7/10 納涼会を話題に
「で、山辺さん、なんか聞いてる?」
「どうして私に聞くの?」
「おにーさんが知ってそうだったから」
「母方の親族の人が会いたいって話だってコトしか知らない」
長船君に応えて、拾った隆維涼維情報を伝える。ばたついてるのか当人達からのメール一つもこないらしい。
パパの話では夏いっぱいは帰ったついでだからと、挨拶回りとか多忙らしい。
だから少なくとも夏休み前に帰ってくるコトはないらしい。
どんな親子コミュニケーションとるつもりなんだろう?
「そっかぁ。じゃあ、高遠を誘っていくかぁ」
「ああ、一緒に学校来てた仲間がいなくなったんだもんね。誘って、って?」
なに?
「ん。町役場主催の納涼会。ポスター出てたし、会場、夜の中学校だってよ」
納涼会。去年は素敵だったなぁ。思い出すだけで胸が高鳴る感じ? そっか。
「今年もやるんだ」
「近いしさ、合法的に夜の学校に入っても怒られない! これは参加だろ?」
「帰りにポスターチェックする。ありがとう。長船君」
「おう。美丘さんもどう? 楽しいと思うよ?」
「やめとく。夏休みに一度アメリカにいく予定があって、帰国の日取りとかまだ未定だから」
「え? 二学期からいないとか?」
「まさか! よほどがなければ戻って来るよ」
会話にひっそりと聞き耳を立ててたらしい周囲から笑がもれる。
「長船のタイプは美丘かー?」
からかいの声に美丘さんが頬を染める。
「そりゃあもう。この美しい髪。ぜひいつか手入れしてみたいね。もちろん、技術を身につけてからねー。練習させてくれんなら歓迎だけどさ」
長船君はからかいに動じるコトなくさらりとかわす。
恥ずかしくないのかと後で聞くと「ほら、日生の兄弟見てるとさ、あれくらい普通かなぁって誤認しそうで」と返ってきた。
誤認なんだ。
そして、血筋じゃないんだ。
思い浮かべたのはマスター長船だった。
「山辺さん、髪、結局伸ばす方向?」
「うん。その方がまとめやすいし。しばらく邪魔だけどね」
ホント半端な長さがこんなに邪魔だとは思ってなかった。
納涼会ネタ〜




