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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014秋
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ミホさんを絡めてハメていきましょう

「そういえば、ミホさん、どうして朝のこの時間から浜に?」

 ミホさんの行動開始時間はそれほど早くないのは知ってます。

「ミホね、きょーくんがエルザさん好きならクリスマスのデートはエルザさんとがいいよね! きょーくんなら練習なんていらないでしょ?」

 さすがに、表情引きつっちゃってるんじゃないでしょーか。

 やめてください。せっかく昨日どさくさ紛れに了承させたのに。なんであんな嫌がらせ女と過さなきゃいけないんですか。絶対アレ有料ですよ? 行程が僕支払いは基本として!

 ああ、ミホさん、こっち見てませんね。ついでに質問内容の答えじゃありませんよ?


 いーち、にーぃ、さーん。


 はい。落ち着きましょう。

 って、鎮さん、「早くね?」って、仮約束としては早くありません。コースによっては予約入れれませんからね?

「僕は、ミホさんを誘って、ミホさんとお約束したと思うんです。僕の認識はそうです」

 言外に違いましたかと、問うと気まずげにそわそわしている。砂を蹴ってると靴の中に入り込みますよ?

「そ、そうだけど」

 気まずそうな理由は、アレ、でしょうかねぇ。心当たりはあります。

「彼は毎年クリスマスに時間、ないんですよね?」

「う、うん」

 健と話は通ってるので絶対です。

 だから、本当は断れるはずがないんですよね。

「僕とのデートはイヤですか?」

「そうじゃなくて、ほら、バイト入っちゃうかもだし」

 僕は首を傾げます。

「そうですね。その日はいいバイト代が出ると思います。だから、封筒を渡したでしょう?」

 きょとんとするミホさんは封筒の中を確認していなかったんでしょう。ご実家との仲と、健への貢ぎ分で時々ばたばたしてますからね。

「特別なデート気分になれないっと言うのならデートバイト気分で遊んでくださいと言いましたよ? 僕は。もちろん、アレは前渡し分のバイト代です」

 可愛いカッコして欲しいだけですけどね。あとこのタイミングでバイトに行ってればとか思わずに済むようにですが。

 はい。

 鎮さん、横で頭抱えない。

 ただ、僕はその封筒がどうなったのか知っています。だから、ミホさんがデートを受け入れる状況も分かってるんです。

「ごめん。健がちょっと貸してって封筒ごと」

 中、見てなかったと言葉が続く。本人から聞いてるので知ってます。

「そう、ですか。じゃあ、今日はデートをしましょう」

「ぇ?」

「もちろん、約束は固定でクリスマスデートもするんですよ?」

「え?」

 展開についていけないミホさんがかわいいです。と言うことで畳み掛けましょう。見惚れてる場合じゃありません。

「僕は、他の誰かじゃなくて、ミホさんとデートしたいんです」

「ねぇ、きょーくん、いくら入ってたの?」

 お金が入ってたとキチンと自覚したことで慌てているミホさんが可愛らしくて自然、笑顔が浮かびます。

「気にしないで下さい。ミホさんが困ることは何もありませんから」

「えー。そうなの?」

 納得しちゃいそうなミホさんがおバカでとても可愛いです。

「そうですよ。ミホさんはリハーサルと思って今日も楽しんでいただければ。興味のある映画とかありますか?」

「やっぱりーコメディかアクション?」

 知ってます。あと引くものと考えるもの、暗いもの、ホラーとハッピーエンド恋愛もの苦手ですよね。アクションもB級ギャグ系かコメディですよね。僕は苦手ですがいいでしょう。付き合います。不条理コメディとかやってると嬉しいんですが。

「まだ時間も早いですし、朝ごはんにしながら相談しましょう。カラオケやショッピングでもいいですよ」

「おー! 今ねー、モールはハロウィンモードでたっんのしーんだよー」

 はしゃぐミホさんはかわいいです。楽しそうなミホさんから鎮さんに視線を移します。苦笑してました。鎮さんに苦笑できる何があるんでしょうか?

「鎮さん」

「んー?」

「明日は朝からお時間下さいね。尋問したいと思います」

 はい、そこドン引かない。



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