋さんに会ったわよ」

 隆維がぴくっと反応する。

「ちーちゃん、元気そうだった?」

 ストレートに聞いてくるのは高遠くん。隆維は興味はあるけど、それほどでもないと言わんばかりの対応。まぁそれほど話した訳でもないんだけど。

「人間関係エンジョイしてそうだったわ」

 ミラちゃんが首を傾げる。ひょいと鞄を取り上げられる。驚くと「持ってあげる」とニッコリされた。

「お友達のお友達と時々バトルっぽいらしいわ。あと、聞かれたことは伝えたから。隆維の事とか芹香ちゃんの事とか。町の事とか。答えられる事って少ないんだけどね」

 喋ってたら、千秋さんの友達が来て、花ちゃんの話題に入っちゃったから。誰かと花ちゃんの事を話すのは久しぶりだったからはしゃいじゃったな。

「ふーん」

 隆維が気のない声。ちょっとムカつく。

「バトルって物理?」

 そこまでは聞いてないしと私は知らないと伝える。

 少なくとも千秋さんは嫌われるのを承知で煽ってる部分があると自覚しているなと感じた。

だから、物理ではなさそう。千秋さんのイメージじゃないし。物理を誘って、証拠を作って排除はリスクが高いと思うし。

 ふーんって興味のなさげな相づちがちょっとイラっとする。隆維は怒らせるためにやってる気がするから余計にムッとする。

「で、愛菜、検査は?」

 隆維がふってきてちょっと驚く。社交辞令かと思ってたわよ?

「ええ。特に問題なしね。新しいお薬貰ったから、体調には気をつけるように言われてるわ」

 そのくらいかしら?

 気がつけば中学校そばに来ていた。

「おはようございます。木下先生」

「おはよう!」

 木下先生は明るくて意外に細かい事にも気がつく熱血系体育教師。

 そう言った感想を素直に述べたところ、直接は言ってやるな。まゆりん先生は繊細だからと長船くんに諭された。

「長船はもう来てたぞ」

「さんきゅーせんせー」

「ありがとうございます。木下先生」

「よし襲撃だ!」

 木下先生情報に隆維、高遠くんはお礼を言って、ミラちゃんはひゃっほいと不思議な掛け声。襲撃は駄目ね。

 園芸部エリアでまずは挨拶して即座に鞄置きに行くように促され連れて行かれるミラちゃん。

 誓ちゃんがいつもながら手際が良かった。

「千歳ちゃんとタイプ近いし」

 と言っていたけれど、お姉さんぶるのも嫌いじゃないとはにかんでいた。

「美丘さんむこうで検査どうだったー?」

「変化ナシ。新薬投与だから少し様子見するように言われてるわ」

「そっかー。じゃあ、宿題は?」

 宿題?

「もちろん、終わらせてあるわ」





『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』http://book1.adouzi.eu.org/n6479bq/

より木下先生チラリお借りしました

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