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7/22  海の家 発覚 予想外


ARIKAのラッシュの隙間。

宗一郎君がカラスマントに詰め寄っていた。


「まじ?」

「ああ。知らんぞ?」


その発言の瞬間、宗一郎君の結構痛そうな平手がカラスマントの仮面のくちばしをひっぱたいた。

さすが天音ちゃんのお兄さん。

手が早い。

「信じられない。ありえない。日生のおっさん、ナニも手いれてないの?」

「なにもって?」

宗一郎君、微妙に泣きそうだ。

「太陽さん!」

「ん? どうかした?」


「思わぬ事態発覚で今日のお手伝い、ちょっと、すみません。まさか、スポンサーとの関係ないがしろ気味なんて、想像してなくて」


あー。好意で景品出してもらったり、出場者時々出してもらったりくらいの付き合いかなぁ。

何のことかわかっていないカラスマント、いや、鎮。

ちょっとないがしろって言われるともう少し対応すべきかなと思わなくもないけどどうするかって言われるとわからないよな。

「挨拶回りと、提供してもらう商品が提供先に売れ筋とかなら宣伝するだけの商品知識、もしくはセールスポイントの確認とかあるだろうが」


妙に迫力がある発言だった。

手を押さえているところを見ると殴りそうらしい。


「一回限りの捨てイベントじゃなくて、恒例イベントじゃないのか」

ピシッと指差される鎮。

ってゆーか捨てイベントって何?

「イベントに懸ける宗兄の情熱はすごいから」

天音ちゃんがぽつっと呟く。


「それ以外邪魔されるからそれに特化したとも言う」

天音ちゃんに一緒にくっついてきてた公志郎くんが続ける。

と言うかお客さんに公志郎くんの方がおじょうちゃん呼ばわりされるのはなぜ?


「恒例イベントです」


なにか、カラスマントが正座しそうな雰囲気だなー。

完全、宗一郎君の方が立場上だな。


「日生のおじさんのところで景品の提供先を聞いて挨拶行ってきます」

ぺこりと太陽さんに頭を下げる。

太陽さんは苦笑してる。

挨拶とかの重要性は多分一番わかってるんだろうしなぁ。


「一応、表立っての主催者代表本部には連絡しとくよ。各店舗のリストあったほうがいいだろ? それとついてく?」

「ありがとうございます。手伝いがあまり抜けるわけには」



「そういう発想がちゃんとできるのねー」

いい子とばかりに太陽さんが笑う。

「教えてくれた人がいましたから。……日生のおっさんですけどね!!」

「あっちゃんは聞かれなきゃ教えないトコあるからねー」

あははと明るく笑い、いってらっしゃいと送り出す。そしてチラッと混乱カラスを見る。

「いってこーいっ」と蹴り入れたのは海ねぇだった。

俺もうろや別館にメール。

「千秋」

「ん。行ってらっしゃい。涼維もいるし、つか昨日の事態で天音ちゃん、今日休むかと思ってたぐらいだし、だいじょーぶ」

「あー。水色フリル」

隆維が呟く。涼維が赤面、なんとなく察したらしい太陽さん、海ねぇに制裁を受ける隆維を生ぬるく見守った。


「夜店とかの手伝いなら一通りしたことあるし、宗兄の代わりくらいやるけど?」

「鎮さん、邪魔とか言われてないかな?」

言われてそうだなぁ

おじさんがちゃんと裏手回しやってるんならいいけど、やってない気がするんだよねぇ。

「千秋兄、鎮兄が行くと派閥系の連中が反応しない?」

涼維が言う。

でもなぁ

「兄ちゃんたち、大人の派閥って興味ないから知らないんだよね」

「うわ。つかえね」

隆維が切り込む。


「商店街もショッピングモールも協力してくれているイベントで、普通は反モール派の商店主とかもいるから派閥はあるよね」

公志郎くんがのほほんと言う。

「だいじょうぶよー。きっと」

太陽さんはそう言って笑う。

なんとなく大丈夫な気がした。




海の家バイト中

太陽さんと海ねぇ出場していただいております。


宗一郎大慌ての回です。


ちょっと修正。(主に時間)

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