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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2015年春
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GWの予定話 美丘愛菜

「GWの予定はどうなってるんだ?」

 そんな話を振ってきたのは長船くん。長船くん自身は園芸部の水やりお手入れの後はフリータイムらしい。

 天音ちゃんは妹さんを連れて日生のウチに通うらしい。

 高遠くんは後半弟さんが遊びに来るらしく、嬉しそうだ。

「ウチは特に予定ないなー。夏に向けて掃除? 愛菜は?」

 隆維はのんびり椅子を揺らしながら背後の位置にいた私に振ってくる。

「アメリカで検査入院。だから平日もちょっとお休み」

「ふーん」

 じっと隆維と視線が合う。椅子のバランスが今にも倒れそうでドキドキする。

「千秋さんに会えるかどうかはわからないわよ?」

「わかってる。ちょっと心配なだけ」

「千秋さんの方が年上でしょ?」

 隆維が心配する必要はないんじゃないの?

 微妙に納得できてない感じの笑顔。何か整理しきれないことがあるんだろうなと思う。

「そーいえば、りゅーちゃん」

「ん?」

「三回。ってなに?」

「気にするようなことじゃないと思うよ?」

 高遠くんの疑問を笑顔で流そうとする隆維に珍しく食いつく高遠くん。

「気になる。勉強が手をつかないくらいに」

 高遠くんの後押しをするように「うりゃ吐け」と隆維に長船くんがじゃれつく。

「鎮兄と俺が感じた三回。が同じとは限んないんだけどな」

「いいから吐け」「ろーぷぅうう」と定番のやりとり。

 結局、「ま、いっか」と話しだす。軽い。沈黙はただの演出かと言いたいくらいに軽かった。

「ごめんとか、悪かった系の発言とか、話題をそれとなく変更させたりとか、そんな感じ」

 呼吸を整えつつ教えてもらった情報にクエスチョンが飛ぶ。

 あえて数えるようなこと?

「鎮兄と違って千秋兄は基本自信家だからね。よっぽど納得できなきゃ自分が悪いなんて認めねーよ。納得できてない謝罪なんて相手に失礼だろって持論だからな」

 上面だけの謝罪を自分たちに向けるって言うならどこまで、なんとも思われなくなったってことかと思って、と続く。

 気にしすぎだろと長船くんがなだめてた。

 弟にだけじゃなく兄にもか、筋金入りのブラコンめ。



 そんな会話をした放課後にランバートさんが誰かと話しているのを見かける。

 どこか険悪。

 相手は派手な印象のお兄さん。

 あまり日生の家にいる年上系の人達には好意を持たれていないと知っているから、すぐにその場からはなれた。

 気まずいだろうし。



「あら。愛菜高校受験はどーするの? 隆維はうろ高って言ってるけど、愛菜も?」

「セリちゃん」

 相変わらず一人でブラついてたらしい。

「鈴音ちゃんは?」

「べるべるは今隆維と一緒率が高いわね!」

 ぷぅと少し膨れる。

「べるべるを隆維が弄んでるんならどうしてくれようって悩んじゃう」

 いや、それは現状被害被ってるの本人じゃあ?

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