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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年〜2015年冬
687/823

妹の婚約

「むーん」

 ソファーでクッションを抱きつつ、片手でスマホなりゅーちゃんが唸る。

 ころりころりと不満げな転がり。

「どーしたの?」

「碧ちゃん……ちょっとさ。うん。まださぁ。早いと思うんだよ」

「なにが?」

 床を転がるのをやめて体を起こし、マジな目で見つめられる。

「ミアの、婚約」

 ミアちゃんは芹香ちゃんよりひとつ下だ。

「ミアから言い出したらしいんだけど、周りもそれを受け入れるっつーか後押しするってさぁ、何考えてんの?」

 不満そうに対話を続けているらしい。

「しかも。鎮兄達よりひとつ下だって!」

 きぃきぃ。

 そんな感じで文句をつけている。

「挨拶こーい」

「無理だろ」

 ココは日本。今、ミアちゃんはヨーロッパのどっか。

 日本まで挨拶に来いとか無理。

 つーかそれを聞いて思ったことは、

「しーちゃんはお付き合い後の挨拶とかしてんのかな?」

 むこうの家族に。

「んー。既成事実的認識じゃね? 特に言ってもなければ、隠してもない。俺、ミアやノアの相手がそれやったら許さないけどね」

 不満げに言ったあとに息を吐く。

「鎮兄にはそーいう発想が欠落してるとこあるから」

「鈴音ちゃんの件は?」

 続けて本人のことも聞いてみる。

「んー、きょういっちゃんとおとーさんには話通している状況。おとーさんがラフのこと嫌ってるせいで面倒なとこだけどね〜」

 抜かりはないらしい。

 ばふんとクッションを床に叩きつける。

「あー。相手が見えなくてうぜぇ」

 りゅーちゃん。今りゅーちゃんが面倒な兄と化してるよ。

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