夢語り

　

　夢を見た。

　青い青い空に見惚れる夢だった。

　優しく甘い歌が聞こえてた気がするよ。

　愛してるって言いたかったのに言葉が綴れないんだ。

　夢の中で俺は半分くらい爬虫類。

　気温が冷えて身体が思うように動けないし、声も上手に出せないんだ。

　誰も俺に気がつかない。

　俺の前を通り過ぎていくんだ。

　その中に大切な人の姿は見えないんだ。

　陽射しを浴びて動けるようになったら君を探し求めて動きはじめるんだけど、夢の中の俺はゆっくり何を探しているのかわからなくなっていくんだ。

　諦めたくないのに君不足過ぎて動けなくなりそうなんだ。

　夢の中の景色が季節の変わり目を見せはじめた頃。高く青い空が澄んだ日に歌声を聴いた。

　空が歌っていたんだ。

　夢はそこで終わり。

　俺、歌ってる空見てんの好きだよ。

　俺はちゃんと空を支えることができるかな？

　空は俺といて、苦しくない？

　ほら。俺、空には束縛系だからさ。

　ねぇ。かわいく赤くなられたらキスしたくなる。