7/20 海開きだ! お手伝いだ! 突撃だ!
隆維、手伝いに行く
「よっと、おはよー海ねぇ」
背後からなぜか鎮兄がからすまんとのフル装備で顔を出す。
暑いだろ?
「おはよう。アリカの諸君! オープン初日ご苦労」
生ぬるいまなざしに動じない鎮兄。
「なに着てんの」
海ねぇの呆れた声。
うん。呆れると思う。
「お。からすまんと、夏祭り以来じゃねぇか」
大将が豪快に笑う。
父さんがデスプランを組むときに時々?協力を求める人物でもある。
と、言うわけで、
「うむ。ご機嫌だな。……地獄の使者よ」
鎮兄がようやく会話用に口を開く。
呆れられて地味に動揺していたらしい。
「海ねぇ、おはよー。あのねーれんしゅー中なのー。汐ねぇはー?」
芹香が汐ちゃんの居場所を聞くと鈴音ちゃんを引っ張っていく。
「べるべるこっちー 出てこーい♪ うしおねぇえ! おっはよー」
「空ねぇ、おばさん、今日は手伝いに来ました。で、こっちは友達の天音と、そういっちゃん」
「おはようございます」
二人とも頭を下げる。
「涼維と千秋兄はうちの模様替え中」
いつものことなのでおばさんたちは頷く。
「あと、明日は剣道大会があって強制連行だから手伝えない。海ねぇ、条件は事前通りだから。天音たちもそれで納得してる」
ひとしきり伝え終える。
すでにからすまんとは器用に動いて給仕を手伝っている。空ねぇに配達先を聞き、そういっちゃんに運ぶ先を指示して手伝わせている。
というか、
「疲れた」
こういう説明は基本涼維に任せてるのに。
「疲れるには早い!」
海ねぇとおばさんに笑われる。
まぁ、漁師のおっさんたちも笑ってるけど。
「……よろしく、おねがいします」
漁師の一部が天音を撫でる。
「がんばれや、ぼうず」
特に反論せず天音は頷く。
別に気にならないんならいいか。
海の家「アリカ」に手伝いに行きました。




