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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2015年春
712/823

涼維くつろぐ

うろな外の話

 



 日本では今頃、ゴールデンウィークで連休だ。

 母方のイトコの寮室でベッドに転がる。

 機嫌良くお茶やお菓子を準備してくれている。ベッドで食べるのは反対だけどね。

 横で医学書をめくるのはレンフォート。

 背後に流れている映像は医療ドキュメンタリー。時々グロい。

 ちらっと壁際を見れば日本のお城シリーズ。指先の感覚を鍛えるとか言ってイトコのエドマンドが嵌まっている。ただ日本の名城が好きなだけだと思う。特に擬人化……。

「新しい大じいとは仲良くできそうなのか? ティータイムにしよう」

 タブレットゲームを中断して、のそりとベッドから這い出す。

「んー。いい人たちだと思うよ。大じいも大ばぁも誤解だったわけだし、すれ違いだし」

 最近増えた曽祖父と曽祖母。

 それはとーさんの父方の曽祖父母だ。母方は曽祖父だけだからね。

 どっちかっていうとばぁちゃんが誰かに知られないようにとーさんやおばさんたちを日生のばーちゃんにあげちゃったのが彼らが干渉できなかった理由だと思うし。

 あの大伯父なら責任をとって援助や保護を率先してやってきそうだった。

 時々、顔を出してくれと大伯父は言う。曽祖父母の血を引いている子供は日生の俺たちだけだと聞いてその時は、噴いた。

 大伯父は養子だったらしい。

 絶対、知ってたら保護って言うか手元で育てたよね。古い家って血統主義根強いから。

 そしたら家の繋がりのあった俺たちはいたかも知れないけど、鎮兄や千秋兄はどうなんだろう?

 それにそれはうろなを知らないままかも知れなくてイヤだと思う。

「そっか。ところでリョーイは将来、管理者になるのか、技術者になるのか、医療系でやっていくのか決めたか?」

 エドマンドの探りに首を傾げる。

 管理者って言うのは相続したモノを回して維持する仕事。

 技術者なら細工やらなんやらで幅広い。

 医療系はかーさんの実家から支持援助高めとなる。

 どれ選んでも応援されるんだけどね。

「冒険家とか?」

 ヨットレースとか自転車の耐久レースとか。

「それは趣味でいけ!」

 なんでか、レンフォートとエドマンド両方が突っ込んできた。

 いいじゃん。

 別に。


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