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URONA・あ・らかると  作者: とにあ
2014夏
569/823

7/10 納涼会を話題に

「で、山辺さん、なんか聞いてる?」

「どうして私に聞くの?」

「おにーさんが知ってそうだったから」

「母方の親族の人が会いたいって話だってコトしか知らない」

 長船君に応えて、拾った隆維涼維情報を伝える。ばたついてるのか当人達からのメール一つもこないらしい。

 パパの話では夏いっぱいは帰ったついでだからと、挨拶回りとか多忙らしい。

 だから少なくとも夏休み前に帰ってくるコトはないらしい。

 どんな親子コミュニケーションとるつもりなんだろう?

「そっかぁ。じゃあ、高遠を誘っていくかぁ」

「ああ、一緒に学校来てた仲間がいなくなったんだもんね。誘って、って?」

 なに?

「ん。町役場主催の納涼会。ポスター出てたし、会場、夜の中学校だってよ」

 納涼会。去年は素敵だったなぁ。思い出すだけで胸が高鳴る感じ? そっか。

「今年もやるんだ」

「近いしさ、合法的に夜の学校に入っても怒られない! これは参加だろ?」

「帰りにポスターチェックする。ありがとう。長船君」

「おう。美丘さんもどう? 楽しいと思うよ?」

「やめとく。夏休みに一度アメリカにいく予定があって、帰国の日取りとかまだ未定だから」

「え? 二学期からいないとか?」

「まさか! よほどがなければ戻って来るよ」


 会話にひっそりと聞き耳を立ててたらしい周囲から笑がもれる。

「長船のタイプは美丘かー?」

 からかいの声に美丘さんが頬を染める。

「そりゃあもう。この美しい髪。ぜひいつか手入れしてみたいね。もちろん、技術を身につけてからねー。練習させてくれんなら歓迎だけどさ」


 長船君はからかいに動じるコトなくさらりとかわす。


 恥ずかしくないのかと後で聞くと「ほら、日生の兄弟見てるとさ、あれくらい普通かなぁって誤認しそうで」と返ってきた。


 誤認なんだ。


 そして、血筋じゃないんだ。

 思い浮かべたのはマスター長船だった。


「山辺さん、髪、結局伸ばす方向?」

「うん。その方がまとめやすいし。しばらく邪魔だけどね」

 ホント半端な長さがこんなに邪魔だとは思ってなかった。

納涼会ネタ〜


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