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7/21 大会終了後

「ほら、ついた」

「何で中学校?」

三春叔父を睨む。

「友達が大会に出てるんだろう?」

投げやりなくせに応援してやればとばかりに世話焼き的なところも見せる。

「今日は父親や、長兄の相手をして疲れただろ?」

じゃあ、家に連れて帰れとちょっと思う。

傘を持たされて下ろされる。

水溜りに踏み込みかけてたたらを踏む。

泥を含む水が靴下と夏向けのスカートにはねて少し汚れる。

さっさと車を出してしまう三春叔父を睨んでおくのは無駄なので屋根のある校舎へ向かう。

まぁ、少しくらい様子を見に行ってもいいかな。


「あれ? 涼維。もう終わっちゃったんだ?」

校舎に至る前に荷物を持って俯いている涼維を見つけた。

「天音ちゃん?」

涼維があわてて顔を上げる。

なぜかちょっと顔が赤い。

「うん」

校舎の屋根の下に入って傘を閉じる。



「えっと、スカート?」



「スカート姿なんて制服で見慣れてるでしょう?」

何言ってんのこいつ。

くるっと回って見せる。

いつもの制服と何も変わらない。

「ほらいつも通り」

涼維は鈍く頷く。

「なんとなく負けて落ち込んでるのはわかったけど。他のはどうだったの?」

「あー。おばさん以外一回戦負けー」

うわぁ、あーやさん以外負けたんだ。



「で、涼維は一人落ち込んでたんだ?」

「あぅぅ」

珍しい呻き方で妙にぎこちない。

「涼維?」

いきなり赤面したかと思うとダッシュで走り去った。

「なに、あれ?」

そんなに負けてショックだったのかなぁ



「すっごいプロポーションのおねーさんに負けたからトラウマ中ぽい」

「隆維」

「俺も負けたー。芦屋先輩強かったー。あれは間違いなく瞬殺ってやつだね」

こっちは負けても堪えてなさそうだ。



「だから慰めて?」







ふわりとした茶髪がゆれる。

じっと見つめられる。





私は、








蹴った。


何人かに見られてたようだが誰も何も言わなかった。









「水色フリル」















瞬間




何を言われたのかわからなかった。





傘を握り締め、振り上げかけた私を止めたのは梅原先生だった。

「さすがにそれは不味い」


少し頭が冷えてしぶしぶ頷く。


「お前が悪い」

いつの間にか近くに来ていた鎮さんが隆維を小突いている。

「天音ちゃん、一緒にご飯食べに行く?」

千秋さんがやさしく声をかけてくる。


私は俯いて首を振る。

「ごめんなさい。帰ります」


隆維がじっとこっちを見てるのはわかる。


先生に『さようなら』を言って顔を上げると白い髪の女の人が先生のそばに立っていた。



三春叔父さんの絵の人だ。


すっごく驚いた。


「『森』の人?」

「はい?」


梅原先生

雪姫ちゃん借りてます

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