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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014年〜2015年冬
675/823

バレンタインデー

 板チョコを持っている宗を見かけた。

 コンビニ自買いかな?

 婚約者なるモノがいるとは聞いていたが……。

 モールでのイベント。爆発しろとは思うけど、やっぱり幸せ空気は心地良く、いつか彼女とデートに使いたいとか思うよなぁ。

 フッと視線が合った。

 つーかロックオンされた!?

 せっかく意識を飛ばしてスルーしようとしてたのに!?

「英!」

 呼ばれた。

 気がつかないふりって、……足速いよ!

 運動部にでも入るようにそそのかせば良かった。

「バレンタインに蘇芳さんからチョコレート貰った」

 ソレはコンビニで二百円でお釣り返ってくるチョコだよね。

 蘇芳さんって相手の人の名前?

 ソレで嬉しそうな宗にちょっと泣ける。

「嬉しくて開封?」

 聞けばブンブンと横に振られる頭。

 聞くんじゃなかったっ!!

 それバレンタインチョコなのか?

「バレンタインだからってくれたんだ。ホワイトデー、なに贈ろう」

 そう、バレンタインチョコなのか。

 喜んでいる宗がちょっと哀れなんだが。

 婚約者さん、来年はゼヒ包装してあげてください。

「さっきまで一緒に過ごしてたんだ」

 気持ち照れくさそうにリア充が吐露する。惚気る。かなぁ?

「あー、モールのイベント良かったよな」

「んー、気になったんだけど、蘇芳さん人混み苦手だから。海辺散歩して、ネトゲしてた」

「ふーん」

 ん?

 マテ!?

「今、おかしな単語がきこえたぞ!?」

「あー。やっぱり冬の海ってデートコース的にイマイチだったかなぁ」

 困ったような表情で苦笑してても、俺的にはこのリア充がっって心の叫びを抑えるので精一杯。

「いや、そこもだけど!」

「そこもだけど?」

 なぜわからん!

「何故にデートでネトゲやってんだよぉおお」

「共通の趣味なんだよ。クリスマスも何気にそんな感じ」

 気がつけば頭を抱えてうずくまっていた。

 り、リア充のデート……の夢がっ。

「英、道端でうずくまってると通行の邪魔になるよ? でも今日はクリスマスに贈ったマフラー、使ってくれててさ。嬉しかったなぁ」

 にこにことご機嫌な姿はまぁいいかと思わせる。

「無限回廊でさ、バレッタを買って、贈ったんだけど、喜んでくれるといいなぁ。長船くんも選ぶの手伝ってくれたんだよ」

「ホワイトデーのお返し?」

 祥晴は髪質も考えてヘアアクセ選ぶからなぁ。モノはアタリだろ。クリスマスに見かけて「あのねーちゃん、もさい。髪弄らせろー」とか言ってたけど。

「ううん。今日、蘇芳さんの誕生日なんだ」

「年上?」

「同学年だよ」

 年上趣味かと思ってた。

「そういえば英は彼女いるの? 部活、華やかだよね?」

 ははん。

 残念。

「愛子先輩は気になるけど、俺に浮いた話はない!」

「うわっ。自信満々ぷりがせつなっ」

 半分くらいお前に絡まれてるせいだと思うん……、多分、普通に縁はないな。

「あ~。もうじき卒業式かー。とうとう最終学年だぜ~」

「そーだねぇ」

「おまえ、昼飯どーすんの」

 鎮先輩がふつーに準備してたよな?

「多分、何とかなるかなー。コンビニでパン買ってくるし。鎮先輩も千秋先輩も僕が包丁持つの嫌がるんだよねぇ」

 一人暮らし、自炊できない奴がここに……。

「お、お湯は沸かせるから!」

 俺だって沸かせるわ!

「あー。バレンタイン~。平日ならせめて義理チョコが貰えただろーになぁ」

「おばさんが準備してくれてるんじゃない?」

 ありそうで切ない。




『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

『無限回廊』


うろなバレンタイン狂想曲2015 

http://book1.adouzi.eu.org/n4385cn/

ショッピングモールのイベント

ちらり

お借りいたしました。

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