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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年〜2015年冬
683/823

たまごを

 たまごを溶いて塩胡椒にマヨネーズ。熱したフライパンに流し込むのは半分ほど。かき混ぜてから残ったたまごを流し込んで包んでいく。

 昨夜から宗のところに泊まってた。

 意外に使い込まれているキッチンは健の城に近いのだろう。人の陣地を荒らすのは好みじゃないんだけどね。

「千秋のあほうが風邪ひいたらしい」

「はぁ」

 何やってんでしょうね。

「春先つってもくそさみい中海水に浸かってやがった」

 自殺ですかー?

「ぼーっとしてやがることも多いしよ」

 健のクセに心配症ですねぇ。調子は戻したけど、ぐずついて渡米タイミングが崩れたんですか。バカですね。

 まぁ情報を集めて流してくださる分は助かります。

「死にたがりは、鎮さんだけで充分足りてるんですけどね。まー、最近はしぶとくなってきてますけどねー」

 隠しゴト増えた予感はするんですけどね。空さんと過ごしてる分には落ち着いてますから。ま、いいです。

 問題があるとすれば『お庭』の動きでしょうか?

 外部からの情報を集めるのに天音さんに協力してもらってますしね。駄犬コンビも時々揺すってますし。

 フッと訪れる着信。

 親類からの雑談混じりの情報。

「鎮さん出稼ぎに売り払いますかー」

 気に入られてますよね。このバイト先に。僕的にはいい感じです。受験とか終わったからイイよね。な内容。

「他の表現を選べ!」

 えー。そのぐらい良いじゃないですか。

 卵焼きをお皿に。菜の花のおひたしで彩りを。豆ごはんと白ごはんでおむすびを作って軽く焼き目をつけた豆腐を添えてワンプレートモーニングの完成です。タマネギとジャガイモのみそ汁を並べれば完ぺきです。

「鎮さんの身体能力が人気者なんですよー。本人素直に指示に従いますし。できました。……ああ。健も食べますか?」

 食べなくてもいいですし。

「食うよ。三食作っといてその発言かよ」

 拗ねられても別にそそりません。

「別に一食くらいお弁当にしておくだけですし」

 奥の部屋から宗が出てくる。

「宗、おはよう。顔洗って早く戻っておいで。朝食にしよう」

「おはよう。すぐいってくる」

 アレは遅くまでゲームしてましたねー。

 バレンタインデーは会ってたようですけど、ホワイトデーは?

 まぁ返すようなものを貰ってるとは思えませんがね。

「恭」

「なんです?」

「肉っ気が、足りねぇ」

 朝っぱらから?

「こう。なんかさ。モノ足りねぇ」

 生意気な居候ですね。

 冷蔵庫にベーコンブロックがあったはずですから焼きますか。魚焼くには時間がね。

 顔を洗って身だしなみを整えた宗がテーブルに追加されたベーコンに機嫌が上がる。ぱぁっと明るくなる感じですか? いいもの見た気分で僕もハッピーです。

「美味しそう」

 健がそら見ろ。みたいな表情。本当に生意気です。

「宗」

 なに? と言わんばかりの眼差しで見上げられて笑顔になりますよ。かわいい。弟かわいい。

「ホワイトデーはどうするんです?」

 ちなみに僕は義理で送ってこられたチョコのお返しは送りました。一緒に手配の方が良かったですかね?

「えっと、一緒にランチに行く約束してる。ブローチを贈ろうと思うんだけど、喜んでくれるといいんだけどな」

 はにかむ宗がかわいいですよ。

 理由は気に入りませんが。

 あ。おベントつけてますよ。お茶はまだ熱いですからね。

「ブローチ?」

 健が胡乱な眼差しをおくってきますねぇ。

 失礼ですよー。

「ゲーム内のアクセを実際に販売って奴で、クールだったんだ」

 はぁ。

 よくわかりませんが、オモチャ?

 あとで調べましょうか。

 もうじき食べ終わりますね。デザートはイチゴですよー。


 この少しあとに千秋さん鎮さんに詰め寄られるとは思いませんでした。

 気分良かったのに。

『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

より青空空ちゃんお名前チラリお借りいたしました。

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