表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014秋
667/823

裏事情とゆーかですね、

「実はですね」

 切り出すと鎮さんはじっと見ながら頷いてくれます。

「最近、柊子さんの体調が良いらしいんですよね」

 僅かとはいえ、投薬量も減らせて、その上で調子が回復ぎみなワケですよ。

 いいことだよねと鎮さんは明るい表情で頷きます。そーですね。いいことです。

「そして、女性としての機能は柊子さんにもまだ残っているワケですよ」

 話題の展開に唖然としないでください。

「ただ、公志郎は隆維さん達と同じ歳、中学生なワケです。あまり外聞よろしくないワケですよね。ですが、柊子さんにとっては最初で最後の大丈夫かも知れない機会なワケですよ」

 まだ投薬量減らしたり、様子みながらの準備期間ありますけどね。

 頷きつつも関連性を理解していませんよね。

「ウチは、多数の医療開発研究施設に資金援助しています。実のところ、『(ガーデン)』もそのひとつでした。関係性は年会費のようなモノを支払いつつ、必要な研究成果の検索買取りをするという関係らしいですが。柊子さんの病気に関しても治療法改善策の研究のために資金出してるらしいです」

 出産無理でも代理母とかそーゆー条件とかもみてくれるらしいですね。今回柊子さんはこちらではない機関を利用しますけどね。

 ジークさんと鎮さんは心当たりがあるのか、誰の担当だっけ? とか言っちゃってます。結構情報持ってるんですねぇ。

 実際、どこまでやるかと言えば、志狼さんの実父が先代魔女の実弟だったりするわけですよ。自分の妻ぐらいなら主家のためなら差し出すのは迷わないという感じです。事実、優先開発に入れてもらえたらしいです。

「ココで、守られるべきは……、公志郎の評判となります。柊子さんは病院施設の奥か、この町で過ごしている以上、外野の雑音カットで生活していけますから」

 公志郎は学生ですし、素行がどーのと言われてしまうきっかけになっては困るんですよね。まわって柊子さんの評判とか人柄が傷つけられないようにしなくちゃいけないワケです。

 つーまーりー、当座よろしくない評判を被る生贄が必要になります。

「さて、人の口に戸は立てられません。回る噂なんて真実である必要はありません。中学生を襲ったおねーさまという評判より、弟の婚約者に手を出した兄。え、そーいう人だったの? という噂を採用みたいな感じ予定でしょうか?」

 僕の築いてきた評判を叩き潰そう企画ですよ。ムカつきますよね。

「恭君がいきなり対応変えるとか?」

 そんな露骨な真似はさすがにしません。

「進学先を海外選択するだけですよ」

 ジークさんを見てみます。ええ。この人の後輩になるわけですよね。

「ふーん」

 鎮さんの対応が微妙に変化してきてます。

「どこの学校?」

 気がついてます、よね?

 なんでしょう。この緊迫感が少し、キュンキュンしますよね。

「『庭』の直営大学ですよ。というわけで、事務局とか先生方の派閥とか弱味を教えて欲しいんですが」

「……却下」

 ああ。やっぱり、知らないじゃなくて、教えない。なんですね。

「ありがとうございます」

 一応、身内、融資者枠で優遇入学予定ですが、鎮さんの呼び名が影響力皆無ではないことがわかりました。非常時連絡先は鎮さんですね!

「情報ないのになんでありがとうなの?」

「そりゃあ、派閥があって、鎮さんが影響力を持っているという情報をもらったからですよ?」

 ジークさんの質問に答えると鎮さんが微妙な表情をします。気にしなくていいですよ?

「ロクに知人のいない学校。心細い単独生活。どこかにいるわけですよね。鎮さんという共通の友人がいる誰かが! それが先生か先輩かはわかりませんが」

 友人。という響きに照れる鎮さんはチョロい感じです。

「えっと、エルザとレックスに頼んどくな?」


 ……エルザさん……ですか……。



 嫌な予感しかしません……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ