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7/11 ショッピングモール撮影



「よろしくおねがいしまーす」

「よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

ユナちゃん、私の挨拶に丁寧に、且つ爽やかに答えてくださるのはショッピングモールの鹿島さん。

明るく接しやすい人。

若くしてそれなりの役職についてるようなので頭もいいのだろうと察することが出来る。


「おっきな店舗でびっくりしました♪ いろいろ見て回るのがすっごく楽しみです!」

「フードコートとか?」

小さく笑うとユナちゃんが頬を膨らませる。

「バイキングやブティックもですよぉ」

「映画館やホビークラフトのエリアも本当なら楽しんで欲しかったところですね」

鹿島さんが会話に乗ってきて時間が足りないことを惜しんでくれる。

「ぁーーもう。SARAさんどうしましょう。一日じゃ回りきれませんよぉ」

「そぉね。じゃあどうする?」

腕組みして悩むユナちゃん。

ぽんと手を打って明るい笑顔。

「あの広い駐車場にテント張って泊まっちゃいましょう!」

「仕事の予定上無理だよ」

ユナちゃんの野望はマネージャーのチョップと共に潰えた。



撮影は鹿島さんの事前準備が行き届いていたおかげで問題なく進んだ。

季節柄もあって水着の特設コーナーや、夏の浴衣、華やかな小物日傘のコーナーに、アウトドアコーナー。

プール撮影のときは泳げない水面を恨めしげに見つめるユナちゃんがいた。


「ワンピと帽子、アクセも買っちゃいましたー」

天然石ショップで石を選んで作ってもらったヘアクリップをカチカチさせながら戦利品を見せる。

今日も「かわいいー」と「おいしぃー」の連発だったねー。



「鹿島さん、今日はありがとうございましたー」



鹿島さんや他の店員さんに見送られ店舗から出る。


広々とした駐車場。


平日のじとつく昼下がり。


「あっつーい」


ユナちゃんが手を広げて空を見上げる。


「また会えますよね」


「ユナちゃん」


ぎゅっと勢いつけてユナちゃんが抱きついてくる。

「落ち着いたらメールくださいね! じゃあ、ユナはうろな温泉の撮影に行って参ります」

するりと離れて帽子を少し下げて敬礼する。

「落ち着いたら連絡するね。ユナちゃんもがんばって」




ユナちゃんたちと別れた私はそのまま町役場へと足を伸ばしたのだった。

教育を考える会から鹿島さん、お借りしております。

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