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るぅるぅ墜落紀行・偶発編☆帰還後の絶叫
「つちのこ」
「土鋸? 新種の武器か?」
「ちがうのだ」
ここは自分の世界。自分のお家。
黒いクッションに沈みながら同僚の発言を否定する。
「蜂の子みたいなもの?」
「ちがうのだ」
「ふぅん」
そう、こいつらは興味もなく聞いてきているだけである。
「で、かろうじて生き延びたわけだ。死んでたらどう責任取るつもりだったのかな?」
「よその世界で無銭飲食とかって恥ずかしいよね。しかも、たかったりして」
ねちねち。
正論かもしれないけど、ねちねち。
「まぁ、ねだれるのは子供の特権だろう」
暗にみっともないと言われる。
るぅるぅがそう、無銭飲食ということに思い当たったのは天狗仮面に会ってからだったのだ。
「るぅるぅ、もうじき大人なのだ」
二人は一度顔を見合わせてからわざとらしくそらす。
くやしいいぃい
今度、ちゃんと準備してあっちの世界に行ってこいつらを困らせてやるのだぁああ!
たぶん、同僚二人は困らない。
るぅるぅ墜落紀行・偶発編完☆
作為編に続く……ことはない☆




