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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014夏
586/823

8/25 早朝タイム

 朝の五時。

 ザラザラとシリアルを皿に入れて牛乳を注ぐ。

 冷蔵庫のタッパーからカット野菜を引っ張り出して、リンゴジュースの紙パック。……残量はコップ一杯分もない。そのまま口をつけて飲み切って、新しい紙パックを選ぶ。オレンジでいいか。

「あ。俺も〜」

「んー」

 コップを渡しつつ、頬に軽くおはようのキス。

「さんきゅー」

 言葉とともに返ってくるキス……。

 ぅん?

 えっと……?

 あ。

「環境ボケした」

「えっ!?」

 ひらひらと何かショックを受けてる鎮に手を振る。

「ここ日本。むこう式朝のあいさつはなし」

「ちーぇ、よく寝れたかぁ?」

 え?

 それ聞く?

「時差ボケ対策にさ、眠いの我慢して夜寝るつもりで帰ってきたさ、電車でうとうとしてヤバかったけどさ。帰ったら、おかえりじゃなくて、芹香がタックル。鎮は空ねぇとおかえり言ったあと、どっか消えるし、うち入ったらジークがキッチン荒らしてるし、芹香にサッサとシャワー浴びてこい急かされるし、ゼリー構いたいのにどっかいってるし」

「あ。ゼリー散歩連れてってた。空と」

 ……散歩は必要、だからね。

「シャワー浴びて部屋でくつろいでたらゼリー帰ってきて、構えたからいいんだけど、なぜか芹香が部屋に突進してきてさぁ、一緒に寝るながれになったんだよ。真剣に部屋にエアコン欲しい! 俺のクール寝具はどこに消えた!?」

「あ、それはわかる〜。寝具はジーク、かな?」

「布団に包まった小学生と、ふわもこわんことだぞ?」

 クソ暑いっつーの。

 お前、寝れるのか?

 あ、寝てそうだな……。

 突っ込まないでよかった。

「昼寝すんの?」

「いや、二学期の準備の確認。ボケてそうだから大人しく、……」

 チラッと見えるキッチン。片付いてはいるけれど、ちょこちょこと配置が変わっている。

「今日は家事しとくよ」

 変な時間に寝ると生活パターン崩れるし。

 今夜はクール対策の寝具冷蔵しとかないとな。課題はやったし、まぁ、進学も決着したから、田中先生の方に報告しないとな。で、今日中に役場に行ってあのカツラを返却する!

 芹香連れて謝らせないと。

 えーっと荷物が届くのは今日か明日、だったよな。

 荷物を出して整理とばら撒き用の土産と……。

「あれ?」

「どったの?」

 バターロールに具材を挟んでいく鎮。朝飯はサンドイッチか。

「いや、思ったより予定きゅうきゅうで驚いてるだけ」

「随分、むこうにいたもんな」

「うーん。会わないといけないのに都合がつき辛い人が何人かいてさ」

「そっかー。一回安眠した後に聞きてーな」

「うん。そーする。朝デート? あんま、空ねぇに迷惑かけんなよ?」

「わかってるー。だから相互理解のための朝デート~。いってきまっ」

 見送りつつ、ふやけたシリアルをすくう。

「おはよう! 千秋兄! ラジオ体操の前にゼリーの散歩でしょ?」

「おはよ、そーだよ。とりあえず、コップもってきなよ。朝一のフルーツジュース」

 駆け込んできた芹香にむけて紙パックを揺する。

 ぱたぱたとコップを取りにいく芹香の様子を見ながら思う。鎮、なんかで折り合いつけたのかなぁ、と。理解できないままおいておきたいわけじゃない。

 当面、進路の方向性がお互い安定すれば話すこともできるかとも思う。

 向き合う方向、距離。自分自身の立ち位置。考えることは多いなぁ。

 とにかく今は眠い!

 芹香のコップにジュースを注いで、自分用にインスタントコーヒーを入れる。

「いろいろさ、考えんのは二学期入って一息つけたらにする」

 ことんとテーブルにコップをおく音。

「二学期からの方が忙しいんじゃないの?」

「ま、なんとかなるんじゃないかな? 今日は町役場行くからね。企画課の人に持ってきちゃってごめんなさい、ちゃんとするんだよ?」

「えー」

 えー、じゃないよ。

『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』

http://book1.adouzi.eu.org/n7439br/

空ちゃん、話題にお名前だけ。


『ばかばっかり!』

http://book1.adouzi.eu.org/n1801br/

より納涼肝試しねた。を話題にお借りしております

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